ホテルのロビー・ラウンジの照明で最初に決める3つのこと
① 高級感は「輝度差」で作る
ロビーが安っぽく見える一番の原因は、天井の器具で全体を平均的に明るくしてしまうことです。上質に見える空間は逆で、地を暗めに保ち、その上に「光の面」(コーブで照らした天井や壁)と「光の線」(カウンター下・棚・ニッチ)を置いて、明暗の差=輝度差で立体感を作っています。間接照明はこの「面」と「線」を作る道具です。
② 色温度は空間で「そろえる」
落ち着きを出すなら2700〜3000Kの電球色が基本ですが、それ以上に大事なのが一続きに見える範囲で色温度をそろえることです。コーブは2700K・カウンター下は4000Kのように混ざると、器具単体は良くても空間全体がちぐはぐに見えます。ロビー→ラウンジ→通路と客の視線がつながる範囲は同じ色温度で統一してください。
③ 24時間運用を回路と調光で設計する
ロビーは24時間人がいます。チェックイン帯・夜・深夜で必要な明るさが違うので、時間帯で絞れる調光と、深夜も残す回路の分け方を最初に決めておくと、営業しながら現場で追い込めます。
場所別の色温度と明るさの目安
下の表は当店がご相談を受けたときに出している目安です。JISの照度基準そのものではありません(基準の考え方はJIS Z 9110の解説を参照してください)。最終的には一角だけ先に作って、夜の時間帯に現場で調光して決めるのが確実です。
| 場所 | 色温度の目安 | 明るさの考え方 | ポイント |
|---|---|---|---|
| エントランス・車寄せ側 | 2700〜3000K | 外から中の光だまりが見える | 入った瞬間の第一印象。外光との差が大きいと暗く感じるので夕方に確認する |
| ロビー・ラウンジ | 2700〜3000K | 地は暗め・面と線で立体感 | コーブ+カウンター下+家具まわり。光源を客の目に入れない |
| フロント・レセプション | 3000K(空間と統一) | 記帳・精算の手元が見える | 手元はブラケットやダウンで足す。Ra90以上だと顔色が自然に見える |
| 通路・エレベーターホール | 2700〜3000K | 中間・均一・足元重視 | 明暗の急な差を作らない。足元灯・手すり照明が効く |
| バー・ラウンジの夜営業帯 | 2700K中心 | 低め・調光で落とす | ボトル棚・カウンター下を主役に(飲食の間接照明) |
間接照明にLEDテープをどう使うか(定番の4か所)
ロビー・ラウンジでの使いどころは、だいたい次の4か所に収まります。どれも光源そのものを見せず、面や縁を光らせるのが基本です。
コーブ・コーニスの納まり
テープを目線から隠す立上りの高さや、照らす面との離隔はコーニス照明の納まり寸法に寸法つきでまとめています。COBはドット(粒)が出ないので、天井や壁の近くに置いても粒々が映りません(COBとSMDの違い)。天井や壁が光沢材だとテープ本体が映り込むので、艶のある内装では取り付け位置を先に現物で確認してください。
「高級感が出ない」ときに見直す4点
24時間運用の調光タイムライン
ロビーは閉店がないぶん、時間帯での使い分けが照明の運用そのものになります。よくある組み方は次のとおりです(実際の時刻・絞り具合は施設の客層に合わせて現場で決めてください)。
| 時間帯 | 使い方 | ポイント |
|---|---|---|
| 朝〜チェックアウト帯 | 明るめ | 精算・荷物の確認がしやすい明るさ。外光と喧嘩しないか朝に確認 |
| 日中 | 中間 | 外光が入る時間帯は間接照明が負けて見えることがある。窓との位置関係で決める |
| 夕方〜夜 | 落とす | コーブとカウンター下を主役に。ラウンジ利用が増える時間帯 |
| 深夜 | 最低限まで絞る | 防犯と足元の安全が保てる明るさは残す。フロント手元は別回路で確保 |
調光器はLED用の調光器と電源の組み合わせで使います。白熱灯用の壁つまみ(位相調光)にLEDをつなぐと、ちらつき・うなり・消えない(微点灯)が起きます(消えない原因と直し方)。当店の単色調光器はDC24Vテープ用ですが、PWM周波数は仕様書に記載がありません。記念撮影の多いロビーでは、全面に入れる前に一角だけ組んでスマホで撮り、縞やちらつきが出ないか確認してください(カメラのちらつきとPWM周波数)。
コーブ一周の長さと電源の計算
当店のCOBテープライトは約12W/m(1巻5mで約60W・単色の場合)です。電源は連続で使う負荷を定格の半分に収めるのが基本です(電源が熱くなる原因と容量の取り方)。
計算の例(折り上げ天井の一周)
コーブの一周が30mなら約360W。電源は定格の半分で使う考え方からDC24V 400W電源2台に系統を分けます。一周が20mなら約240WでDC24V 400W電源1台(約半分)に収まります。
| コーブの合計長さ | 消費電力の目安 | 電源の組み方 |
|---|---|---|
| 〜13m | 〜約156W | DC24V 300W×1 |
| 13〜20m | 〜約240W | DC24V 400W×1(20m超は2系統) |
| 20〜26m | 〜約312W | DC24V 400W×2(2系統) |
| 26m以上 | 約312W〜 | 電源を2系統以上に分ける(調光の系統分けと合わせて設計) |
1列は5m前後にして電源から複数本で給電しないと、末端が目に見えて暗くなります(何mまで繋げられるか/電圧降下の考え方)。天井裏に電源を置く場合は、点検口からの手が届く位置に集めておくと保守が楽になります(電源の置き場所の決め方)。
部材のまとめ(当店で揃うもの)
| 部材 | 当店の取り扱い | 用途 |
|---|---|---|
| LEDテープ(単色) | COBテープライト 24V 全12色・5m巻 ¥2,100+税(税込¥2,310) | コーブ・コーニス・カウンター下・家具まわり |
| 電源 | DC24V 200W/300W/400W | コーブ一周や系統ごとに1台 |
| 調光器 | 単色調光器 RFリモコン付 | 時間帯での絞り・タイムライン運用 |
| アルミフレーム | 通常型25mm・埋め込み型20mm | 放熱と仕上げ。見えがかりになる場所はカバーで面を整える |
| シリコンカバー | 8〜15mm対応 | ネオン風のライン・サイン・ロゴ |
当店のテープはIP20の屋内専用です。車寄せ・外構・水がかかる場所にそのまま使うことはできません(IP等級の選び方)。宿泊施設全体(客室・宴会場・大浴場など)の考え方は旅館・ホテルの照明ガイドにまとめています。
まとまった数量・法人でのご購入は大量購入のご案内もご覧ください。
発注前チェックリスト
- 「地は暗め・面と線で立体感」の方針を内装側と共有した(全体を明るくする計画になっていない)
- 一続きに見える範囲(ロビー・ラウンジ・通路)の色温度を1つにそろえた
- 座った目線・見下ろし目線からテープ本体が見えないか、断面図で確認した
- コーブの合計長さ(m)を出し、約12W/mで電源のWを計算した(定格の半分)
- 1列を5m前後にして給電を分ける配線にした
- 深夜帯に残す回路(防犯・足元・フロント手元)を分けた
- 撮影の多い空間は、全面に入れる前に一角で試し撮りをする段取りにした
- 屋外・水のかかる場所にIP20のテープを使っていない
- カットは50mm単位・カットマークの線の上で切ることを施工者に伝えた
よくある質問(FAQ)
LED PRO SHOP のCOBテープライト
DC24V・5m巻の全12色、¥2,100+税(税込¥2,310)です。320粒/m・テープ幅8mm・カット単位50mm・Ra>90・IP20(屋内専用)・寿命5万時間。1巻から購入でき、ご入金確認後3営業日以内に発送します。
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