ファサードサイン・外構・駐車場入口・ショーウィンドウのLEDテープは、「暗くなったら点灯・明るくなったら消灯」の自動運転にしておくのが引き渡し後のクレームを最も減らす方法です。手動スイッチ運用は点け忘れ・消し忘れが必ず起き、タイマー単独では日没時刻の季節変動(東京で約2時間20分)に追従できません。本記事では、照度センサー(自動点滅器・通称EEスイッチ)でLEDテープを自動点灯させるときの回路のどこにセンサーを入れるか、LED電源特有の容量選定、設置位置とハンチング対策を施工業者向けに整理します。
自動点灯の方式比較:照度センサー・タイマー・人感の使い分け
「自動で点ける」手段は1つではありません。まず現場の要求に合う方式を選びます。
| 方式 | 点灯条件 | 向く用途 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 照度センサー(自動点滅器・EEスイッチ) | 周囲照度が設定値以下 | 看板・ファサード・外構など「暗い間ずっと点ける」用途 | 設置位置を誤るとハンチング。深夜も点灯し続ける |
| タイマー(24h/週間) | 設定時刻 | 営業時間に合わせた消灯・深夜消灯 | 日没時刻の季節変動に追従できない。停電後の時刻ズレ確認が必要 |
| センサー+タイマー併用/タイマー内蔵型 | 暗くなったら点灯→設定時間後消灯 | 看板照明の標準構成。「日没〜0時」など | 両条件のAND動作になる配線(直列)にする |
| 人感センサー | 人の接近 | 通路・階段・バックヤードの省エネ | 常時演出には不向き。人感センサーガイド参照 |
| スマートコントローラー(Wi-Fi/BLE) | スケジュール+日の出日没連動 | 調光・色変更も同時に自動化したい現場 | ネット環境依存。法人現場ではオフラインで完結する構成が無難 |
実務の定番:屋外看板・ファサードは「照度センサーで点灯+タイマーで深夜消灯」の併用が標準です。タイマー単独との違いは、曇天・夕立で早く暗くなった日にも先に点灯してくれること。タイマー製品の選び方はタイマー自動点灯ガイドを参照してください。
センサーはどこに入れる?AC一次側が原則
LEDテープの回路は「AC100/200V → LED電源(PSU) → DC12/24V → テープ」の2段構成のため、センサーを入れられる場所が2箇所あります。
①AC一次側で切る(原則・推奨)
EEスイッチをLED電源の一次側(AC100V側)に直列に入れ、暗くなったら電源装置ごと通電する方式です。
- 待機電力ゼロ:昼間は電源装置自体が無通電。二次側方式のような待機損失(電源1台あたり0.5〜1W前後)が出ない
- 電源寿命に有利:電解コンデンサの劣化は通電時間と温度で進む。1日12時間の無通電は寿命面で大きい(電源寿命ガイド参照)
- 配線が単純:センサーは電灯回路用の器具がそのまま使える。電気工事士による施工が前提(AC側配線は資格必須。資格ガイド参照)
②DC二次側で切る(限定用途)
電源は常時通電のまま、DC12/24V側にDC対応の照度センサースイッチやリレーを入れる方式です。1台の電源から複数系統を分けて一部だけ自動化したい場合や、調光器と同一盤内で完結させたい場合に使います。
流用禁止:AC100V用のEEスイッチをDC24V回路に入れてはいけません。EEスイッチ内部のリレー・開閉部はAC定格で設計されており、DCでは接点が消弧できず溶着・焼損の原因になります。DC側で切る場合は必ずDC定格明記のセンサースイッチ、またはDC負荷定格のあるリレー+AC側センサーの組み合わせを使ってください。
EEスイッチの容量選定:LED電源の突入電流に注意
自動点滅器のカタログ定格(3A・6A・10A)は白熱灯・抵抗負荷基準です。LED電源はONの瞬間に定格電流の10〜30倍の突入電流(インラッシュ)が流れるため、定格ぎりぎりの選定では接点が溶着し「消えなくなる」故障が起きます。
選定早見表(AC100V・LED電源負荷)
| EEスイッチ定格 | LED電源の合計容量目安 | 構成例 |
|---|---|---|
| 3A(300VA) | 〜150W | 100W級電源1台(テープ約7〜10m分) |
| 6A(600VA) | 〜300W | 150W級電源2台まで |
| 10A(1000VA) | 〜500W | 電源3台程度。これ以上はリレー・マグネットスイッチ方式へ |
| センサー+電磁接触器 | 制限なし(接触器定格による) | 大型ファサード・電源多数台の一括入切。一括入切ガイド参照 |
突入電流そのものを抑えたい場合は、突入電流抑制回路内蔵の電源を選ぶか、系統を分割して同時投入台数を減らします。ブレーカーが落ちる場合の考え方は突入電流とブレーカーのガイドにまとめています。
設置位置とハンチング対策
照度センサーのトラブルの大半は器具の不良ではなく受光部の設置位置が原因です。
受光部の設置3原則
- 自灯の光が入らない位置:LEDテープの直接光・壁やガラスの反射光が受光部に届くと、点灯→「明るい」と誤判定→消灯→再点灯を繰り返すハンチングが発生。庇の上・袖看板の裏・北向き壁面が定石
- 他光源の影響を避ける:街灯・自販機・隣接店舗の看板・車のヘッドライトが当たる位置は誤消灯の原因。夜間に現地で受光部位置から周囲を見て、強い光源が視野に入らないか確認する
- 空が見える向きに:センサーは「空の明るさ」を測るのが理想。真下向き・奥まった軒内は点灯が早すぎる(暗く測る)方向にズレる
ハンチングが出たときの対処手順
- 手順1:日没後30分、現場で点灯挙動を観察し「何の光を拾って消えるか」を特定する(自灯反射か・外部光源か)
- 手順2:自灯反射なら受光部を移設。移設が難しければ遮光フード・スリーブで受光視野を制限する
- 手順3:改善しない場合は応答遅延(ディレイ)付きの自動点滅器へ交換。数秒〜数十秒の遅延でヘッドライト等の瞬間光を無視できる
引き渡し前の確認:照度センサー物件は「日中の消灯確認」と「日没後の点灯確認」の両方を実施してから引き渡すのが確実です。受光部をガムテープ等で覆えば日中でも点灯動作の疑似確認ができます(覆って1〜2分待つ:多くの製品は誤動作防止の応答遅延を持ちます)。
照度センサー施工チェックリスト
- センサーはAC一次側に入れたか(DC側の場合はDC定格品を使ったか)
- EEスイッチ定格はLED電源合計容量の2倍以上を確保したか(突入電流対策)
- 電源3台以上の一括入切はリレー・電磁接触器経由にしたか
- 受光部に自灯の直接光・反射光が入らない位置を選んだか
- 街灯・隣接看板など外部光源が受光視野に入らないか夜間確認したか
- タイマー併用の場合、センサーとタイマーが直列(AND条件)になっているか
- 日中の消灯・日没後の点灯を両方確認してから引き渡したか
よくある質問
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