LEDテープ 天井間接照明 施工ガイド|コーニス照明・建築化照明

LEDテープ 天井間接照明 施工ガイド|コーニス照明・建築化照明の設計・取り付け・電圧選定

天井の間接照明(コーニス照明・建築化照明)は、空間に奥行きと高さ感を与える施工手法です。LEDテープを天井と壁の境界部分に組み込むことで、蛍光灯比40〜55%の省エネを達成しながら演色性の高い均一な面発光を実現できます。本ガイドでは天井間接照明の種類・LEDテープ選定・アルミフレーム取り付け・電源容量計算・施工ケース別の設計データを施工業者向けに解説します。

天井間接照明の種類(コーニス・コーブ・バランス)

天井周辺に組み込む間接照明は、光の向きと設置位置によって大きく3種類に分かれます。

種類 光の方向 設置位置 主な効果 向いている用途
コーニス照明 下向き(壁面を照らす) 天井と壁の境界(廻り縁部) 壁面に光のグラデーション・空間の広さ感 ホテル・レストラン・住宅リビング
コーブ照明 上向き(天井面を照らす) 天井の折り上げ部・幕板内 天井が明るく高さ感・柔らかい全体光 オフィス・ホテルロビー・公共施設
バランス照明 上下両方向 壁の上部(コーニスボード内) 壁と天井の両方を明るくする・立体感 高級ホテル・百貨店・展示施設

施工現場でよく使われるのはコーニス照明

天井と壁の境界部分にアルミフレームを設置してLEDテープを下向きに照射する「コーニス照明」が、施工の容易さと視覚効果のバランスから最も多く採用されています。本ガイドでは主にコーニス照明の設計・施工手順を解説します。

LEDテープ選定基準

天井間接照明に使うLEDテープは、均一な面発光・演色性・色温度の3点が特に重要です。

COB vs SMD — 天井間接照明には COB を推奨

項目 COBテープ SMDテープ(2835等)
発光の均一性 ◎ 粒感なし・完全均一 △ 粒感あり(ドット見える)
天井・壁への映り込み ◎ ムラなし △ ドットが映り込む
拡散カバーの要否 不要(そのままでOK) 必要(ミルキーカバー推奨)
演色性(Ra値) Ra90以上が標準 製品による(Ra80〜90)
コスト やや高い 安い

天井間接照明では光が壁・天井に直接反射するため、ドットのムラが空間全体に広がります。COBテープ(Ra90以上)を標準として選定することを強く推奨します。

色温度の選定基準

施設・用途 推奨色温度 理由
ホテル客室・高級レストラン 2700K(電球色) 温かみ・リラックス感・料理を美しく見せる
カフェ・バー・居酒屋 2700〜3000K 落ち着いた雰囲気・滞在時間延長
ホテルロビー・エントランス 3000K(温白色) 明るさと高級感の両立
オフィス・会議室 4000K(白色) 集中力・明視性の確保
美容院・クリニック 3000〜3500K 肌の色を正確に見せる(Ra90必須)

輝度(W/m)の選定

天井間接照明は直接見る照明ではないため、過剰な輝度は不要です。一般的な目安:

  • 住宅・ホテル客室:5〜8W/m(控えめ・落ち着き重視)
  • レストラン・カフェ:8〜12W/m(間接光で十分な明るさ)
  • ホテルロビー・商業施設:12〜16W/m(高輝度・存在感)

電圧選定(12V vs 24V)

天井間接照明では24Vを強く推奨します。理由は配線長にあります。

比較項目 12V 24V
1電源あたりの最大配線長 約3〜5m 約7〜10m
天井1周(8〜12m)の電源台数 2〜4台(分割必要) 1〜2台(シンプル)
電圧降下のリスク △ 高い ◎ 低い
配線の複雑さ △ 電源分割箇所が増える ◎ シンプル
電源コスト やや安い やや高い(台数が減るので総額は同等以下)

天井間接照明は24V COBテープ一択

天井周囲の配線は8〜12m以上になることが多く、12Vでは電源を3〜4台設置する必要が生じます。24V COBテープを使えば電源1〜2台でまとめられ、施工コストと管理の手間が大幅に下がります。新設工事は必ず24Vで設計してください。

アルミフレームの取り付け手順

LEDテープを天井間接照明として美しく設置するには、アルミフレーム(アルミチャンネル)が不可欠です。アルミフレームが放熱・固定・光の向き調整の3役を担います。

推奨フレーム形状

形状 断面 向いている用途
コーナー型(45°) L字・45度斜め 天井と壁の境界に斜めに設置・下向き照射
フラット型(H幅12〜16mm) 平型 棚下・幕板内への平置き
深型(H幅24〜28mm) 平型・深溝 COBテープの幅が広い製品・放熱重視

取り付け手順(コーニス照明・コーナー型フレームの場合)

  1. 墨出し:天井と壁の境界から50〜80mm下がった位置にフレームの設置ラインを墨出し。フレームの下端が天井面に対して平行になるよう水平を確認する。
  2. 下地確認:設置ラインに石膏ボードの下地(木下地・軽量鉄骨)があるか確認。なければアンカーを使用する。
  3. フレームの仮置き・カット:フレームを設置長に合わせてノコギリ(金属用)またはアルミカッターでカット。角部はマイターカット(45°)で合わせるとすっきり仕上がる。
  4. フレームの固定:木ネジ(下地あり)またはアンカーボルトでフレームを壁面に固定。ネジ間隔は50cm以内を目安にたわみを防ぐ。
  5. LEDテープの貼り付け:テープ背面の3M両面テープでアルミフレームの溝に圧着。開始端から始め、フレームの継ぎ目でテープの切断マーク部分を合わせる。
  6. 配線の引き込み:フレーム端部から電源ケーブルを引き込む。ケーブルは壁内または配線カバーで隠す。
  7. カバー(拡散板)の取り付け:COBテープの場合はカバーなしでも均一発光できるが、直視防止のためにミルキーカバーを推奨。フレームにスライドして挿入する。
  8. 点灯確認・電圧測定:電源を接続して全区間の点灯を確認。テスターで末端電圧を測定(24Vテープなら20.4V以上が目安)。

コーニス照明のフレーム設置位置の目安

天井高 フレーム下端の位置(天井面から) 光の広がり(床面到達幅)
2.4m(一般住宅) 50〜80mm下 壁面を約1.5m照射
2.7m(ホテル・店舗) 80〜120mm下 壁面を約1.8〜2m照射
3.0m以上(ロビー・商業) 100〜150mm下 壁面を約2m以上照射

電源容量の計算方法

天井間接照明の電源(PSU)は以下の手順で計算します。

PSU必要容量(W)= テープW/m × 設置長(m) × 1.2

×1.2は安全マージン(電源の定格の80%以内で使うことで熱・劣化を防ぐ)

計算例

施設 設置長 テープ W/m 必要W 推奨PSU
ホテル客室(1辺3m×4辺) 12m COB 24V 8W/m 8×12×1.2=115W 120W PSU × 1台
レストラン(周囲20m) 20m COB 24V 10W/m 10×10×1.2=120W ×2区間 120W PSU × 2台
カフェ(L型カウンター6m) 6m COB 24V 8W/m 8×6×1.2=58W 60W PSU × 1台
ホテルロビー(周囲40m) 40m COB 24V 12W/m 12×10×1.2=144W ×4区間 150W PSU × 4台

注意:調光器(DALI・DMX・PWM)を使用する場合は電源・調光器の両方の適合を確認してください。全調光器対応のPSUと、調光対応COBテープの組み合わせが必要です。

施工ケース別 推奨設計

施設・用途 照明種類 テープ仕様 PSU 調光 特記事項
ホテル客室(コーニス) コーニス照明 COB 24V 2700K Ra90 8W/m 100〜120W×1台 PWM調光推奨 ベッドヘッド壁面を重点照射
レストラン天井(コーニス) コーニス照明 COB 24V 2700K Ra90 10W/m 120W×2台(10m区間×2) 調光対応 食事時と閉店時で照度変化
カフェ(コーブ・折り上げ天井) コーブ照明 COB 24V 3000K Ra90 8W/m 60W×1台 任意 幕板内に上向きに設置
オフィス廊下(コーニス) コーニス照明 COB 24V 4000K Ra80 10W/m 60W×適宜 不要 廊下長に合わせて電源分割
美容院(コーブ) コーブ照明 COB 24V 3000K Ra95 12W/m 100W×1台 調光対応 Ra95以上で肌色再現精度が上がる
住宅リビング(コーニス) コーニス照明 COB 24V 2700K Ra90 5〜8W/m 60W×1台 PWM調光推奨 壁色が白系ならW/m低めでも十分

よくある失敗と対策

失敗 原因 対策
末端が明らかに暗い 12V選定で電圧降下・配線が長すぎる 24Vに変更・電源を区間分割
天井や壁に粒感(ドット)が映る SMDテープを使用・拡散カバーなし COBテープに変更・またはミルキーカバー追加
フレームがたわんで光が一直線にならない ネジ間隔が広すぎる・フレームが薄い ネジ間隔を30〜40cmに詰める・厚肉フレームを使用
フレームの継ぎ目に輝度ムラが出る テープのカット位置と継ぎ目がズレている 切断マークでカット・フレーム継ぎ目と位置を合わせる
電源が発熱して停止する(サーマルシャットダウン) PSU定格ギリギリで運用・換気不足 PSUを定格の80%以内で使用・換気スペース確保(上下10cm以上)
調光すると色温度が変わって見える PWM調光非対応のテープにPWM調光器を使用 テープと調光器の対応方式を合わせる(PWM対応同士)
フレームが壁から浮いてLEDが見えてしまう 設置角度・フレーム奥行きの設計ミス フレームを深型に変更・設置高さを上げてLEDが下から見えない角度に調整

よくある質問

Q. コーニス照明とコーブ照明はどちらが効果的ですか?

A. 用途によって異なります。「壁面を明るくして空間の広さを演出したい」場合はコーニス照明(下向き)、「天井を明るくして高さ感と柔らかい全体光を出したい」場合はコーブ照明(上向き)が適しています。ホテル客室ではコーニス照明、ロビーや商業施設ではコーブ照明が多く採用されています。

Q. 天井間接照明に12Vテープは使えますか?

A. 使えますが推奨しません。天井周囲の配線は8〜12m以上になることが多く、12Vでは電源を3〜4台に分割する必要があります。24V COBテープを使えば電源1〜2台でまとめられ、施工コストと完成後の輝度均一性が大幅に改善します。新設工事では必ず24Vを選んでください。

Q. 調光はどの方式がいいですか?

A. LEDテープの天井間接照明にはPWM調光が最も一般的で扱いやすいです。ホテルや高級施設でDMX調光(シーン制御)を使う場合は、DMX対応のPSUとDMXコントローラー、DMX対応COBテープの3点を揃える必要があります。住宅・小規模店舗ではトライアック調光器対応のPSUとセットで使うのが安価です。

Q. COBテープに拡散カバーは必要ですか?

A. COBテープは粒感がなく均一発光なので、カバーなしでも美しい仕上がりになります。ただし「LEDが直接見えてしまう」角度問題がある場合(フレームが浅い・設置位置が低い)はミルキーカバーを追加すると直視防止になります。カバーを追加すると輝度が10〜20%程度低下するため、W/mを上げるか許容輝度を確認してから決定してください。

Q. 既設の蛍光灯間接照明をLEDに改修するにはどうすればいいですか?

A. 既設の器具や幕板がそのまま使える場合は、蛍光灯を外してアルミフレーム+COBテープを内部に設置する方法が最もコストを抑えられます。器具撤去→アルミフレーム固定→COBテープ貼り付け→24V電源設置→配線接続の順で施工します。既設器具のAC100V配線をそのまま活用できる場合が多いため、電源の設置スペース確保が主なポイントになります。

業務用COBテープ・アルミフレーム・24V電源はLED PRO SHOPにてプロ価格・最短翌日出荷でご提供しています。

LED PRO SHOP 商品一覧を見る