規格改正のお知らせ(2026年8月時点)
JIS Z 9110は2024年12月20日に改正され、屋内の具体的な照度の数値はJIS Z 9125:2023(屋内照明基準)へ移りました。本記事に載せている照度値は旧版(JIS Z 9110:2011)の区分に基づくものです。数値そのものが大きく変わったわけではありませんが、設計書・仕様書に根拠を書く場合はJIS Z 9125:2023を参照してください。 → 2024年改正で何が変わったのかを詳しく見る
蛍光灯のフリッカーが生徒の集中力を奪う。JIS基準と省エネを両立したLED照明設計データを公開。
JIS Z 9110(照度基準)では教育施設の照明について具体的な数値が定められています。蛍光灯の経年劣化(光束低下)により、古い施設では基準を下回っているケースが多くあります。
| ゾーン | JIS推奨照度 | 色温度 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 普通教室(学習机面) | 500lx以上 | 5000K推奨 | フリッカーフリー必須 |
| 黒板・ホワイトボード面 | 750lx以上 | 5000K推奨 | 均斉度0.7以上推奨 |
| 自習室・図書コーナー | 500〜750lx | 4000〜5000K | グレアレス設計推奨 |
| 廊下・待合スペース | 200lx以上 | 3000〜4000K | 任意 |
| トイレ・洗面室 | 200lx以上 | 4000〜5000K | センサー節電推奨 |
| 受付・カウンター | 500lx | 3000〜4000K | 低すぎに注意 |
インバーター非搭載の古い蛍光灯(グロースターター式)は商用電源周波数(50Hz/60Hz)でちらつきが発生します。このフリッカーは肉眼では分かりにくいものの、脳と眼は無意識に処理しており、1日3〜4時間・週5日通う塾では累積疲労が蓄積します。LEDに換装すると定電流電源により安定した光が得られ、フリッカーをほぼゼロにできます。
蛍光灯は使用時間とともに光束(明るさ)が低下します。新品時は500lxを確保していても、2〜3年使用した蛍光灯では30〜40%程度光束が低下し、400lx以下に落ちることがあります。LED照明は40,000時間後でも初期光束の70%以上(LM70)を維持するため、長期間にわたり安定した明るさが保たれます。
蛍光灯の寿命は8,000〜12,000時間で、週6日・1日10時間営業の塾では年1〜2回の交換が必要です。高所での交換作業コスト・ランプ代・廃棄(PCB含有のランプは適切処理が必要)を含めると、10教室規模で年間数十万円のコストになります。LEDへの換装でこのランニングコストを大幅に削減できます。
全教室の机面照度(床面から高さ85cm)を照度計で測定します。JIS基準500lxを下回る教室を優先換装対象にします。スマートフォンのスローモーション撮影でフリッカーを可視化し、問題の深刻さを数値化しておくと発注先への説明が容易です。
教室・黒板・自習室・廊下・受付の5ゾーンに分けてスペックを決定します。特に黒板面の750lx確保は重要で、教室用LEDラインとは別に黒板専用灯の追加が必要な場合があります。色温度は教室・自習室を5000K、受付を3000〜4000Kで統一するとブランドイメージも整います。
学習塾は平日夕方〜夜間・週末が繁忙期です。施工は平日午前〜昼間(夏休み・春休みはフル稼働可)に絞ります。1教室あたりの施工時間(既存器具撤去・配線確認・LED設置・照度測定)は2〜3時間が目安です。
換装完了後に全教室の照度を再測定し、JIS基準500lx以上・黒板750lx以上の達成を確認します。フリッカー測定値も記録して発注者に提出すると信頼度が上がります。均斉度(最低照度÷平均照度)も確認してください(0.6以上推奨)。
換装前後の消費電力(W)と営業時間(h/年)から年間電力削減量(kWh)・電気代削減額(円)を計算して塾オーナーに報告します。投資回収期間も明示することで、他校舎への展開受注につながります。
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