IP20で足りる場所とIP65/67が必須の場所の境界、屋外で追加すべき紫外線・結露・塩害対策、電源を屋内に逃がす配線——現場で迷わない判断基準を施工業者向けに解説
この記事の結論:屋内用(IP20・非防水)と屋外用(IP65〜67・防水)の差は防水等級だけではありません。屋外では紫外線・結露・塩害・高温が同時に効くため、被覆材質・カバー保護・電源の逃がし・コネクタ止水まで含めて選ぶ必要があります。迷ったら「外気に触れる場所は屋外用」を基本ルールにしてください。
規格改正のお知らせ(2026年8月時点)
JIS Z 9110は2024年12月20日に改正され、屋内の具体的な照度の数値はJIS Z 9125:2023(屋内照明基準)へ移りました。本記事に載せている照度値は旧版(JIS Z 9110:2011)の区分に基づくものです。数値そのものが大きく変わったわけではありませんが、設計書・仕様書に根拠を書く場合はJIS Z 9125:2023を参照してください。 → 2024年改正で何が変わったのかを詳しく見る
LEDテープの「屋内用/屋外用」は、主に防水等級(IP)・被覆(コーティング)材質・電源とコネクタの防水性・耐候性の4点で分かれます。屋内用は基板がむき出し(またはIP20程度)で放熱・コスト・施工性に優れ、屋外用はシリコンチューブや樹脂充填で水・粉塵の侵入を防ぎます。まず全体像を表で押さえます。
| 比較項目 | 屋内用(IP20〜44) | 屋外用(IP65〜68) |
|---|---|---|
| 防水・防塵 | 非防水・防滴程度 | 防噴流〜水没まで対応 |
| 被覆・構造 | 基板むき出し/薄コート | シリコンチューブ・樹脂充填 |
| 紫外線・耐候 | 考慮なし(黄変しやすい) | 耐候タイプを選べば長持ち |
| 放熱性 | 良い(フレーム併用で最適) | 被覆で熱がこもりやすい |
| コネクタ・電源 | 屋内用・非防水 | 防水コネクタ+防水ボックス |
| コスト・施工性 | 安い・切断/接続が容易 | 高い・止水処理の手間あり |
迷いがちな「どこまでが屋内でどこからが屋外か」を、水がかりのリスクで整理します。結露・水はね・雨がかりのどれに当たるかで必要なIP等級が変わります。防水等級の詳しい違いは IP防水等級ガイド も参照してください。
| 設置場所 | 水・湿気のリスク | 推奨IP等級 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 空調室内・什器内(乾燥) | ほぼなし | IP20(非防水) | 屋内用OK |
| 厨房・洗面・浴室まわり | 水はね・蒸気・結露 | IP65以上 | 防水必須 |
| 軒下・庇下(半屋外) | 結露・吹き込み・朝露 | IP65以上 | 屋外用推奨 |
| 外壁・看板(雨ざらし) | 直接雨・紫外線 | IP67以上+耐候 | 屋外用必須 |
| 地面近く・水没の恐れ | 冠水・水たまり | IP68 | 屋外用必須 |
雨がかりしない半屋外でも、昼夜の温度差で結露が発生し、朝露や吹き込みの雨が基板に触れます。屋内用(非防水)は水分で銅箔が腐食して部分不点灯・変色を起こします。外気に触れる場所はIP65以上の屋外用を基本にしてください。
屋外用テープを選んでも、IP等級だけでは長持ちしません。屋外は水以外の劣化要因が同時に効くため、次の4点を追加で押さえます。
直射日光は被覆の黄変・硬化・ひび割れを進める。耐候タイプの被覆を選び、日射面はカバーやアルミフレームで保護する。
密閉部は昼夜の温度差で内部結露する。水抜き穴・呼吸孔のある防水ボックスを使い、端面の止水を確実にする。
塩分は端子・はんだ・コネクタを腐食させる。海沿いはコネクタを避け直はんだ+防水処理、金属部は耐食材を選ぶ。
夏場の直射で被覆内部が高温になり寿命が縮む。W/mを抑え、電源は容量に余裕をもたせ、放熱面を確保する。
弱点はいつもコネクタと切断端:屋外で最初に水が入るのはコネクタ接続部と切断した端面です。防水チューブのエンドキャップ+シリコン充填で確実に止水し、可能なら海沿い・雨ざらしはコネクタを使わず直はんだ+熱収縮チューブで処理します。塩害地域の選定は 塩害対策ガイド も併読してください。
電源を屋外に置くと防水と放熱が両立しにくく、2次側の距離も伸びます。電源を屋外ボックスに入れる場合は屋外対応品を選び、直射日光を避け、容量に余裕(定格の半分で運用)をもたせます。屋外電源の収納は 屋外電源ボックスガイド、電圧降下は 電圧降下ガイド を参照してください。
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