12V/24V別の最大長・両端給電・ブースター接続・電圧降下計算式を施工業者向けに解説
LEDテープライトを5m以上つないだとき、電源側は明るいのに末端に向かって徐々に暗くなる現象の原因は電圧降下です。12V帯では5m超えで輝度差が目視で確認でき、10m超えでは末端が著しく暗くなり施工クレームの原因になります。この問題は電源容量を増やしても解決しません。
規格改正のお知らせ(2026年8月時点)
JIS Z 9110は2024年12月20日に改正され、屋内の具体的な照度の数値はJIS Z 9125:2023(屋内照明基準)へ移りました。本記事に載せている照度値は旧版(JIS Z 9110:2011)の区分に基づくものです。数値そのものが大きく変わったわけではありませんが、設計書・仕様書に根拠を書く場合はJIS Z 9125:2023を参照してください。 → 2024年改正で何が変わったのかを詳しく見る
LEDテープは銅箔の配線に電流を流して発光します。銅箔には抵抗があるため、電源から離れるほど電圧が下がり(オームの法則:V = I × R)、末端に向かうほど電圧が不足して暗くなります。
電圧降下は電流×配線長×抵抗値で決まります。12Vテープは電圧が低い分、同じ消費電力でも電流が大きく(P = V × I)、降下の影響を受けやすい構造です。
例:12V 10W/mのLEDテープを10mつないだ場合
消費電流 = 100W ÷ 12V ≒ 8.3A。配線抵抗が仮に0.15Ω/mなら、往復で3Ω。電圧降下 = 8.3A × 3Ω = 24.9V(12Vを大幅に超える計算値)。実際には途中で電圧が落ちきって末端は半分以下の輝度になります。
以下は一般的なLEDテープの電圧降下に基づく推奨連続使用長です。消費電力・テープ幅・ハーネス配線の太さによって変わるため、実際の施工では計算確認を推奨します。
本記事は「なぜ電圧が下がるのか」と「どう抑えるか」を扱います。 W/m別の早見表や、長さが足りないときの電源追加の手順といった「結局何mまで引けるか」の側は、 LEDテープは何mまで繋げられるか(最大長さ・配線距離の限界)にまとめています。
| 電圧 | 消費電力 | 推奨最大長(片端給電) | 両端給電時の最大長 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 12V | 〜5W/m | 5m以下 ✓ | 8〜10m | 低電力タイプ・間接照明向け |
| 12V | 10W/m前後 | 3〜4m 注意 | 6〜8m | 高輝度テープは電流大・降下大 |
| 12V | 10m超え | 不可 ✗ | — | 24V化またはブースター必須 |
| 24V | 〜10W/m | 10m以下 ✓ | 18〜20m | 長尺施工の基本選択 |
| 24V | 10〜20W/m | 5〜8m 注意 | 10〜15m | 高出力タイプは要計算確認 |
| 24V | 20m超え | 要分割給電 ✗ | — | ブースターまたは分岐給電 |
例:24V・8W/m × 10m = 80W → 電流 80W÷24V = 3.3A
配線抵抗0.1Ω/m × 10m × 2 = 2Ω → 電圧降下 3.3A × 2Ω = 6.6V
→ 24V - 6.6V = 17.4V到達(許容外)→ 両端給電 or 24V配線太め対応が必要
同じ消費電力なら電流が半分になり、電力損失は1/4に減る。新規施工では24Vテープを第一選択にすることで5〜10mの長尺でも均一な明るさを実現できる。
テープの両端に電源を繋ぎ、電流を双方向から供給する。中央での電圧降下が片端給電の約半分になる。電源2台を同電圧・同容量で使い、GNDを共通接続する必要がある。
テープの途中にブースターを接続して電圧を補償し、以降のセクションに安定した電圧を供給する。20m超えの長尺施工や高出力テープの均一輝度が求められる場合に有効。
| 選定基準 | 12V推奨 | 24V推奨 |
|---|---|---|
| 使用長 | 5m以内 | 5m超え・長尺施工 |
| 電源コスト | 比較的安価 | やや高価だが長尺では必須 |
| 安全性 | 標準 | 低電流で発熱リスク低減 |
| 商品バリエーション | 多い(汎用品が豊富) | 増加傾向・業務用が多い |
| 電圧降下耐性 | 低い(短距離専用) | 高い(長尺施工に有利) |