仕様選定ガイド

LEDテープのIK等級(耐衝撃性能)とは
体育館・駐車場・屋外で割れない選び方

「IPは見たがIKを見落とした」を防ぐ。IK00〜IK10の衝撃エネルギーと用途別の必要等級を施工業者向けに解説

公開: 2026-06-16 | カテゴリ: LEDテープ仕様選定ガイド

LEDテープのIK等級(耐衝撃性能)選び方
よくある仕様ミス:「防水(IP)は確認したのに、ぶつかって割れた・へこんだ」

屋外サイン・体育館・駐車場・床見切りなどの現場で、IP等級(防水・防塵)だけを確認してIK等級(耐衝撃)を見落とすケースが多発しています。IPとIKはまったく別の規格で、いくら防水でもボール・台車・車両・蹴り・いたずらの衝撃でカバーが割れれば一発で浸水・点灯不良になります。物が当たる現場では両方を必ず確認してください。

IK等級とは(IEC 62262)

IK等級は、照明器具やカバーが外部からの機械的衝撃(ぶつかり・落下・打撃)にどこまで耐えるかを表す国際規格(IEC 62262 / JIS C 0920に関連)です。「IK」のあとに続く2桁の数字が大きいほど耐衝撃性が高く、規格上の上限はIK10(衝撃エネルギー20ジュール)です。

試験は規定の質量のハンマー(おもり)を規定の高さから落として与える衝撃エネルギー(単位:ジュール/J)で定義されます。施工業者が押さえるべきポイントは「IK値=何ジュールの衝撃まで壊れないか」という1点です。

基本原則:IK等級は「LEDテープ単体」ではなく「テープ+保護カバー(アルミプロファイル+ポリカ等)」のシステム全体で決まる。
むき出しのテープは耐衝撃性ほぼゼロ(IK00相当)。物が当たる場所は、テープ本体の防水とは別に「カバーが割れない・外れない」ことを設計してください。

IK等級 早見表(衝撃エネルギーと落下試験条件)

IK等級 衝撃エネルギー 試験条件(おもり質量×落下高さ・目安) 想定される設置場所 LEDテープでの推奨
IK00〜01 保護なし〜0.14J むき出しテープ・接触のない隠蔽部 衝撃のある場所NG
IK02 0.2J 0.2kg ×(約100mm) 手の届かない高所の天井間接照明 屋内・非接触のみ
IK03〜04 0.35〜0.5J 0.25kg ×(約140〜200mm) コーブ照明・高所壁面 屋内・高所向け
IK06 1J 0.25kg ×(約400mm) 人の手が触れる腰高の壁面 一般室内・接触あり
IK07 2J 0.5kg ×(約400mm) 屋外低位置サイン・公共空間の壁面 屋外・人通り多い
IK08 5J 1.7kg ×(約300mm) 体育館壁面・駐車場・台車動線 衝突リスクあり推奨
IK09 10J 5kg ×(約200mm) スポーツ施設・車路・公共設備 高衝撃環境推奨
IK10 20J 5kg ×(約400mm) 床埋込・段鼻・フォークリフト周辺・破壊対策 最高保護・床/車両近接

※試験条件(おもり質量×高さ)はIEC 62262に基づく代表値の目安です。製品によって試験方法・表記が異なる場合があるため、最終的にはメーカーの仕様書・試験成績書を確認してください。

用途別・必要IK等級の判断早見表

必要なIK等級は「設置高さ」「人や物が触れる・ぶつかる可能性」「ボール・台車・車両の衝突有無」で決まります。現場で迷ったら以下を基準にしてください。

設置場所・現場 想定される衝撃 推奨IK カバー・保護の考え方
天井裏・コーブ内(手が届かない) ほぼなし IK02〜03 放熱・防塵優先。耐衝撃は最小で可
店舗・住宅の腰高〜目線の壁面 人の接触・荷物 IK06〜07 アルミプロファイル+ポリカカバー
屋外低位置サイン・袖看板の足元 蹴り・台車・いたずら IK07〜08 IP65以上+IK08を併用
体育館・スポーツ施設(ボールが当たる高さ) ボール直撃・プレーヤー接触 IK08〜10 乳半ポリカ+金属フレームで面保護
駐車場・車路・搬入動線 車両・台車・カートの衝突 IK08〜10 低位置はガード材も併用
床埋込・階段段鼻・通路ライン 踏みつけ・キャスター荷重 IK10 荷重対応の埋込プロファイル必須
工場・倉庫(フォークリフト周辺) 重量物・車両の接触 IK10+物理ガード IKだけに頼らず防護柵・離隔も

必要IK等級を決める判断フロー

現場での必要IK判定 3ステップ

① 設置高さは? 2.5m超で手が届かない → IK02〜04でも可 手・体が触れる高さ → IK06以上 ② ぶつかる「物」はあるか? ボール・スポーツ → IK08〜10 台車・カート・車両 → IK08〜10 踏む・床・段鼻 → IK10 ③ 屋外 or いたずら懸念は? 屋外低位置・公共部 → IK07以上 + IP65以上 破壊行為の懸念 → IK10 + 物理ガード併用 → ①〜③で最も高いIK値を採用する

【判定例】体育館の壁面・床から2.0mの位置にライン照明 → ①触れない高さだが ②バレーボールが当たる高さ → IK08〜10を採用。乳半ポリカ+金属フレームで面で受ける構造とし、端部キャップが衝撃で外れない固定にする。

IK等級を確保する3つの施工ポイント

最優先

カバー材の選定(ポリカ>アクリル)

耐衝撃はポリカーボネートが圧倒的に有利。アクリルは透明度は高いが衝撃で割れやすく低温で脆くなる。物が当たる場所は乳半ポリカ+アルミプロファイルを基本にする。

必ず確認

固定と端部処理

IK値はカバーが「割れない」だけでなく「外れない」ことも前提。クリップ・ビス・端部キャップが衝撃で脱落しないよう、メーカー指定の固定ピッチを守る。

環境条件

IK+IP+物理ガードの併用

IK等級だけに頼らない。屋外は防水(IP65以上)と両立させ、車両・重量物の近接部は防護柵やガード材で物理的に衝撃を遠ざける多重防御が安全。

IK等級・代表値の早見データ

20J
IK10(最高保護)
床埋込・段鼻・車両近接
5kg相当を高所から落下
5J
IK08(衝突対策)
体育館・駐車場・台車動線
業務施設の標準ライン
2J
IK07(屋外低位置)
屋外サイン足元・公共壁面
IP65以上と併用
1J
IK06(接触あり室内)
腰高壁面の間接照明
一般店舗・住宅向け

施工前チェックリスト

IPとIKを混同しないための整理

項目 IP等級 IK等級
規格 IEC 60529 IEC 62262
守る対象 粉塵・水の侵入 機械的衝撃(ぶつかり)
表記例 IP65 / IP67 / IP68 IK07 / IK08 / IK10
大きいほど 防塵・防水が高い 衝撃に強い
確認すべき現場 屋外・水回り・厨房 体育館・駐車場・床・公共部

よくある質問

Q. IK等級とIP等級は何が違いますか?
IP等級は防塵・防水(IEC 60529)、IK等級は機械的衝撃に対する保護(IEC 62262)で、まったく別の規格です。両者は独立しているため「IP67だから頑丈」とは限りません。屋外サインや体育館のように物がぶつかる現場では、IPとIKの両方を必ず確認してください。
Q. 体育館やスポーツ施設の壁・天井にLEDテープを使うとき必要なIK等級は?
ボールやプレーヤーが直接当たる高さの壁面・低位置はIK08(5J)〜IK10(20J)を推奨します。手の届かない高所の天井間接照明であればIK02〜03でも実用上問題ありません。ボール競技の当たる範囲は乳半ポリカ+金属フレームでIK10相当まで上げ、アクリルカバー(割れやすい)は避けてください。
Q. LEDテープ単体にIK等級はありますか?
むき出しのテープ単体は保護なし(IK00相当)と考えてください。耐衝撃はアルミプロファイル+ポリカカバーや樹脂封止チューブなど「保護構造を含めたシステム全体」で決まります。仕様書で「テープ+専用カバー」のIK値を確認し、現場ではカバーの固定・端部処理が衝撃で外れないよう施工することが重要です。

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