LEDテープのデータシート(仕様書)と型番には、電圧・W/m・LED密度・チップ型番・色温度・Ra・光束・IP等級・基板幅・カット単位・最大連結長・動作温度といった現場判断に必要な情報がすべて詰まっています。型番を読めれば、電源・コントローラ・アルミフレーム・延長部材が噛み合うかを発注前に判断でき、現場での「電圧違いで点かない」「幅が合わず入らない」「割付できない」といった手戻りを防げます。本記事ではデータシートの主要12項目の見方と、型番の読み解き例、発注前チェックリストを施工業者向けにまとめます。

1. 型番を読み解く(フィールドの意味)

LEDテープの型番は、メーカーごとに並びは違っても「チップ型番+LED密度+電圧+IP等級+W/m+色温度/Ra」を組み合わせた記号であることがほとんどです。下の例で各フィールドの意味を押さえれば、初見の型番でもおおよそ読めます。

SMD2835-120-24V-IP65-14.4W-4000K-Ra90
SMD2835:チップの種類・サイズ(2.8×3.5mm)。COBなら粒の見えない面発光タイプ
120:LED密度(1mあたり120個)。数字が大きいほどドットが目立たず明るい
24V:動作電圧(DC)。電源・コントローラと必ず一致させる最重要項目
IP65:防水・防塵等級。設置場所(屋内/水掛かり/屋外)を決める
14.4W:1mあたり消費電力(W/m)。電源容量と発熱の基準
4000K / Ra90:色温度(白色の色味)と演色性(色の見え方)
型番が読めると何が嬉しいか
電圧・IP・W/mが型番から分かれば、電源の容量と防水グレード、コントローラの電圧、アルミフレームの幅が現物を見る前に判断できます。他社品との比較や互換確認も型番ベースで素早く行えます。

チップ表記(3528 / 2835 / 5050 / COB)の見分け方

型番の先頭に来ることが多いチップ表記は、4桁数字ならチップの外形寸法(例:2835=2.8×3.5mm)を表します。数字が同じでも世代・効率は製品で異なるため、以下は「型番から用途の当たりを付ける」ための整理です。

チップ表記 外形の意味 発光の特徴 型番から読める用途の目安
SMD3528 3.5×2.8mm 1チップ1色。低出力でおとなしい光 控えめな間接照明・単色のライン演出
SMD2835 2.8×3.5mm 白色系の主流。効率が良く発熱バランスも取りやすい 汎用の間接照明・棚下・コーブなど白色全般
SMD5050 5.0×5.0mm 1パッケージに3チップ内蔵でき、RGB/RGBWに対応しやすい 色演出・RGB/RGBW・看板のカラー発光
COB チップを基板に連続実装し蛍光体で覆う 粒(ドット)が見えない連続した面発光 ライン発光を見せる用途・アクリルエッジ・ミラー周り
チップ表記だけで明るさは判断しない
同じ「2835」でもチップ世代・駆動電流で明るさは大きく違います。チップ表記は発光の見え方(粒感・色対応)の判断材料にとどめ、明るさは必ず光束(lm/m)で確認してください。

2. データシート主要12項目の見方と確認ポイント

データシートに並ぶ各項目について、「何を意味するか」と「発注前に何を確認すべきか」を一覧にしました。

項目 意味 発注前チェックポイント
動作電圧 DC12 / 24 / 48V など 最重要電源・コントローラ・延長部材と一致しているか
W/m(消費電力) 1mあたりの消費電力 W/m×総延長で電源容量を算出(1.2〜1.3倍で選定)
LED密度 LED個数/m(例120/m) 近距離・間接照明はドットが目立たない高密度を
チップ型番/種類 2835・5050・COB 等 面発光が必要ならCOB、RGBなら5050系など用途で選ぶ
光束(lm/m) 1mあたりの明るさ 必要照度から逆算。W/mだけで明るさを判断しない
色温度 2700〜6500K 現場・他器具と色味を揃える。混在は違和感の元
Ra(演色性) 色の見え方の指標 物販・飲食・美容はRa90以上を目安に
IP等級 防塵・防水の等級 屋内IP20 / 水掛かりIP65 / 屋外・水中はIP67以上
基板幅 テープの幅(8/10/12mm 等) アルミフレーム・溝の内寸に収まるか
カット単位 切れるピッチ(例25/50mm) 割付寸法がカット単位で割り切れるか
最大連結長 一筆書きでつなげる上限 超える場合は両端給電・途中給電・系統分割
動作温度 使用可能な周囲温度 冷蔵・屋外・高温厨房は範囲内か(寿命にも影響)

3. 特に事故が多い「3つの見落とし」

電圧の不一致
12V品に24V電源をつなぐと焼損。逆だと点かない/暗い。最初に必ず合わせる。
カット単位の無視
カット位置以外で切ると点かない区間が出る。割付がカット単位で割れるか先に確認。
幅とフレーム内寸
10mm幅のテープが10mm溝に防水チューブごと入らない例。実効幅で確認。
⚠ 「W/m=明るさ」ではない
W/mは消費電力であって明るさそのものではありません。効率(lm/W)が違えば、同じW/mでも明るさは変わります。明るさを判断するときは光束(lm/m)を見てください。データシートにlm/m表記があれば、必要照度から本数・配置を逆算できます。

4. データシートからの容量・割付の出し方

電圧を確認して系統を統一 まずDC電圧を確認し、電源・コントローラ・テープを同一電圧で揃える。混在は禁止。
総消費電力を計算 W/m × 総延長 = 総消費電力。例:14.4W/m × 8m = 115.2W。
電源容量を1.2〜1.3倍で選定 115.2W × 1.25 = 144W → 150W級の同電圧電源を選ぶ。
カット単位で割付 割付寸法をカット単位(例50mm)で割り、端数が出ないか確認。出る場合は配置を調整。
最大連結長を超えないか確認 一筆書きの長さが最大連結長以内か。超えるなら両端給電・途中給電・系統分割で対応。
発注前チェックリスト
□ 動作電圧(DC12/24/48V)が電源・コントローラと一致しているか
□ W/m×総延長で電源容量を計算し1.2〜1.3倍で選んだか
□ IP等級が設置場所に合っているか
□ 色温度・Raが現場・他器具と揃っているか
□ 基板幅がアルミフレーム内寸に収まるか
□ 割付寸法がカット単位で割り切れるか
□ 一筆書きの長さが最大連結長以内か
□ 設置場所の温度が動作温度範囲内か

よくある質問

データシートでまず最初に確認すべき項目は何ですか?
最初に動作電圧(DC12V/24V/48Vなど)を確認します。電圧を間違えると電源・コントローラ・延長部材がすべて噛み合わず、最悪は焼損するためです。次にW/m(1mあたり消費電力)で電源容量と発熱を、IP等級で設置場所(屋内/水掛かり/屋外)を、色温度とRa(演色性)で見え方を、カット単位で割付の可否を確認します。電圧→W/m→IP→色温度・Ra→カット単位の順で押さえれば、発注での致命的なミスはほぼ防げます。
データシートに「14.4W/m」とある場合、電源容量はどう計算しますか?
総消費電力=W/m×総延長で求めます。14.4W/mのテープを10m使うなら14.4×10=144Wです。これに余裕を見て1.2〜1.3倍した180W前後を満たす電源を選びます(連続使用と効率の良い負荷率を両立するため)。電源の出力電圧はテープの動作電圧と一致させます。なお実測の消費電力はロット・電圧降下で多少変動するため、W/m値はあくまで設計の基準値として扱い、容量側に余裕を持たせてください。
データシートの「最大連結長(最大接続長)」を超えて配線するとどうなりますか?
テープは銅箔パターンに抵抗があるため、一筆書きで長くつなぐほど末端へ行くほど電圧が下がります(電圧降下)。最大連結長を超えると末端が暗くなり、調光ズレや白色の色味変化、RGBでの色ずれが出ます。対策は、電源から両端へ分けて給電する、途中で電源線を追加する(パワーインジェクション)、または系統を分割することです。最大連結長はその電圧・W/mでの目安値なので、超えそうなら必ず給電方法を見直してください。
Ra80とRa90の違いは、現場でどのくらい見え方が変わりますか?
Raは基準色(R1〜R8)の平均値で、Ra80でも通路・バックヤードなど「明るければよい」場所では実用上問題ありません。差が出るのは物販の商品色・飲食の料理・美容の肌色など「色を見せる」場面で、Ra90以上だと色のくすみが減り自然に見えます。また赤の再現性はRaの平均に含まれないR9という個別指標で決まるため、精肉・鮮魚・化粧品などはデータシートにR9値の記載があるかも確認してください。
同じ型番を追加発注したのに、前回分と色味が微妙に違うのはなぜですか?
LEDチップは製造ロットごとに色度のばらつき(ビン・SDCM)があり、同じ型番・同じ色温度表記でもロットが違うと並べたときに色差が見える場合があります。データシートに色差の許容範囲(SDCM、例:3-step/5-step)が記載されていればそれが目安になります。連続したラインで見せる現場では、必要数量+予備を同一ロットで一括発注し、追加分は目立たない場所に使うのが安全です。
IP65とIP67はどちらを選べばよいですか?
IP65は「噴流水に耐える」、IP67は「一時的な水没に耐える」等級です。屋内の乾燥した場所はIP20で十分、雨掛かり・屋外露出・水回りの水はねはIP65以上、地面際・埋込・水没の可能性がある場所はIP67以上を選びます。なおIP等級はテープ本体の話で、切断面や接続部は施工時の防水処理(エンドキャップ・防水コネクタ・シーリング)をしないと等級どおりの防水になりません。

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