電源は定格の半分・最大接続長は8割・温度上昇分はW/mを減じる——寿命を縮めないための余裕設計を施工業者向けに解説
この記事の結論:LEDテープも電源も「定格ギリギリ」で使うと発熱で寿命が縮みます。電源は定格の半分、最大接続長は規定の8割程度、周囲温度が高い場所はW/mや負荷率をさらに下げる——この余裕設計(ディレーティング)が、施工後の早期故障・色ずれ・クレームを防ぐ最大のポイントです。厨房の天井際や照明ボックスの中など、周りがそもそも高温になる場所でのテープと部材の選び方は高温環境でのLEDテープの選び方に書いています。
ディレーティングとは、部材を定格(仕様上の最大値)よりも余裕をもたせて使う設計手法です。電源・配線・LEDテープいずれも、定格いっぱいで連続使用すると発熱が大きく、寿命を縮めたり保護動作で停止したりします。あらかじめ負荷を下げて使うことで、温度・電圧の変動に対する安全マージンを確保します。
LED照明で寿命を縮める最大の要因は熱です。LEDの明るさは時間とともに低下(光束減退)しますが、その速度は温度が高いほど速くなります。電源内部のコンデンサも高温で劣化が加速します。つまり「温度を下げる=寿命を延ばす」であり、ディレーティングは温度を下げるための設計上の余白づくりです。
LED合計100Wに対して定格100Wの電源を選ぶと、常時フル負荷で内部が高温になり、夏場の温度上昇で保護が働いて消灯したり、コンデンサ劣化で早期故障したりします。電源は容量ぴったりではなく、一回り上を選ぶのが鉄則です。
「÷0.5」は電源を定格の半分で使うという意味です。半分で回すとコンデンサの温度が下がり、寿命が大きく延びます。規格上の限界は80%ですが、狙う値ではありません。電源容量の詳しい計算は LED電源容量ガイド も参照してください。
| 項目 | 推奨の使い方 | 定格いっぱいで使うと | 判定 |
|---|---|---|---|
| 電源(常設・連続点灯) | 定格の半分まで | 発熱増・コンデンサ早期劣化 | 余裕◎ |
| 電源(点滅・突入大) | 定格の60〜70%まで | 突入電流で保護動作・寿命低下 | 余裕◎ |
| LEDテープ接続長 | 最大接続長の8割程度 | 末端の電圧降下・端が暗い | 要注意 |
| 配線(ハーネス)電流 | 許容電流の70〜80%まで | 配線発熱・被覆劣化 | 要注意 |
| 周囲温度(高温環境) | W/m・負荷率をさらに低減 | 光束減退・色ずれ加速 | 放熱必須 |
定格の半分で使う。容量ぴったりは避け一回り上を選定。複数電源に分散するのも有効。発熱の少ない電源は寿命が延びる。
最大接続長は規定の8割を目安に。超える場合は両端給電・電源分散・電圧降下対策を行う。末端の電圧降下による暗化を防ぐ。
アルミフレームに密着させて素子温度を下げる。密閉什器・天井裏・厨房など熱がこもる場所ほど放熱が寿命を左右する。
常時フルパワーを避け、調光や点灯時間の最適化で発熱を抑える。連続フル運転より平均負荷を下げるほど寿命に有利。
周囲温度(Ta)が高いほど、LEDテープも電源も許容できる負荷が下がります。多くの電源は周囲40〜50度を超えると定格出力を段階的に下げて使う必要があり、メーカーのディレーティング曲線で確認します。LEDテープも素子温度(Tj)が上がると光束減退と色ずれが加速します。
実務の進め方:想定最高室温に、夏場の上昇分と機器の発熱を上乗せした温度を前提に設計します。熱がこもる場所では「①電源負荷率を下げる(50%→40%)」「②テープのW/mを下げる」「③放熱面積を増やす(アルミフレーム)」の3点で対応し、温度が読めない現場は試験点灯で実際の温度上昇を確認してから本施工します。変色・黄ばみが心配な現場は 変色・黄ばみの原因と対策 も併読してください。
DC24V電源は200W(税込¥4,180)・300W(税込¥4,840)・400W(税込¥5,500)の3点で、5m巻(約60W)を順に1本・2本・3本までが当社の目安です。放熱に使うアルミフレームは幅20mm。テープは約12W/mの1仕様なので、W/mは選べません。
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