施工事例

ジュエリー・アクセサリーショーケースのLED施工事例
Ra95高演色でダイヤを輝かせる

首都圏ジュエリーショップのショーケース照明リニューアル事例。Ra95高演色COBテープの選定理由・4000Kと3000Kの使い分け・ガラスケース内設置の注意点・発熱対策と調光設計を詳解します。

公開日: 2026-05-01 | LED PRO SHOP

1. ジュエリー照明に求められるスペック

宝飾品・アクセサリーのショーケース照明は、商品の価値を最大限に引き出す「輝き」の演出が最優先です。一般的な店舗照明と大きく異なる3つの要件があります。

ダイヤモンドとRa値の関係

ダイヤモンドは光の分散(ファイア)で輝きを発しますが、Ra80台の照明ではその分散光が正確に再現されません。Ra95照明下ではダイヤの虹色の輝きが際立ち、プロポーションの美しさが視覚的に訴求できます。高単価商品ほど照明品質への投資対効果が高くなります。

2. ゾーン別設計仕様

今回の事例は都内ジュエリーショップ(売り場面積約40㎡)の照明リニューアルです。ダイヤ・プラチナ系/ゴールド系/アクセサリー系の3ゾーンと、エントランス演出を含む4ゾーン構成で設計しました。

Zone A
ダイヤモンド・プラチナショーケース
テープ
COB 24V 10W/m
色温度
4000K
演色性
Ra95
テープ長
16m
消費電力
160W
フレーム
Uチャンネル(通常型)
4000K(白色寄り)はプラチナの冷たい白さとダイヤの輝きを最大化します。Ra95により分光が自然光に近く、ダイヤのファイア(虹色の分散)が際立ちます。ショーケース上部・側面に複数列配置して影のない均一照度を確保。
Zone B
ゴールド・カラーストーンショーケース
テープ
COB 24V 8W/m
色温度
3000K
演色性
Ra95
テープ長
12m
消費電力
96W
フレーム
Uチャンネル(通常型)
3000K(電球色寄り)はゴールドの黄みと暖かみを引き立てます。ルビー・エメラルドなどカラーストーンは光源の色温度が発色に影響するため、Ra95の3000Kで深みと彩度を最大化。アクティブに輝く赤・緑系の宝石との相性が良い。
Zone C
アクセサリー・シルバー系ショーケース
テープ
COB 24V 6W/m
色温度
3500K
演色性
Ra95
テープ長
10m
消費電力
60W
フレーム
Uチャンネル(通常型)
シルバー・チタンのクールなトーンと3500Kのニュートラル白が好相性。アクセサリーは高単価品より点数・バリエーションで魅せる展示が多いため、均一照度で陳列全体を明るく見せることを優先。
Zone D
エントランス・壁面ディスプレイ
テープ
COB 24V 6W/m
色温度
3000K
演色性
Ra90
テープ長
20m
消費電力
120W
フレーム
Tチャンネル(埋め込み型)
エントランスと壁面の間接照明は「高級感・ブランド雰囲気」を演出する役割。Ra90に抑えることでコストを調整しつつ、3000Kの温かみで商品ゾーンへの誘導感を作る。埋め込み型フレームで光源を見せない設計。

全ゾーン合計(40㎡ジュエリーショップ)

58m
総テープ長
436W
合計消費電力
567W
電源総容量(×1.3)
5台
電源装置数
Ra95
主要ゾーン演色性

3. 色温度・演色性の選定根拠

ジュエリーショップで最も議論になるのが「4000Kにするか3000Kにするか」という色温度選択です。今回は商材カテゴリで分けて最適化しました。

商材 推奨色温度 推奨Ra 理由
ダイヤモンド 4000K Ra95 白さ・輝き・ファイアの最大化
プラチナ・シルバー 3500〜4000K Ra95 冷色金属のクリアな質感
ゴールド(K18/K24) 2700〜3000K Ra95 金の暖かみ・深みの引き立て
ルビー・ガーネット 2700〜3000K Ra95 赤系石の彩度・深みを最大化
エメラルド・ターコイズ 3500〜4000K Ra95 緑・青系石の鮮やかさを引き出す
パール 3000K Ra90〜95 真珠の照り(テリ)を温かみで演出
「Ra95」と「Ra90」の見え方の差

Ra90とRa95は数値では5の差ですが、見え方は大きく異なります。特にダイヤモンドや宝石のカラーグレードを訴求する場面では、Ra95の照明下でGIA基準のカラー分類(Dカラー〜Jカラー)の違いが視覚的に確認できます。Ra90ではDとFの差がわかりにくくなる場合があります。

4. ガラスケース内の設置方法と発熱対策

ショーケース内へのLEDテープ設置は一般施工と異なる注意点があります。密閉環境・ガラス反射・メンテナンス性を考慮した設置方法をまとめます。

ケース内設置の基本レイアウト

発熱対策(密閉ケースの注意点)

ガラスケースは内部温度が上昇しやすく、LEDテープの寿命と安定性に影響します。以下の対策を組み合わせてください。

密閉ケース内の推奨テープ仕様
  • W/m は高くしすぎない(10W/m以上は密閉ケース内では発熱が問題になりやすい)
  • アルミフレームの熱放射面積を最大化(幅広フレームほど有利)
  • ショーケース閉店後は調光50%以下に落とすか消灯する(夜間の熱蓄積防止)

5. 電源設計と容量計算

今回の施工では合計436Wに対して合計567Wの電源容量を確保しました(余裕率1.3倍)。電源は商品ゾーン別に独立させることで調光グループも分けています。

ゾーン 消費W 電源 台数 設置場所
Zone A(ダイヤ・プラチナ) 160W 200W × 1台 1 ケース隣接キャビネット
Zone B(ゴールド系) 96W 120W × 1台 1 ケース隣接キャビネット
Zone C(アクセサリー) 60W 100W × 1台 1 ケース背面
Zone D(エントランス) 120W 150W × 1台 1 天井裏

6. 調光と演出効果

ジュエリーショップの照明は「通常営業」と「商談・接客」の2モードが重要です。

シーン Zone A
ダイヤ
Zone B
ゴールド
Zone C
アクセサリー
Zone D
エントランス
通常営業 100% 100% 80% 70%
商談・試着 100% 100% 50% 80%
撮影・SNS 80% 80% 60% 100%
閉店後(防犯灯) 20% 20% 10% 30%
商談時の演出照明

来客が特定商品を見る際にケース内の他のゾーンを50%に落とすことで、フォーカスしている商品が相対的に際立ちます。照度コントラストを使った「演出調光」はジュエリー販売において成約率に影響するケースがあります。

7. ショーケース照明 選定チェックリスト

確認項目 推奨値・方法
演色性(Ra値) 主要ケースRa95 / エントランスRa90
色温度 商材別に3000K・3500K・4000Kを使い分ける
アルミフレーム 必須(放熱・均一発光)。直貼り禁止
電源の設置場所 ケース外(発熱をケース外に逃がす)
電源余裕率 1.3倍以上(密閉環境での熱安定化)
調光 ゾーン独立PWM調光(シーン別設定)
閉店後の設定 自動タイマーで30%以下に落とす(寿命延長)

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