配線・接続 実務ガイド
LEDテープ 配線図・分岐方法ガイド
並列・分岐コネクタ・はんだ付けの接続実例
更新日: 2026年5月17日|LED PRO SHOP 編集部
LEDテープの配線図・分岐方法・はんだ付け手順を実例形式で解説します。「電源1台から複数系統に分岐したい」「T字配線の正しいつなぎ方がわからない」「分岐したら暗くなった」——こうした現場の疑問を配線図と具体的な手順で解決します。
1. LEDテープ配線の基本:並列と直列の違い
LEDテープの配線方法は大きく並列配線と直列配線の2種類です。業務施工ではほぼすべての場合で並列配線を採用します。
| 配線方式 | 電圧 | 明るさ | 電圧降下 | 用途 |
| 並列配線 | 各系統で同じ(12V/24V) | 均一 | 系統ごとに独立 | ほぼすべての施工 |
| 直列配線 | 系統が長いほど降下 | 末端が暗くなる | 累積する | 特定の演出照明のみ |
業務施工の原則: LEDテープは必ず並列配線。直列は電圧降下が累積するため、末端が必ず暗くなります。
2. 配線図:基本から分岐まで4パターン
パターン①:電源1台 → テープ1系統(最も基本的な配線)
【配線図①:1系統基本配線】
AC100V ──────── [電源(PSU)DC24V] ──────── LEDテープ(+)
└───────── LEDテープ(−)
接続点: PSU の + 端子 → テープの + (赤線)
PSU の − 端子 → テープの − (黒線)
最もシンプルな構成。テープの消費電力(W/m × 長さ)の1.2〜1.3倍の容量のPSUを選んでください。
パターン②:電源1台 → 2系統並列分岐(T字配線)
【配線図②:2系統並列分岐(T字)】
┌─── LEDテープA(+)
AC100V ── [PSU DC24V] ──┤
└─── LEDテープB(+)
PSU の + 端子 → 分岐点(T字コネクタ or 端子台)→ テープA(+)
└──────────── テープB(+)
PSU の − 端子 → 分岐点 → テープA(−)
└──────────── テープB(−)
必要PSU容量: (テープA消費W + テープB消費W) × 1.25
パターン③:電源2台 → 長距離・複数ゾーン配線
【配線図③:電源2台・ゾーン別配線】
AC100V ── [PSU-1 DC24V] ──── ゾーンA: カウンター (5m)
ゾーンB: 棚下 (3m)
AC100V ── [PSU-2 DC24V] ──── ゾーンC: コーブ (8m)
ゾーンD: 看板内照 (4m)
※ 1電源あたりの配線長が長くなる場合(12V: 5m超、24V: 10m超)は
電圧降下を防ぐため電源を分散させる。
パターン④:調光器を含む配線(PWM調光)
【配線図④:調光器(PWMコントローラー)挿入】
AC100V ── [PSU DC24V] ── [調光コントローラー] ──── LEDテープ(+)
└───── LEDテープ(−)
※ PSU → コントローラー → テープ の順で接続。
コントローラーとPSUは同電圧・同系統で接続すること。
複数テープを1コントローラーで調光する場合は
コントローラーの最大電流値(A)を超えないように分岐する。
3. 分岐方法:3つの手段と選び方
| 分岐方法 | 工具 | 信頼性 | 防水 | 推奨場面 |
| T字クリップコネクタ |
不要 |
普通 |
なし |
室内・試作・短期設置 |
| 端子台(ターミナルブロック) |
ドライバーのみ |
高い |
なし(ボックス内設置で対応) |
多系統分岐・固定配置 |
| はんだ付け+熱収縮チューブ |
はんだごて要 |
最高 |
防水処理可 |
屋外・大電流・長期設置 |
T字クリップコネクタの使い方
市販の「T字分岐コネクタ」はLEDテープを切断せずに中間から電線を取り出せる製品です。テープ幅(8mm/10mm/12mm)と電線太さ(AWG24〜22)が合致しているか必ず確認してください。接触不良が起きやすいため、定期点検の難しい場所には不向きです。
端子台を使った分岐(業務施工推奨)
端子台(ターミナルブロック)を電源ボックス内に設置し、+ 側・− 側それぞれの端子に各系統のリード線をまとめる方法です。配線図の見やすさ・将来の系統追加・メンテナンス性がクリップコネクタより大幅に向上します。
【端子台を使った分岐配線図(例:3系統)】
PSU(+) ── [端子台 TB-1 (+)] ── 系統1(+) → テープA
├─ 系統2(+) → テープB
└─ 系統3(+) → テープC
PSU(−) ── [端子台 TB-2 (−)] ── 系統1(−) → テープA
├─ 系統2(−) → テープB
└─ 系統3(−) → テープC
4. はんだ付けの基本手順
はんだ付けはLEDテープ配線の中で最も接触抵抗が低く、長期信頼性が高い接続方法です。
-
1
テープをカット線で切断する
テープは3〜5cm間隔のカット線のみ切断可能。カット線以外を切ると回路が壊れます。
-
2
端子パッドにフラックスを塗布
はんだの濡れ性が向上し、接合不良を防ぎます。フラックスは水洗い不要のノークリーンタイプを推奨。
-
3
コテ先温度:300〜320℃ に設定
温度が高すぎると銅パッドが剥離します。コテは事前に十分加熱して安定させてから使用。
-
4
はんだを当てる時間は2〜3秒以内
長時間コテを当てると周辺のLEDチップが熱ダメージを受けます。素早く行うのがコツ。
-
5
熱収縮チューブで防湿処理
はんだ部分を熱収縮チューブで覆い、ホットガンで収縮させます。湿気による腐食・短絡を防止。
-
6
テスターで導通確認(通電前必須)
+ と − の導通・ショートがないか確認。極性逆接続はLEDを即破壊するため必ず確認してください。
⚠ はんだ付けの注意事項
極性(+と−)を誤接続すると通電直後にLEDが破壊されます。赤線が+(プラス)、黒線が−(マイナス)が一般的ですが、テープの印刷を必ず確認してください。COBテープは発光面が均一なため極性マーク(+側の切り欠き等)を見落としやすいため注意が必要です。
5. 分岐設計:電源容量の計算方法
複数系統に分岐する場合、電源(PSU)の容量計算が最重要です。
必要PSU容量(W) = 各系統の(W/m × 長さ)の合計 × 安全率1.2〜1.3
| 構成例 | 系統1 | 系統2 | 系統3 | 合計消費W | 推奨PSU容量 |
| カフェ間接照明 |
6W/m × 3m = 18W |
6W/m × 3m = 18W |
— |
36W |
60W以上 |
| カウンター+棚下 |
12W/m × 3m = 36W |
6W/m × 4m = 24W |
— |
60W |
100W以上 |
| 店舗3ゾーン |
12W/m × 5m = 60W |
12W/m × 5m = 60W |
12W/m × 5m = 60W |
180W |
240W以上(電源2台推奨) |
💡 DC24V推奨の理由
同じW数の場合、DC24Vは12Vより電流値が半分になります。電流が小さいほど配線の発熱が少なく、長距離配線での電圧降下も抑制されます。配線長が5m以上になる場合はDC24V電源・DC24V対応テープの使用を強く推奨します。
6. 電圧降下を防ぐつなぎ方
電圧降下はLEDテープの末端が暗くなる最大の原因です。以下の対策で防止してください。
| 対策 | 効果 | コスト |
| DC24Vに切り替える |
根本的な解決。電流値半減で配線抵抗による降下を大幅削減 |
PSU・テープの変更が必要 |
| 配線を太くする(AWG18以上) |
配線抵抗を下げ降下を抑制 |
低コスト |
| 両端から給電する |
テープの両端から配線することで降下を半分に |
配線長が2倍になるのみ |
| テープを短く分割し個別給電 |
最も確実。電圧降下が系統ごとに独立 |
PSU分散・配線増 |
よくある質問
LEDテープを分岐させると暗くなりますか?
並列分岐では電圧は同じままなので明るさは変わりません。ただし電源(PSU)の合計電流容量が不足すると全体が暗くなります。分岐する系統数 × 各系統の電流値を合計し、その1.2〜1.3倍の容量の電源を選んでください。
分岐コネクタとはんだ付けはどちらが良いですか?
工具不要・施工時間短縮ならクリップ型分岐コネクタ、長期信頼性・防水性ならはんだ付け+熱収縮チューブが推奨です。可動部がある場所・屋外露出部・大電流系統(18W/m以上)ははんだ付けが安心です。
電源1台から何系統まで分岐できますか?
電源の定格W数÷各系統の消費Wが最大系統数の目安ですが、安全率1.2〜1.3を確保してください。例:100W電源でW/m=6Wのテープを5m系統に接続する場合、30W×1.25=37.5Wなので2系統(計75W)までが安全です。3系統以上は別電源の使用を推奨します。
LEDテープのはんだ付けで注意することは?
コテ先温度は300〜320℃が適切です。高温すぎるとパッドが剥がれ、低温すぎると冷えはんだになります。はんだを当てる時間は2〜3秒以内。はんだ後はテープのカット面から熱収縮チューブで覆い防湿処理をしてください。極性(+と−)の誤接続に注意し、必ずテスターで導通確認をしてから通電してください。
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