① 点灯しない・まったくつかない

主な原因と確認順序

確認箇所症状・チェック方法対策
電源(アダプタ/PSU) 電源のLEDインジケータが消灯・テスターで出力電圧をチェック 電源を交換。出力電圧がテープ定格(12V/24V)と一致しているか確認
電源容量不足 テープの総消費電力(W)が電源定格(W)を超えている 電源を大容量品に交換。テープ総W = W/m × 長さ(m) × 1.2(余裕係数)で計算
コネクタの挿し間違い プラス(+)とマイナス(−)が逆接続 赤線を+端子・黒線を−端子に接続し直す。逆接でもテープは壊れないが点灯しない
ハンダ付け不良・断線 接続部を触ると一瞬点灯する・テープを曲げると点灯する 接続部を再ハンダ。クリップコネクタは銅パッドへの接触不良が多い
切断位置のずれ カット部分が導線上ではなく銅パッドを外れている 正しいカット位置(銅パッドの中央ライン)で再カットして接続

よくある誤接続パターン

24Vのテープに12V電源を接続すると点灯するが暗く、逆(12Vテープに24V)は過電圧で破損する。 電源とテープの電圧が一致しているかを最初に確認する。

② チラつき・ちらちらする

LEDテープのチラつき(フリッカー)は目に見える場合と見えないが 疲労・頭痛・映像撮影に影響する場合がある。原因は大きく3つ。

原因A: 調光器との相性(PWM調光)

安価な調光器はPWMのスイッチング周波数が低く(100〜300Hz)、 肉眼でチラつきが見える。対策は以下の順に試す:

  1. 調光器を高周波PWM品(1kHz以上)に交換する
  2. 調光器をテープと同メーカー・同仕様で揃える
  3. フリッカーフリー仕様のLEDテープに変更する

原因B: 電源の品質・容量不足

電源の出力リップルが大きいとLEDがちらつく。特に廉価な電源で起きやすい。 テスターの交流モードで電源出力を測定し、リップル電圧が100mV以上ならば 電源品質が原因の可能性がある。低リップル品(1%以下)のPSUに交換する。

また電源の定格容量をテープの総消費電力が超えると出力電圧が不安定になりチラつく。 電源容量の80%以下で使用することが推奨。

原因C: 接触不良

コネクタがテープの銅パッドに対して半接触状態になると断続的にチラつく。 コネクタを外して再装着するか、ハンダ付けに変更する。 特にクリップコネクタは経年劣化でバネ力が落ちるため、 長期施工にはハンダ接続を推奨する。

③ 端が暗い・中間から暗くなる(電圧降下)

テープが長くなるほど電流が銅箔を流れる距離が増え、 電圧が末端に行くほど下がる「電圧降下」が起きる。 12V系は特に影響を受けやすく、電圧が0.5V下がるだけで明るさが 目に見えて変わる。

電圧降下の目安(12Vテープ 10W/m)

テープ長末端電圧(片側給電)明るさへの影響
3m 以下 11.5V 以上 ほぼ影響なし
5m 11.0V 前後 わずかに暗くなる
8m 10.0V 前後 明確に暗くなる・色温度がずれる
10m 以上 9V 以下 大きく暗化・場合によっては不点灯

対策

  • 両端給電: テープの両端から電源を供給することで片側の電圧降下量を半減
  • 24V系に切替: 24Vは同じ電力で電流が半分になるため電圧降下が小さい
  • テープを短く分割: 1系統を5m以下に抑えて別電源で並列給電
  • 銅箔幅の広いテープを選ぶ: 同じ電流でも銅箔が太ければ抵抗が下がる

12Vで10m以上の施工を計画しているなら、最初から24V系を選ぶか 中間給電ポイントを設計に組み込むことを強く推奨する。

④ テープが熱い・異常発熱

正常範囲と異常の目安

LEDテープは稼働中に熱を持つ。触れて「温かい」程度(40〜55℃)は正常だが、 「熱くて触れない」(60℃以上)は放熱不足または過電流の可能性がある。

テープ温度状態対策
40℃以下 正常(冷たい〜ぬるい) 問題なし
40〜55℃ 正常(温かい) アルミプロファイル使用で寿命延長効果あり
55〜65℃ やや高温(注意) アルミプロファイル必須・密閉空間への封入を避ける
65℃以上 異常発熱 電源電圧・W/m の確認・直ちに使用中止して原因を特定

発熱の主な原因

  • W/m過多: 高W/mのテープを密閉空間・断熱材近くに施工している
  • 過電圧: 24Vテープに28〜30Vが供給されている(電源の設定誤り)
  • 放熱不足: テープ背面が木材・樹脂に直接貼られていてアルミへの熱逃げがない
  • 密閉空間: 天井裏・壁内など換気が一切ない空間での施工

対策

アルミプロファイル(アルミチャンネル)に収めることが最も効果的。 アルミはLEDから発生した熱を基板全体に分散させ、温度上昇を10〜20℃抑えられる。 密閉空間への施工はW/mを抑えた製品を選ぶか、 換気穴を設けて自然対流を確保する。

⑤ テープが剥がれる・接着が弱い

主な原因

  • 貼り付け面の油脂・ホコリ: アルコールで脱脂していない面には両面テープが接着しない
  • 凸凹面・多孔質面: 粗い木材・コンクリートは接触面積が小さく接着力が弱い
  • 高温による粘着剤軟化: テープ温度が55℃を超えると粘着剤が溶けて剥がれやすくなる
  • 水分・結露: 屋外や厨房で水分が浸入すると粘着剤が剥離する
  • テープの自重・垂直面: 垂直面に長い区間を貼ると自重で剥がれる

対策

  • 貼り付け前に IPA(イソプロピルアルコール)で表面を完全に脱脂・乾燥させる
  • 粗い面にはアルミテープを先張りして平滑な下地を作る
  • 垂直面・熱環境ではアルミプロファイルのネジ固定 or クリップ固定に切り替える
  • 屋外・厨房は防水・耐熱両面テープ(3M VHB系)を使う

⑥ 色がムラになる・部分的に色が違う

パターンと原因

症状主な原因対策
接続部で色が変わる 別ロット(Bin)のテープを混用している 同一ロットで揃えるか、視覚的に離れた場所に配置して違いが目立たない設計にする
端に近い部分だけ色が違う 電圧降下による色温度のずれ(赤みが増す) 電圧降下対策(両端給電・24V化)を実施する
1箇所だけ黄色または青白くなる チップ1個の故障または蛍光体の劣化 故障チップが含まれる区間を交換する(カット位置で切り出し)
全体にむらがある(しましま模様) 乳白カバーなしでSMDテープを使用している 乳白拡散カバー付きのアルミプロファイルに変更する

⑦ 全体的に暗い・光量不足

設計段階での確認ポイント

「明るさが足りない」と感じる場合、照明計画の段階で照度計算が行われていないことが多い。 目安として店舗照明は水平面照度 500〜1500lx、居室は 300〜500lx が必要。

明るさ不足の主な原因

  • W/mが低い: 間接照明用の低W/mテープを主照明に使っている
  • 乳白カバーの光束損失: 乳白カバーで20〜35%の光束が失われている
  • 配光の問題: テープが壁向きに設置されており、作業面に光が届いていない
  • Ra値と明るさの混同: Ra90(高演色)は明るさではなく色の見え方の指標。Ra90が暗いわけではない
  • テープの劣化: 長期使用で光束が70%以下に低下している(交換時期の目安)

対策

主照明として使う場合は10W/m以上の製品を選ぶ。 間接照明(天井コーニス・棚下)は7〜10W/m が一般的な範囲。 乳白カバーの損失が気になる場合はW/mを1.3〜1.5倍に上げて補う。

⑧ 切ったら点かなくなった

問い合わせで最も多い症状のひとつ。テープを短くしただけで全体が点かなくなる、 あるいは切った側だけが点かなくなる。ほとんどが「切ってよい位置で切っていない」ことに起因する。

なぜ決まった位置でしか切れないのか

LEDテープは、複数のLEDと抵抗をひとまとまりにした「ユニット」を直列につないだ構造になっている。 12V品は3個1組、24V品は6個1組が一般的で、この1組がそのまま最小の単位になる。 ハサミマークはユニットの切れ目に打たれており、その位置以外で切るとユニットが途中で断たれ、 その区間は電気の通り道が失われて点灯しない。 「あと2cmだけ短くしたい」という理由でマーク以外の場所を切ると、まず点かなくなる。

症状から原因を切り分ける

症状考えられる原因対処
切った側が丸ごと点かない ユニットの途中で切断している 次のハサミマークまで切り戻す。切り戻した分は短くなるが復旧はこれが確実
切っていない側まで点かなくなった 切断面で+と−が接触して短絡している。防水シースの中で導通していることもある 切断面を確認し、はみ出した銅箔・ハンダを除去。保護されていない切断面は絶縁する
切ったあと、つなぎ直したら点かない 銅パッドの露出不足(防水シースやコーティングが残っている) シリコン被膜をカッターで削って銅パッドを出す。表面が黒ずんでいれば軽く磨く
押さえていると点く クリップコネクタの接触不良 銅パッドの中心に噛ませ直す。恒久施工ならハンダ付けへ変更
COBテープで切ったら点かない COBはカット間隔が細かく、マークを見落としやすい 発光面を消灯して裏の導線とマークを確認してから切る

切る前の鉄則は2つ。①必ずハサミマークの線の上を切る、②切る前に一度仮点灯させて正常なことを確認する。 先に切ってから不点灯に気づくと、原因が「元から不良」なのか「切り方」なのか分からなくなる。

ここでは症状からの切り分けまでを扱った。すでに切ってしまった状態から実際に復旧させる手順 (短く切りすぎた場合のつなぎ方、銅パッドが足りずはんだが乗らない場合の処置など)は、 LEDテープを切ったらつかない — 捨てずに復旧する手順に個別にまとめてある。

⑨ 最初は点いていたのに、後から点かなくなった

施工直後は問題なく、数か月から数年たって不点灯・チラつきが出るケース。 初期不良とは原因の系統が違うため、切り分けの順序も変わる。 まず疑うのはテープ本体ではなく電源である。

原因A: 電源の劣化(最も多い)

スイッチング電源の寿命は、内部のアルミ電解コンデンサの寿命でほぼ決まる。 電解コンデンサは電解液が少しずつ蒸発して容量が抜けていく部品で、この劣化は温度が高いほど速く進む。 目安として使用温度が10℃上がると寿命はおよそ半分になる(10℃2倍則)。 天井裏や器具内など熱がこもる場所に電源を置いた場合、カタログ上の寿命より早く容量が抜け、 出力が不安定になってチラつき、やがて起動しなくなる。

10℃2倍則はおおむね60〜95℃の範囲で成り立つ近似で、それより低い温度域ではそのまま当てはまらない。 コンデンサメーカーも、推定にあたっては実使用温度の下限を40℃、推定寿命の上限を15年として扱うよう案内している。 「計算上30年もつ」という見積もりは現実的ではない。

電源が熱を持つこと自体の正常・異常の線引きと放熱の対策は LED電源が熱い・触れないほど発熱する原因と対策、 寿命そのものの考え方は LED電源の寿命・故障ガイドにまとめてある。

原因B: ハンダのクラック(点いたり消えたりする場合)

点灯と消灯を繰り返すたびにテープは温まって冷える。この伸び縮みが接続部のハンダに繰り返し力を加え、 年単位でひび割れに育つことがある。触ると点く、押さえると点く、という症状はほぼこれか接触不良。 再ハンダで直るが、同じ場所が再発するなら、その部分だけ配線に余裕を持たせて力が逃げるようにする。

原因C: コネクタのバネ力の低下・腐食

クリップコネクタは金属のバネで銅パッドを押さえているだけなので、経年でバネ力が落ちる。 湿気の多い場所では接点が酸化して抵抗が増え、発熱してさらに悪化する。 屋外・厨房・浴室まわりで数年後に不点灯が出たときは、まずコネクタを疑う。

原因D: 曲げた部分の断線

テープを直角に折り曲げた箇所や、角で無理に回した箇所は、銅箔に繰り返し力がかかって疲労で切れることがある。 不点灯の境目が「曲げた場所のすぐ先」なら、まずそこを疑う。 折り曲げずに、コーナー用のコネクタか配線でつなぐのが本来の納まりになる。

テスターでどこまで電気が来ているかを切り分ける

「つかない」と言われたときに、電源・配線・テープのどれが悪いのかを最短で見極める手順。 直流電圧(DCV)モードで、上から順に測っていく。

測る場所正常なら外れていたら
1 電源の出力端子(テープを外した無負荷の状態) 定格どおり(12V品なら約12V・24V品なら約24V) 0Vなら電源かその手前が原因。極端に高い場合は電源の設定・選定ミス
2 同じ場所を、テープをつないだ状態で 1とほぼ同じ 大きく落ちるなら容量不足か、どこかで短絡している
3 テープの入力端(コネクタのすぐ先) 2とほぼ同じ ここで落ちていれば配線かコネクタが原因。テープは無関係
4 テープの末端 3から大きく下がっていない 下がっていれば電圧降下。③の対策

3で正常な電圧が来ているのにテープが点かない場合は、テープ側の問題が確定する。 ここまで切り分けてから、切断位置(⑧)・経年劣化(⑨)・極性の逆接続を順に見ていく。 極性については、逆につないでもテープは壊れないが点灯しないため、確認は最後で構わない。

症状別 診断チャート

症状まず確認次に確認最終対策
全く点灯しない 電源の出力電圧(テスター) コネクタの接触・極性 電源交換・接続やり直し
チラつく 調光器の有無・PWM周波数 電源の容量・リップル 高周波調光器・低リップル電源に交換
端が暗い テープ総長・W/m 末端電圧(テスター) 両端給電・24V化・分割給電
熱い・触れない 電源電圧・W/m の確認 設置環境(密閉・断熱材) アルミプロファイル・W/m 低減・換気確保
剥がれる 貼り付け面の脱脂状態 温度・湿度環境 脱脂→再接着 or クリップ/ネジ固定
色ムラ ロット統一・拡散カバーの有無 電圧降下の有無 乳白カバー追加・電圧降下対策
全体的に暗い W/m の確認・照度計算 カバーの光束損失 高W/m品に変更 or 本数・面積を増やす

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