LEDテープの電源〜テープ間のケーブルを天井裏・壁内に通すとき、露出・隠蔽配管にはPF管コンクリート埋設にはPF管かCD管を使います。違いは一点、自己消火性(耐燃性)の有無です。CD管は耐燃性がなくコンクリート埋設専用。オレンジのCD管を天井裏や壁内に転がすと内線規程違反になり、検査で是正対象になります。本記事ではPF管とCD管の違い・使い分け・呼び径の選び方・施工手順を施工業者向けに整理します。

1. PF管・CD管とは(LEDテープ配線での役割)

PF管・CD管はどちらも「合成樹脂製可とう電線管」です。可とう(自由に曲げられる)ため、天井裏や什器内など金属管を通しにくい狭所でもケーブルを保護しながら取り回せます。LEDテープ施工では、電源(ドライバ)からテープまでの配線を傷・短絡・引っ張りから守り、見栄えよく隠す目的で使います。

名前が似ていますが、両者は耐燃性(火に対する自己消火性)と使ってよい場所が決定的に違います。ここを取り違えると、施工自体は通っても竣工検査で是正になります。

2. PF管とCD管の違い 早見表

項目 PF管 CD管
名称の由来 Plastic Flexible(合成樹脂製可とう) Combined Duct(コンバインドダクト)
自己消火性(耐燃性) あり なし
露出配管 不可
隠蔽配管(天井裏・壁内) 不可
コンクリート埋設 可(本来用途)
識別色 ベージュ/アイボリー・グレー・黒 等 オレンジ(橙)に統一
コスト やや高い 安い
LEDテープ配線での使用 推奨 露出・隠蔽どちらも 限定 コンクリート埋設時のみ
なぜオレンジ=CD管に統一されているのか
CD管は耐燃性がなく「コンクリートに埋める前提」の管です。露出・隠蔽部で誤って使われると火災リスクになるため、ひと目で区別できるようオレンジ色に統一されています。逆に言えば、天井裏や露出部にオレンジの管が見えたら「不適切な場所でCD管が使われている」サインです。

PF管の種類:PFS管(単層)とPFD管(複層)

PF管はさらに、管壁の構造によってPFS管(Single=単層)PFD管(Double=複層)に分かれます。ホームセンターや電材店で「PF管」として最も流通しているのはPFS管です。LEDテープの屋内配線はPFS管で足りるケースがほとんどですが、条件が厳しい場所ではPFD管を検討します。

項目 PFS管(単層) PFD管(複層)
管壁の構造 1層 内層+外層の2層
自己消火性(耐燃性) あり あり
重さ・価格 軽い・安い やや重い・高い
向く場所 屋内の露出・隠蔽・天井裏(LEDテープ配線の標準) 外圧・衝撃がかかりやすい場所、より保護性能を求める場合
LEDテープ配線での使い分け 標準 屋内はまずこれ 選択 条件が厳しい場所のみ

3. LEDテープ配線でどちらを使うか

判断はシンプルです。コンクリートに埋めるとき以外はPF管と覚えておけば、まず外しません。

PF管を使う
天井裏ころがし/壁内隠蔽/露出配管/什器内の配線。屋内のLEDテープ配線はほぼこれ。迷ったらPF管。
CD管でも可
コンクリートスラブ内に打ち込み埋設する配管のみ。コストは安いが、将来のLED交換で抜き差しを考えるとPF管が無難。
⚠ これは是正対象
オレンジのCD管を天井裏に転がす・壁内に通す・露出で配管するのは、耐燃性がないため内線規程で認められていません。「埋設用の余りが現場にあったから」とCD管を隠蔽部に使うと、竣工検査・自主検査で指摘され、やり直しになります。隠蔽・露出は必ずPF管を使ってください。

4. 呼び径(サイズ)の選び方

LEDテープの配線ケーブルは細い(2芯VFF 0.75〜1.25sq、RGB/RGBWの4〜5芯など)ため、過剰に太い管は不要です。ただし占積率と将来の引き直しを考えて一段余裕を持たせるのが実務的です。

呼び径 内径の目安 通せるLEDテープ配線の目安
PF16 約14mm 2〜4芯ケーブル1〜2本(標準的なテープ1〜2系統)
PF22 約20mm 4〜5芯ケーブル複数・RGB/RGBWの多系統まとめ
PF28 約26mm 幹線・多系統の集約・将来増設の余裕を持たせる場合
占積率の目安
電線の被覆を含む断面積の合計を、管の内断面積の48%以下(電線2本以下)/32%以下(電線が多数)に収めるのが内線規程の考え方です。詰め込みすぎると放熱が悪くなり、後から1本も追加・引き直しできなくなります。迷ったら一段太い径を選んでください。

5. 施工手順・注意点

経路決めと固定 ケーブルを通す前に経路を決め、PF管用サドル・ワンタッチクリップで約1mピッチを目安に固定します。たるみや垂れ下がりは断線・見栄え低下の原因になります。
曲げ半径を確保する 可とう管でも急角度の曲げは禁物です。曲げ半径は管内径の6倍以上を目安に、ゆるくカーブさせます。きつく折るとケーブル被覆を傷つけ、通線も困難になります。
ボックス接続はコネクタで アウトレットボックスやプルボックスへは、PF管用コネクタ(ボックスコネクタ)で確実に接続します。管端のバリで被覆を傷めないよう、必要に応じてブッシングを使います。
接続部はボックス内に収める 電源とテープの接続(はんだ・コネクタ・端子台)は管の中に置かないでください。点検できず、発熱もこもります。接続はボックス内で行い、点検・交換できる状態にします。
屋外・直射日光下は要注意 一般のPF管は紫外線で経年劣化します。屋外露出ではUV対応の耐候グレード、またはVE管(硬質ビニル電線管)・金属管(E管など)に切り替えます。屋外サインのLED配線では特に重要です。
通線をラクにする実務のコツ
ケーブルは管を固定しながら先に通す(先通し)のが基本です。固定済みの管に後から通す場合は呼び線(通線ワイヤー)を使います。曲がりが多い経路は通線抵抗が急増するため、1区間の屈曲は少なく(合計270度以内が金属管配線の目安)抑え、超えそうな経路は途中にプルボックスを設けて区間を分割すると、施工も将来の引き直しも格段にラクになります。
配管前のチェックリスト
□ 露出・隠蔽部はPF管か(オレンジのCD管を使っていないか)
□ 占積率48%を超えていないか(詰め込みすぎ)
□ 曲げ半径は管内径の6倍以上を確保したか
□ 電源・テープの接続部はボックス内に収めたか
□ 屋外露出は耐候グレードまたは金属管に切り替えたか

6. やってはいけない施工

よくある質問

LEDテープの配線にCD管を使ってはいけないのですか?
コンクリート埋設配管なら使用できます。ただしCD管は自己消火性(耐燃性)がないため、露出配管・天井裏ころがし・壁内隠蔽での使用は内線規程で認められていません。これらの場所ではPF管を使ってください。オレンジ色のCD管が天井裏や壁内に転がっていると、竣工検査で是正対象になります。
PF管の色は何でもよいですか?
PF管はベージュ・アイボリー・グレー・黒などがあり、いずれも耐燃性があるため露出・隠蔽どの場所でも使えます。オレンジは埋設専用のCD管を区別するための識別色です。露出部や天井裏にオレンジの管があると「CD管を不適切な場所で使っている」と誤解・指摘される元になるため、露出・隠蔽部にはベージュ系などのPF管を使うのが無難です。
LEDテープ1系統だと何φのPF管を選べばよいですか?
2〜4芯の細いケーブル1本ならPF16(呼び径16)で足ります。RGB・RGBWや複数系統をまとめる場合、または将来の増設・引き直しの可能性がある場合はPF22以上に余裕を持たせます。電線の被覆を含む断面積の合計が管内断面積の48%(2本以下)を超えそうなら、一段太い径を選んでください。
PF管の中に電源線と調光信号線(0-10V・DALI・DMXなど)を一緒に通してもよいですか?
避けるのが無難です。AC100/200Vの電源線と調光信号線を同一管内で長く並走させると、スイッチングノイズが信号に乗って明るさのふらつき・制御不能などの誤動作の原因になります。管を電源用・信号用で分けるのが基本です。DC24V側の配線と信号線の組み合わせでも、並走距離が長い場合は分離しておくとトラブルを防げます。
屋外でもPF管を使えますか?
使えますが、一般グレードのPF管は直射日光の紫外線でひび割れ・白化などの経年劣化が早まります。日射の当たる屋外露出では耐候(ウェザーレジスタント)グレードのPF管、またはVE管(硬質ビニル電線管)・金属管を選んでください。あわせて、管端末やボックスは防水型を使い、管内への浸水と結露水の滞留を防ぐ配慮(水抜き・下向き端末)が必要です。

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