間接照明やコーブ照明、什器の縁、看板枠など、LEDテープを敷く現場には必ずコーナー(出隅・入隅)が出てきます。ここを「テープを折り曲げて回す」と処理すると、点灯直後は問題なくても数週間後に角だけ消灯するトラブルになります。原因はFPC(フレキ基板)の銅箔クラックです。直角は曲げず、カットしてジャンパー(渡り)配線でつなぐのが鉄則です。本記事では、90°コーナーの3つの処理方法(コーナーコネクタ/はんだ配線/柔軟テープ)の使い分けと、現場での具体的な手順・暗部を出さないコツを施工業者向けに解説します。

なぜ直角に曲げてはいけないのか

LEDテープのFPCは「面方向(平面に沿った緩いカーブ)」には追従しますが、直角に折ると外周側の銅箔配線が引き伸ばされ、最小曲げ半径を割って微細なクラックが入ります。これが通電による発熱・冷却の繰り返しで進行し、ある日突然断線します。

曲げ方 FPCへの影響 判定
面方向の緩いカーブ(半径が最小曲げ半径以上) 許容範囲 ○ 可
面方向の直角(折り曲げ) 外周銅箔クラック → 後日断線 × 不可
厚み方向(テープを起こす向き)の曲げ LED剥離・基板割れ × 不可

現場あるある: 「点灯確認OKで引き渡したのに、1か月後に角だけ消えたとクレーム」。ほぼ全てがコーナーの無理曲げによる銅箔クラックです。直角は曲げない。これだけで再施工リスクが激減します。

直角コーナーの3つの処理方法

① コーナーコネクタ
速い・屋内向け
L字型のコネクタにテープ端を差し込むだけ。はんだ不要で本数の多い現場が速い。接触抵抗があるため高出力・防水には不向き。
② はんだ+渡り線
堅実・高信頼
カット端同士を細い電線で接続。接触不良の心配がなく高出力・屋外・振動環境に強い。施工時間と技能は要る。
③ 柔軟(横曲げ)テープ
連続R用
面方向に曲がる専用構造のテープ。緩いRが連続する造作向け。直角そのものには不向きで、Rを取れる納まりに限る。

方法① L字コーナーコネクタでつなぐ手順

  1. カット位置を決める: コーナーの頂点で、テープのカットマーク(はさみ表示)に沿って直角の両辺を切る。LED間隔の中央で切ると暗部が目立ちにくい。
  2. 端の被膜処理: 防水テープはカット端のコーティングをカッターで5〜8mm除去し、銅パッドを露出させる。
  3. 極性を合わせて挿入: コネクタの「+/−」とテープ印字を一致させて差し込む。極性を逆にすると点灯しない(単色)/色化けする(RGB)。
  4. クランプを閉じる: 爪をしっかり閉じ、軽く引いて抜けないか確認。
  5. 通電確認: コーナー通過後の先側まで点灯するかをその場で確認する。

コツ: コーナーコネクタは「差すだけ」で速い反面、接触部の経年劣化があります。出隅でテンションがかかる箇所はコネクタが浮きやすいので、フレームのR部やコーナー金具で固定して張力を逃がします。

方法② はんだ付け+渡り線でつなぐ手順

  1. カット&被膜除去: コネクタ法と同様にカットし、パッドを露出させる。
  2. 予備はんだ: テープ側パッドと渡り線の両方にあらかじめはんだを盛る(予備はんだ)。こて先は300〜340℃を目安に、1パッド2〜3秒以内で離す。長時間あてるとパッドが剥離する。
  3. 渡り線を接続: AWG22〜24程度の細い被覆線で+同士・−同士を接続。コーナーの内側を通すと配線が見えにくい。
  4. 絶縁・防水処理: 接続部に熱収縮チューブをかぶせる。屋外は自己融着テープを併用。
  5. 固定と通電確認: 渡り線が動かないよう固定し、先側まで点灯を確認する。

渡り線の長さと電圧降下の関係

渡り線が長い・細いと電圧降下が増え、コーナー以降が暗くなります。目安として渡り線は必要最小限の長さに抑え、長距離をまたぐ場合は配線を太く(AWG番手を小さく)するか、両端給電を検討します。

渡り線の状態 影響 対策
長く・細い(AWG26以上で30cm超) 電圧降下で先側が暗い AWG22〜24に太く/短く
はんだ不良(イモはんだ) 接触抵抗で発熱・チラつき 再はんだ・光沢のある接合に
絶縁不足 ショート・地絡 熱収縮チューブで確実に絶縁

方法③ L字フレーム・コーナー金具で納める

アルミフレームでコーナーを回す場合は、フレームを45°ずつ留め切り(マイター)して突き合わせるか、L字コーナー継手を使います。テープは継手の手前で切り、コーナー部のテープ未敷設区間を継手のディフューザーで隠すと、暗部が目立ちにくくなります。

  • 出隅:フレームを45°×2でマイターカットして突き合わせる
  • 入隅:L字コーナー継手で接続、テープは内側を渡り配線
  • R仕上げ:コーナーをRに見せたい場合はコーナー専用継手を使う

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コーナーで暗部を出さないコツ

直角処理で最も気になるのが「角だけ光が抜けて暗い」問題です。原因と対策を整理します。

  1. カット位置をLED間隔の中央にする: カットマークの位置によって、角に発光しない区間ができる。左右のテープの最後のLED同士が近くなるカット位置を選ぶ。
  2. 高密度(COB)テープを使う: ドット間隔が狭いCOBは角の暗部が出にくい。
  3. ディフューザー(乳半カバー)で散らす: コーナー部の輝度差を拡散で目立たなくする。
  4. 突き合わせ角度を調整する: 2本のテープ端を可能な限り近づけてから渡り配線する。

コーナー施工 確認チェックリスト

  • 直角は曲げず、カット&ジャンパー配線で処理する設計にした
  • カットはカットマーク上・LED間隔の中央で行った
  • +/−の極性をテープ印字と一致させた
  • はんだは300〜340℃・2〜3秒以内でパッド剥離を防いだ
  • 渡り線は必要最小限の長さ・適切な番手にした
  • 接続部を熱収縮チューブ等で絶縁(屋外は防水)した
  • コーナー通過後の先側まで点灯確認した
  • 出隅でコネクタに張力がかからないよう固定した

まとめ — コーナー施工の3原則

  1. 直角は「曲げる」のではなく「切ってつなぐ」: 無理曲げの銅箔クラックが後日の角消灯の最大原因。カット&ジャンパーが正解。
  2. 用途で接続方法を選ぶ: 屋内・多本数はコーナーコネクタ、高出力・屋外・高信頼はんだ。電流が大きい回路ははんだを基本に。
  3. 暗部はカット位置・高密度・拡散で消す: LED間隔中央でカットし、COBやディフューザーで角の輝度差をならす。

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よくある質問(施工業者向けFAQ)

直角コーナーをテープを曲げて回してはいけないのですか?
90°の直角は曲げで処理しないでください。LEDテープは面方向に緩いカーブなら追従しますが、直角に折ると外周側のFPC銅箔が引き伸ばされ、最小曲げ半径を割って銅箔クラックが発生します。点灯直後は問題なくても数週間〜数か月後に角だけ消灯します。直角はカット位置で切り、ジャンパー(渡り)配線かコーナーコネクタでつなぐのが正解です。
コーナーコネクタとはんだ付け、どちらを選ぶべきですか?
屋内・短納期・本数が多い現場はL字コーナーコネクタが速くて確実です。高出力(15W/m以上)・屋外・振動環境・長期信頼性が必要な現場ははんだ付け+熱収縮チューブが堅実です。コネクタは接触抵抗で発熱・接触不良のリスクがあるため、電流が大きい回路や防水が要る箇所でははんだを基本にしてください。
コーナーでつなぐと角だけ暗く見えるのはなぜですか?
原因は2つあります。1つはカット時に最後のLED〜カット位置の間隔が空き、角に発光しない区間(暗部)ができること。もう1つはジャンパー配線が長く電圧降下が増えて先側が暗くなることです。前者はLED間隔の中央でカットしL字フレームのR部で目立たなくする、後者は渡り線を太く短くする・両端給電にすることで改善します。