施工方法ガイド

LEDテープ配線のケーブル太さ(mm²/AWG)
選び方と電流容量計算

「細すぎて過熱・電圧降下」「太すぎてコスト増」を防ぐ。電気工事業者向けケーブル選定の完全手順

公開: 2026-05-31 | カテゴリ: LEDテープ施工ガイド

LEDテープ配線ケーブル太さ選び方
よくある施工ミス:「電源容量は足りているのに配線が熱くなる・暗くなる」

LEDテープ施工では電源容量(W・A)だけを確認して配線ケーブルの太さを軽視するケースが多く、細すぎるケーブルによる過熱・絶縁劣化・火災リスク電圧降下による輝度不均一が発生します。電源が正常でも配線が細ければトラブルは起きます。

なぜ配線の太さが重要か

ケーブルには電気抵抗があり、細いほど抵抗値が高くなります。電流が流れると抵抗によって発熱(P = I² × R)電圧降下(V = I × R)が起きます。LEDテープは電圧に敏感なため、配線で1〜2Vの損失が生じると端部が著しく暗くなります。

また、ケーブルが電流容量(定格値)を超えると絶縁被覆が溶け、最悪の場合は火災につながります。LED照明は長時間通電が前提であるため、電流に対して適切なケーブルの選定は安全施工の基本です。

基本原則:ケーブルの定格電流はテープの実際の電流値の125%以上を確保する(実電流は定格の80%以下で使用)。
例:実電流5Aなら定格6.25A以上のケーブルを選ぶ → 0.75mm²(定格7A)が最低ライン、余裕を見て1.25mm²(定格12A)推奨。

AWG・mm²対応表と電流容量

日本市場では断面積(mm²)表記が主流ですが、海外製のLEDテープ製品には AWG(American Wire Gauge)表記のケーブルが付属することがあります。以下の対応表を参照してください。

AWG 断面積(mm²) 外径(概算) 連続定格電流(目安) LEDテープでの用途例 推奨
AWG 22 0.32mm² 約1.4mm 3A以下 信号線・調光器制御線のみ 電源配線NG
AWG 20 0.52mm² 約1.6mm 5A以下 12V低電力テープ(〜3W/m・2m以内) 短距離小電流のみ
AWG 18 0.82mm² 約2.0mm 7A以下 12V〜24V中電力テープ(5W/m以下・5m以内) 汎用標準
AWG 16 1.31mm² 約2.6mm 12A以下 24V高輝度テープ(10W/m前後・10m以内) 業務用推奨
AWG 14 2.08mm² 約3.0mm 20A以下 24V大電力テープ(15W/m以上)・長尺幹線 大電流・長尺対応
AWG 12 3.31mm² 約3.7mm 30A以下 大型看板・複数回路の幹線配線 大規模施工向け

※電流容量は周囲温度30℃・単線・露出配線を想定した目安値です。束線・高温環境・管内配線では定格を下げて計算してください。

電流容量の計算手順

ケーブルサイズ選定 計算式

① テープ全消費電力(W) = W/m × テープ長(m) ② 最大電流(A) = 全消費電力(W) ÷ 電圧(V) ③ 必要定格電流(A) = 最大電流(A) × 1.25(安全率125%) ④ ケーブル選定 = 必要定格電流(A)以上のmm²を上表から選択 電圧降下チェック: ⑤ 往復抵抗(Ω) = (導体抵抗値Ω/m) × 配線長(m) × 2 ⑥ 電圧降下(V) = 最大電流(A) × 往復抵抗(Ω) ⑦ 許容値 = 定格電圧の ±5〜10% 以内

【計算例】24V・8W/m × 10m = 80W → 最大電流 80÷24 = 3.3A → 必要定格 3.3×1.25 = 4.2A
→ AWG18(定格7A)で問題なし。
電圧降下確認:AWG18の導体抵抗≒0.022Ω/m × 10m × 2 = 0.44Ω → 3.3A × 0.44Ω = 1.45V降下
→ 24V × 5% = 1.2V(許容値を若干超過) → 配線を短くするか AWG16 に変更推奨。

用途別・ケーブル選定の目安表

テープ仕様 電圧 長さ 最大電流 推奨ケーブル 備考
4.8W/m(低電力) 12V 2m 0.8A AWG20以上(0.52mm²) カウンター下・棚下の短尺
4.8W/m(低電力) 12V 5m 2.0A AWG18以上(0.82mm²) 間接照明標準施工
9.6W/m(中電力) 12V 5m 4.0A AWG18(0.82mm²) 電圧降下は要計算確認
9.6W/m(中電力) 24V 10m 4.0A AWG18(0.82mm²) 24Vで電流半減・降下少
14.4W/m(高電力) 24V 10m 6.0A AWG16(1.31mm²) 業務用高輝度テープ標準
20W/m(超高電力) 24V 10m 8.3A AWG16(1.31mm²)以上 屋外看板・大型サイン向け
幹線(複数系統集約) 24V 15A超 AWG14(2.08mm²)以上 電源BOXからの主幹線

ケーブル選定の3つの判断ポイント

最優先

電流容量(安全率125%)

計算した最大電流の1.25倍の定格電流を持つケーブルを選ぶ。これが安全施工の絶対条件。ケーブルの発熱・絶縁劣化・火災リスクを防ぐ最重要基準。

必ず確認

電圧降下(配線長×抵抗)

電流容量をクリアしても配線が長い場合は電圧降下を計算する。許容値は定格電圧の±5〜10%以内。超える場合はケーブルを1ランク太く変更するか、電源をテープ近くに設置。

環境条件

周囲温度・配線環境

管内配線・束線・40℃超の高温環境では定格電流を70〜80%にデレーティングする。夏場の屋外・厨房・機械室内では特に注意。高温環境では1ランク上の太さを選ぶ習慣をつける。

配線工事の手順(電源BOXからテープまで)

ケーブル選定チェックリスト

導体抵抗値の参考データ

54.8Ω
AWG20(0.52mm²)/ km
10m配線で往復 ≒ 1.1Ω
5A流すと電圧降下 5.5V
21.8Ω
AWG18(0.82mm²)/ km
10m配線で往復 ≒ 0.44Ω
5A流すと電圧降下 2.2V
13.6Ω
AWG16(1.31mm²)/ km
10m配線で往復 ≒ 0.27Ω
5A流すと電圧降下 1.35V
8.5Ω
AWG14(2.08mm²)/ km
10m配線で往復 ≒ 0.17Ω
5A流すと電圧降下 0.85V

よくある質問

Q. LEDテープ配線に使うケーブルの太さはどう決めればいいですか?
まず「テープ消費電力合計(W)÷ 電圧(V)」で最大電流(A)を計算し、その電流に対応するmm²を選びます。安全率として計算値の125%(=電流の80%運用)のケーブルを選ぶのが基本です。例:12V・50Wのテープなら50W÷12V≒4.2A → 4.2A×1.25=5.2A → AWG18(定格7A)が推奨です。
Q. AWGとmm²はどう換算しますか?AWG18はmm²でいくつですか?
AWG18は約0.82mm²、AWG16は約1.31mm²、AWG14は約2.08mm²、AWG12は約3.31mm²です。日本のVVFケーブル1.6mm径は断面積約2.0mm²でAWG14相当です。LED施工では「AWG18=汎用標準」「AWG16=業務用推奨」「AWG14=大電流・長尺幹線」の使い分けが一般的です。
Q. 同じ電流でも配線が長くなると何が変わりますか?
配線が長くなるほど抵抗が増えるため、電圧降下(V=I×R)が大きくなります。例えばAWG18を5m引いた場合、往復10mの抵抗は約0.22Ω。電流5Aなら電圧降下は1.1V。12Vテープでは許容降下±10%(1.2V以下)をギリギリ超えます。長距離配線ではケーブルを太くするか、電源をテープに近づける配置にしてください。

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