スタジオの照明で最初に決める3つのこと
① 譜面と手元が読めて、目に光源が入らない
演奏者は譜面台・鍵盤・エフェクター・ミキサーと、手元を見ながら長時間過ごします。手元は読める明るさが要る一方で、天井の器具が視線に入ると目が疲れ、ステージ側を向いたときに眩しい。手元は譜面台ライトやスポットで、部屋全体は光源を見せない間接照明でと役を分けるのが基本です。
② 演奏の雰囲気は調光で作る
練習と本番さながらの合わせ、撮影、ラウンジ的な使い方で、同じ部屋に求める明るさが変わります。「作業の明るさ」と「演奏の明るさ」を切り替えられる回路・調光器にしておくと、あとから一番効きます。
③ 録画・配信でちらつかず、音にノイズを乗せない
スタジオからの配信や演奏動画の撮影が増えたので、照明が縞になって映ると台無しです。さらにスタジオ特有の問題として、調光器のPWMノイズがアンプやマイクに乗る可能性があります。部材の選び方と配線の取り回しで防げます(後述)。
部屋別の色温度と明るさの目安
下の表は当店がご相談を受けたときに出している目安です。JISの照度基準そのものではありません(基準の考え方はJIS Z 9110の解説を参照してください)。最終的には1室だけ先に作って、実際に楽器を置いて譜面を読み、調光して決めるのが確実です。
| 部屋 | 色温度の目安 | 明るさの目安 | ポイント |
|---|---|---|---|
| リハーサル室(練習) | 3000〜4000K | 手元は譜面が読める明るさ・全体は中間 | 譜面台ライトか手元のスポット+天井や壁の間接照明。天井の直付け器具を演奏者の視線に入れない |
| リハーサル室(演奏・撮影) | 同じ器具を調光で落とす(演出はRGB) | 低め | 間接照明を主役に。RGBで色を作るなら単色の調光とは回路を分ける |
| コントロールルーム | 2700〜3500K | 低め・モニターに映り込ませない | 画面の背後や卓の下の間接照明。画面の正面に光源を置かない |
| ボーカル・楽器ブース | 2700〜3000K | 低め〜中間 | 狭い部屋ほど眩しさが出やすい。壁の上端や床際の間接照明で |
| ロビー・受付・ラウンジ | 3000〜4000K | 受付は手元作業ができる明るさ | 精算・機材の貸出が見えること。ラウンジは落とせると良い |
| 廊下・機材庫 | 3000〜4000K | 中間・均一 | 機材を運ぶので段差と扉が見えること。機材庫は棚の中身が見える明るさ |
LEDテープの使いどころと、防音壁への付け方
防音壁・吸音材には両面テープが効かない
LEDテープの裏は3M製の両面テープですが、吸音材・クロス張り・布張りの防音壁には付きません。アルミフレーム(通常型25mm・埋め込み型20mm)にテープを入れ、フレームを壁の下地・見切り材・パネルの枠にネジ止めしてください。幅8mmなのでどちらのフレームにも収まります。フレームに入れると放熱もでき、テープの寿命にも効きます。
天井の間接照明(コーブ)
テープを目線から隠す立上りの高さや、照らす面との離隔はコーニス照明の納まり寸法に寸法つきでまとめています。COBはドット(粒)が出ないので、低い天井でも粒々が映りません(COBとSMDの違い)。
単色で落ち着かせるか、RGBで色を替えるか
練習メインの部屋は電球色〜白の単色+単色調光器、撮影や演出の多い部屋はRGB24+RGBコントローラーを足します。色を使う場合も、譜面を読む手元の明かりは白で別に確保してください。
配信でちらつかせない・音にノイズを乗せない
スタジオで起きる「照明が原因のトラブル」は2種類です。
- 映像の縞・ちらつき:調光器のPWM周波数が低いとカメラのシャッターと干渉します。白熱灯用の回転つまみ(位相調光)でLEDを絞っている場合も起きます(調光しても消えない原因と直し方)。
- 音のノイズ:LEDの調光はPWM(高速の点滅)なので、配線や電源の取り方によってはアンプ・マイク・DIにノイズが乗ることがあります。
対策は次の4つです。
- LED用の電源と調光器で揃える(位相調光を使わない)
- 照明の電源系統を音響機器と分ける(同じタップ・同じ回路に載せない)
- テープの配線をマイクケーブル・シールド・スピーカーケーブルと束ねない(交差させるなら直角に)
- 全室に入れる前に1室で試す:調光を変えながら録音・配信テストをして、ノイズと縞が出ないことを確認する
当店の単色調光器・RGBコントローラーはDC24Vのテープ用ですが、PWM周波数は仕様書に記載がありません。スタジオは音と映像の両方がシビアなので、1室で試す手順を飛ばさないでください。
1室あたりのテープの長さと電源の計算
当店のCOBテープライトは約12W/m(1巻5mで約60W・単色の場合)です。電源は連続で使う負荷を定格の半分に収めるのが基本です(電源が熱くなる原因と容量の取り方)。
リハーサル室1室の例
天井のコーブで部屋の周囲10m、機材ラック下で2mなら合計12m・約144W。電源は定格の半分で使う考え方からDC24V 300W電源1台で余裕をもって収まります。15mを超える部屋は400W、20m超は電源2台に分けます。
| 1室のテープ合計 | 消費電力の目安 | 電源 |
|---|---|---|
| 〜10m | 〜約120W | DC24V 300W |
| 10〜13m | 〜約156W | DC24V 300W |
| 13〜20m | 〜約240W | DC24V 400W(20m超は2系統) |
| 20〜26m | 〜約312W | DC24V 400W×2(2系統) |
| 26m以上 | 約312W〜 | 電源を2台以上に分ける |
電源は音響機器から離れた場所(機材庫側・天井裏の点検口)にまとめ、1列を5m前後にして給電を分けます(何mまで繋げられるか/電圧降下の考え方)。
部材のまとめ(当店で揃うもの)
| 部材 | 当店の取り扱い | 用途 |
|---|---|---|
| LEDテープ(単色) | COBテープライト 24V 全12色・5m巻 ¥2,100+税(税込¥2,310) | 天井コーブ・ラック下・ブースの床際 |
| LEDテープ(RGB) | RGB24・5m巻 ¥2,100+税 | 撮影・演出の多い部屋 |
| 電源 | DC24V 200W/300W/400W | 1室〜数室ごとに1台・音響機器と系統を分ける |
| 調光器・コントローラー | 単色調光器 RFリモコン付/RGBコントローラー RFリモコン付 | 作業/演奏の切り替え・色替え |
| アルミフレーム | 通常型25mm・埋め込み型20mm | 防音壁への固定・放熱・仕上げ |
| シリコンカバー | 8〜15mm対応 | スタジオ名・部屋番号の線 |
当店のテープはIP20の屋内専用です。屋外の看板や雨のかかる入口にはそのまま使えません(IP等級の選び方)。
まとまった数量・法人でのご購入は大量購入のご案内もご覧ください。
発注前チェックリスト
- 手元(譜面・卓)は別の明かりで確保し、部屋全体は光源を見せない間接照明にした
- 「作業の明るさ」と「演奏の明るさ」を切り替える方法を決めた(調光器/別回路)
- 防音壁・吸音材の部分はアルミフレームで下地にネジ止めする設計にした(両面テープに頼っていない)
- 照明の電源系統を音響機器と分け、テープの配線をマイクケーブル・シールドと束ねない経路にした
- 1室ごとのテープの長さ(m)を出し、約12W/mで電源のWを計算した(定格の半分)
- 1列を5m前後にして給電を分ける配線にした
- 全室に入れる前に1室で、録音・配信テストをする段取りにした
- 屋外・水のかかる場所にIP20のテープを使っていない
- カットは50mm単位・カットマークの線の上で切ることを施工者に伝えた
よくある質問(FAQ)
LED PRO SHOP のCOBテープライト
DC24V・5m巻の全12色、¥2,100+税(税込¥2,310)です。320粒/m・テープ幅8mm・カット単位50mm・Ra>90・IP20(屋内専用)・寿命5万時間。1巻から購入でき、ご入金確認後3営業日以内に発送します。
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