JIS Z 9110は2024年に改正|オフィスの照度基準は今どこを見る?事務室750lx・法令300lxとLED器具台数の計算
「オフィスは何ルクス必要か」を調べると、300lx・500lx・750lxの3つが出てきます。どれも間違いではありません。根拠が違うだけです。しかもJIS Z 9110は2024年12月20日に改正され、屋内の数値はJIS Z 9125:2023へ移りました。この記事では、どの数字がどの根拠から来ているのかを先に整理し、そのうえで器具台数の出し方・色温度の選び方・蛍光灯からの更新までを、電気工事と内装施工の実務目線でまとめます。
JIS Z 9110 オフィスの照度基準一覧
先に一つ。JIS Z 9110は2024年12月20日に改正されています。ここを知らずに数値だけ拾うと、根拠の書き方を間違えます。
改正でいちばん大きいのは、屋内の具体的な照度の数値がJIS Z 9110から抜けたことです。事務室・工場・学校・病院・店舗といった屋内空間の維持照度は、JIS Z 9125:2023(屋内照明基準)に移りました。現行のJIS Z 9110:2024は、照明設計全体の考え方を示す総則という位置づけです。用途別の数値は、それぞれの規格を見に行きます。
| 探している場所 | 見る規格 |
|---|---|
| 屋内(事務所・工場・学校・病院・店舗など) | JIS Z 9125:2023 屋内照明基準 |
| 屋外の作業場 | JIS Z 9126:2021 |
| スポーツ照明 | JIS Z 9127:2020 |
| 道路照明 | JIS Z 9111:2022 |
| トンネル照明 | JIS Z 9116:2022 |
| 全体の考え方・用語・共通事項 | JIS Z 9110:2024 照明基準総則 |
2024年改正で変わった主な点は次の4つです。
- 照度の段階が 1〜20,000lx(25段階)から 0.5〜10,000lx に変わった
- 平均演色評価数Raの最小値を 20 と規定した(LEDの普及に合わせた見直し)
- 昼光を利用する場合やタスク・アンビエント照明の場合に、照度均斉度が小さくなることを許容する規定を新設した
- 非常用照明について、通常の電力供給が断たれたときに動作するという目的を明示し、関連法規に従って設置する規定を新設した
現場への影響は、正直に言うと「明日から何かが変わる」類のものではありません。すでに設計した照度がいきなり不適合になるわけではないので。ただ、見積書や設計書に根拠を書くとき、屋内の数値なら「JIS Z 9125:2023による」と書くのが正しくなりました。「JIS Z 9110の500lx」という書き方は、いまは通りません。
事務所・オフィスの区域別推奨照度
以下の表について、はっきりさせておきます。事務室の行だけが現行のJIS Z 9125:2023で確認した値で、それ以外は旧版(JIS Z 9110:2011)の値です。現行規格の全数値は有償の規格書にしか収録されておらず、当社はまだ全用途分を確認できていません。確認できていないものを現行値として書くわけにはいかないので、区別して並べています。
| 作業・区域 | 照度(lx) | 根拠 | 主な照明方式 |
|---|---|---|---|
| 事務室 | 維持照度 750lx UGR制限値 19/演色性 高Ra区分1 壁面の平均輝度 30cd/m²以上 天井面の平均輝度 20cd/m²以上 |
JIS Z 9125:2023(現行) | 全般照明 |
| 設計・製図・精密作業 | 750lx | JIS Z 9110:2011(旧版) | 全般照明+局所照明 |
| 会議室・応接室 | 300lx | JIS Z 9110:2011(旧版) | 全般照明 |
| 受付・ロビー | 300〜500lx | JIS Z 9110:2011(旧版) | 全般照明+装飾照明 |
| 廊下・通路 | 100lx | JIS Z 9110:2011(旧版) | 全般照明 |
| 階段 | 150lx | JIS Z 9110:2011(旧版) | 全般照明 |
| 休憩室・食堂 | 200lx | JIS Z 9110:2011(旧版) | 全般照明 |
| 書庫・倉庫 | 200lx | JIS Z 9110:2011(旧版) | 全般照明 |
| トイレ・洗面 | 200lx | JIS Z 9110:2011(旧版) | 全般照明 |
旧版の値をそのまま使ってよいかというと、実務上は多くの場合そのままで通ります。改正は数値を大きく動かすものではなく、収録先を整理するものだったからです。ただ、事務室のように現行値がはっきりしているものは現行値を使ってください。750lxと500lxでは、器具台数が1.5倍違います。
照度の測定方法
照度は作業面(通常は床上75cm:机面の高さ)で測定します。照度計を用いて室内を格子状(2〜4m間隔)に計測し、その平均値が基準を下回らないことを確認します。
ここで一つ注意があります。現行のJIS Z 9125:2023が定めているのは「維持照度」で、これは器具が汚れ、光束が落ちきった状態でも下回ってはいけない下限値のことです。新品を点けた直後の実測値ではありません。竣工検査で750lxちょうどだと、数年後には基準を割ります。設計時は保守率を織り込んで、初期照度に余裕を持たせます(保守率の決め方は後述)。
既存オフィスで照度不足が確認された場合の対応:
- 照明器具の増設・光束の高い器具への交換
- 照明器具の清掃(経年汚れによる光束低下の回復)
- デスク上への局所照明(デスクライト)の追加
- 天井・壁の反射率を高める(白系内装での反射効果)
法令はどちらを見るのか(事務所と作業場で違う)
JISは規格であって法令ではありません。守らないと違反になるのは、こちらです。そして事務所と一般の作業場では、見る条文が違います。ここを混同している資料が多いので、分けて書きます。
| 場所 | 条文 | 作業の区分と下限 |
|---|---|---|
| 事務所 | 事務所衛生基準規則 第10条 | 一般的な事務作業 300lx以上 付随的な事務作業 150lx以上 |
| 一般の作業場(工場・倉庫など) | 労働安全衛生規則 第604条 | 精密な作業 300lx以上 普通の作業 150lx以上 粗な作業 70lx以上 |
事務所側は2022年12月1日から数値が上がっています。改正前は「精密な作業 300lx/普通の作業 150lx/粗な作業 70lx」という3区分でしたが、これが2区分に整理され、下限も引き上げられました(一般的な事務作業 150lx→300lx、付随的な事務作業 70lx→150lx)。改正時の行政の説明では、精密な作業についてはJIS Z 9110などを参照して作業に合った照度を定めることとされています。
実務でよく効くのはここです。古い事務所ビルの改修で「昔の図面どおり150lxで足りる」と言われることがありますが、いまは違反になります。逆に言うと、法令の下限300lxとJIS Z 9125の事務室750lxには2.5倍の開きがあります。法令を満たすだけなら300lxで足りる。ただ、それは「違反ではない」というだけで、PC作業を8時間続ける場所として快適かは別の話です。当社は事務室の設計を頼まれたときは、法令ではなくJIS側の750lxを目標に置いて話を始めます。
500lxを満たすLED器具台数の計算方法(光束法)
必要な器具台数は「光束法」で概算できます。照明設計ソフトが手元にない見積り段階でも、電卓だけでおおよその台数を出せる計算式です。
器具台数 N =(E × A)÷(F × U × M)
| 記号 | 意味 | オフィスでの目安 |
|---|---|---|
| E | 目標照度(lx) | 事務室 750lx(JIS Z 9125:2023)/法令の下限 300lx |
| A | 床面積(m²) | 実測または図面から算出 |
| F | 器具1台の定格光束(lm) | カタログの光束値を使用(消費電力Wではない) |
| U | 照明率 | 白系内装・天井高2.5〜2.8mで0.6〜0.7 |
| M | 保守率 | LEDは0.8が一般的(清掃頻度が低い環境は0.7) |
目標照度をいくつに置くかで、台数は素直に比例します。法令の下限300lx、実務でよく使われる500lx、現行JISの事務室750lx。同じ部屋でも台数は 300:500:750 = 1:1.7:2.5 になります。ここは施主と先に握っておかないと、あとで「思ったより器具が多い」ともめます。
以下は500lxで計算した例です。750lxで引くときは、出てきた台数を1.5倍してください。
計算例:100m²の執務室を500lxにする場合
定格光束4,000lmのLEDベースライトを使い、照明率U=0.65・保守率M=0.8とすると、
N =(500lx × 100m²)÷(4,000lm × 0.65 × 0.8)= 50,000 ÷ 2,080 ≒ 24.0台
端数は切り上げ、実務では配置の対称性(例:5列×5台)も考慮して25台前後で計画します。
面積別の必要台数 早見表(目標500lx・U=0.65・M=0.8で試算)
| 床面積 | 4,000lm器具 | 4,800lm器具 | 6,900lm器具(Hf32W×2灯 高出力相当) |
|---|---|---|---|
| 50m² | 13台 | 11台 | 7台 |
| 100m² | 25台 | 21台 | 14台 |
| 165m²(約50坪) | 40台 | 34台 | 23台 |
| 200m² | 49台 | 41台 | 28台 |
天井高が3mを超える場合や暗色系の内装では照明率が0.5前後まで下がり、必要台数は2〜3割増になります。また均斉度0.7以上を確保するため、器具間隔は「作業面から光源までの高さ」の1.2〜1.5倍以内を目安に配置します。最終確定はメーカー無償の照度分布計算サービス等で裏取りしてください。
照明率U を「室指数」から詰める(計算が現場と合わない最大の原因)
光束法で出した台数が実測とズレる場合、原因のほとんどは U(照明率)を一律0.65で置いたことにあります。照明率は「器具から出た光のうち作業面に届く割合」で、部屋の縦横比・天井高・内装の反射率で大きく変わります。実務では次の室指数(RI)を先に出してからメーカーの照明率表を引きます。
室指数 RI =(X × Y)÷{H ×(X + Y)}
X=間口(m)/Y=奥行(m)/H=光源から作業面(床上75cm)までの高さ(m) ※天井高そのものではない点に注意
| 室指数 RI | 部屋の形状イメージ | 照明率Uの目安 (白系内装・直付ベースライト) |
台数への影響 |
|---|---|---|---|
| 0.6 前後 | 狭い/天井が高い(廊下・吹抜け寄り) | 0.40〜0.50 | U=0.65比で約3〜6割増 |
| 1.0 前後 | 小会議室・個室 | 0.50〜0.60 | 約1〜3割増 |
| 1.5〜2.0 | 一般的な執務室(天井2.5〜2.8m) | 0.60〜0.70 | 基準(早見表どおり) |
| 3.0 以上 | 広いワンフロア執務室 | 0.70〜0.80 | 約1〜2割減 |
計算例:間口10m×奥行10m、天井高2.7m(作業面までの高さ H=2.7−0.75=1.95m)の執務室なら
RI =(10×10)÷{1.95×(10+10)}= 100 ÷ 39 ≒ 2.6 → 照明率は0.7前後を見込める
同じ100m²でも天井高4mの倉庫兼事務所では H=3.25m となり RI ≒ 1.5、照明率は0.6前後まで下がって必要台数が増えます。
上表はあくまで白系内装(天井70%・壁50%・床10%程度の反射率)を前提とした概略値です。暗色の壁・木目天井・スケルトン天井では1ランク下の値で見ておき、最終的な照明率は必ず採用器具のメーカー照明率表(配光ごとに数値が異なる)で確認してください。
保守率M の決め方(環境と清掃間隔で変わる)
保守率Mは「経年でどこまで暗くなるか」を織り込む係数で、LED素子の光束減退+器具内外の汚れの累積で決まります。設計時に0.8で置くのが通例ですが、実際は設置環境と清掃サイクル次第です。ここを楽観視すると、竣工時は基準を満たしても数年後に300lxを割り込みます。
| 設置環境 | 該当例 | 清掃間隔1年 | 清掃間隔2〜3年 |
|---|---|---|---|
| 清浄 | 空調完備の一般執務室・会議室 | 0.85 前後 | 0.80 前後 |
| 普通 | 人の出入りが多い受付・共用部 | 0.80 前後 | 0.75 前後 |
| やや汚れやすい | 倉庫兼事務所・作業場に面した事務室 | 0.75 前後 | 0.70 前後 |
いずれも代表的な目安であり、正確な値は器具形式(露出型・ルーバー付・カバー付)と使用光源で変わります。見積り段階の概算にとどめ、確定設計ではメーカーが公開する保守率表で裏取りしてください。なお保守率を0.8→0.7に見直すと必要台数は約14%増える計算になるため、器具台数を詰める段階で先に確定させておくと手戻りを防げます。
LED更新工事の照度チェックリスト
- 施工前:現状照度を机上面(床上約75cm)で2〜4m間隔の格子状に実測して記録する
- 選定時:既存器具とLED器具をカタログの定格光束(lm)と固有エネルギー消費効率(lm/W)で比較する
- 設計時:光束法で台数を概算し、照度計算書(照度分布図)で均斉度まで確認する
- 施工後:同じ測定点で再測定し、平均500lx・均斉度0.7以上を確認する
- 引き渡し:Before/Afterの測定結果を報告書として施主に提出する
オフィス照明の「色温度」と「演色性」の選び方
色温度:オフィスには昼白色(5000K)が基本
オフィス・事務所では昼白色(4500〜5000K)または昼光色(6000〜6500K)が標準です。色温度が高いほど青白く、集中力・覚醒度が高まる効果があります。一方、電球色(2700〜3000K)はリラックス感が強く、長時間のPC作業には適しません。
| 色温度 | 色の印象 | 推奨用途 |
|---|---|---|
| 2700〜3000K(電球色) | オレンジ〜暖白 | 休憩室・応接・照明演出 |
| 3500〜4000K(白色) | 中間白 | 受付・ロビー |
| 4500〜5000K(昼白色) | 自然白 | 一般事務・PC作業(推奨) |
| 6000〜6500K(昼光色) | 青白 | 設計製図・精密作業 |
演色性(Ra値):オフィスにはRa80以上
オフィスでは資料・製品・人の顔色などを正確に把握できることが重要です。JIS Z 9110では、一般事務にはRa80以上を推奨しています。色校正・デザイン業務にはRa90以上が望ましい基準です。
| Ra値 | 推奨用途 |
|---|---|
| Ra70以下 | 廊下・倉庫など色再現性が不要な区域 |
| Ra80以上 | 一般事務・会議室(標準) |
| Ra90以上 | デザイン室・色校正・品質検査 |
グレア(まぶしさ)対策と照明配置の基本
オフィスでのグレア問題とは
グレアとは、視野内に存在する過度に明るい光源や反射光が原因で生じる不快感・視機能低下です。PCモニターへの照明の映り込み(反射グレア)と、照明器具を直視したときの不快感(直接グレア)が主な問題です。
グレア対策の基本
- ルーバー・拡散カバー付き器具の選択:直接グレアを抑えるルーバー(格子カバー)や乳白拡散カバー付きの照明器具を使用する
- 照明器具の配置方向:PCモニターの反射を防ぐため、照明をモニター画面と平行に配置(モニター正面から見て左右に器具を配置)
- 照度均一性の確保:照明間隔が広すぎると明暗ムラが生じ、目の疲労が増加する。JIS Z 9110では均斉度(最低照度÷平均照度)0.7以上を推奨
- 間接照明の補完使用:天井面へのLEDテープ間接照明を補完的に使用することで、グレアを出さずに全体の明るさ感を高められる
VDT作業ガイドラインとの整合
厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン(2019年)」では、画面の輝度は500cd/m²以下・周囲と画面の輝度比は3:1以下を推奨しています。周囲が暗すぎる(照度不足)と輝度比が悪化するため、作業面500lxの確保は眼精疲労対策の基本です。
蛍光灯からLED照明への切り替えポイント
2027年蛍光灯製造禁止と切り替えの背景
水銀に関する水俣条約に基づき、日本では2027年末を目処に一般照明用蛍光灯の製造・輸出入が禁止される予定です。現在使用中の蛍光灯は点灯し続けますが、球切れ後の補充球が入手困難になるため、今から計画的にLED化を進めることが推奨されます。
蛍光灯→LED切り替えの3パターン
| 方式 | 概要 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 器具ごと交換 | LED一体型器具に全交換 | 最も安定・高効率・長寿命(20年設計) | 初期費用が最大 |
| 直管LED(工事あり) | 既存器具の安定器を撤去してLED管を挿入 | 器具を流用できる・高効率 | 電気工事士による安定器撤去工事が必要 |
| 直管LED(工事なし) | 既存器具にLED管を挿入(グロー式器具限定) | 工事不要・低コスト | 安定器劣化のリスク・効率が低い |
LED切り替えで照度が変わることへの対応
蛍光灯(Hf32W)の光束は約3,600lmに対し、同等クラスのLED一体型器具は4,000〜4,800lmを出力するものが多く、交換後に照度が上がるケースが一般的です。逆に低コストのLED管では光束が下がる場合があるため、カタログの光束値(lm)と効率(lm/W)を必ず確認します。
省エネ効果と投資回収シミュレーション
50坪オフィス(蛍光灯40本→LED器具交換)の試算
| 項目 | 蛍光灯(Hf32W×2灯) | LED一体型器具 |
|---|---|---|
| 1台の消費電力 | 約72W | 約34W |
| 40台の合計電力 | 2,880W | 1,360W |
| 年間電力消費(10時間×250日) | 7,200kWh | 3,400kWh |
| 年間電気代(30円/kWh) | 約216,000円 | 約102,000円 |
| 年間削減額 | 約114,000円(53%削減) | |
LED器具40台の交換費用を1台あたり15,000円(材工込み)と仮定すると総額60万円となり、年間11.4万円の電気代削減によって約5.3年で投資回収できます。補助金(経産省・省エネ補助金)を活用できれば、回収期間はさらに短縮されます。
LEDテープライトをオフィスで活用できる場面
一般的なオフィスでは天井の全般照明が主体ですが、LEDテープライトを間接照明として活用することで、グレアを抑えながら快適な照明環境を実現できます。
活用シーン
- 受付カウンター・エントランス:カウンター前面や天井コーブへの間接照明。2700〜4000Kで企業イメージを演出。
- 会議室の天井コーブ:蛍光灯の直接グレアを避け、天井反射光による柔らかい全般照明。Ra90以上・昼白色5000Kで資料の視認性を確保。
- 執務エリアの間接補助光:デスク側面の棚下にCOBテープ(フリッカーフリー・Ra80以上)を設置し、手元の均一性を向上。
- 廊下・通路の足元灯:IP65対応のLEDテープを床面近くに設置し、夜間の廊下照度を確保しつつ消費電力を抑制。
- サーバー室・倉庫の棚下照明:棚間の暗がりをLEDテープで補光し、物品管理の視認性を向上。
オフィスでのLEDテープ選定基準
| 用途 | 推奨色温度 | Ra値 | 電圧 |
|---|---|---|---|
| 執務エリア間接照明 | 4500〜5000K(昼白色) | Ra80以上 | 24V(長尺対応) |
| 会議室コーブ照明 | 4500〜5000K | Ra90以上 | 24V |
| 受付・エントランス演出 | 2700〜4000K | Ra80以上 | 12V or 24V |
| 廊下・通路足元灯 | 4000〜5000K | Ra80以上 | 24V(IP65防水) |
よくある質問(FAQ)
Q1. オフィスの照度は法律で決まっていますか?500lxを下回ると違反ですか?
JISは規格なので、それ自体に罰則はありません。義務なのは事務所衛生基準規則第10条のほうで、2022年12月1日の施行により、一般的な事務作業を行う作業面は300lx以上、付随的な事務作業は150lx以上と定められています。なお照度の数値そのものは、2024年の改正でJIS Z 9110からJIS Z 9125:2023へ移りました(事務室は維持照度750lx)。300lx未満は法令違反となるため、LED更新の現場では「最低ライン300lx(法令)・推奨500lx(JIS)」の2段階で照度を設計します。
Q2. 照度はどこで・どうやって測定すればよいですか?
机上面の高さ(床上約75cm)に照度計を水平に置いて測定します。室内を2〜4m間隔の格子状に測り、平均照度と最低照度を記録してください。平均が500lxを満たすことに加え、均斉度(最低照度÷平均照度)0.7以上が確保できていれば、明暗ムラによる眼精疲労を抑えられます。
Q3. LED化したら「明るすぎる」と言われました。どう対処すべきですか?
調光対応(0-10V・PWM等)の器具であれば出力を下げて目標照度に合わせるのが基本です。調光非対応の場合、間引き点灯は明暗ムラ(均斉度の悪化)を招くため避け、一段低い光束クラスの器具への交換か、初期照度補正機能付き器具の選定で対応します。交換前にカタログ光束値で照度を試算しておくことが最善の予防策です。
Q4. 光束法で出した台数どおりに設置したのに、実測が500lxに届きません。何を見直すべきですか?
まず照明率U を疑ってください。U を一律0.65で計算していると、天井が高い部屋や細長い部屋では過大評価になります。室指数 RI =(間口×奥行)÷{作業面までの高さ×(間口+奥行)}を算出し、RI が1.0前後なら U は0.5〜0.6程度まで下がります。次に内装の反射率(暗色壁・木目天井・スケルトン天井は照明率が落ちる)、最後に器具配置間隔(作業面から光源までの高さの1.2〜1.5倍以内)を確認します。台数そのものではなく係数の置き方が原因であるケースが大半です。
Q5. 保守率Mは0.8で見積もってよいですか?
空調の効いた一般執務室で1〜2年ごとに清掃する前提であれば0.8前後が目安になります。ただし倉庫に面した事務室や清掃間隔が3年程度に空く現場では0.70〜0.75で見ておくのが安全です。M を0.8から0.7に見直すと必要台数は約14%増えるため、器具台数を確定する前に決めてください。竣工直後に基準を満たしていても、保守率を楽観視していると数年後に法令ライン(事務所衛生基準規則の300lx)を割り込むおそれがあります。確定設計では採用器具のメーカー保守率表で裏取りしてください。
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