冷凍・冷蔵倉庫 LED照明施工事例
施工事例 B-66

冷凍・冷蔵倉庫 LED照明施工事例
-30℃低温対応・IP65防水で照明故障ゼロ・62%省エネ達成

延床1,200㎡冷凍冷蔵倉庫のLEDフルリニューアル。-30℃対応COBテープ・IP65防水・DC電源外設置設計で照明故障ゼロを実現。電力62%削減・年間276万円削減の全データを公開。

施工結果サマリー(延床1,200㎡ 冷凍冷蔵倉庫)

62%
電力削減率
276万
年間コスト削減(円)
0件
照明故障(施工後12ヶ月)
-30℃
対応冷凍庫温度
IP65
防水等級(全ゾーン)
1.6年
投資回収期間(目安)

冷凍・冷蔵倉庫の照明が抱える特有の課題

冷凍・冷蔵倉庫は照明にとって最も過酷な環境のひとつです。一般的なLED照明は0℃以上を前提に設計されており、冷凍庫(-18℃〜-30℃)での使用は照明寿命を著しく短縮します。また、結露・霜・清掃水への耐性も必須です。

施工前の問題(食品流通業者の冷凍冷蔵倉庫 延床1,200㎡)

問題発生頻度コスト・リスク
蛍光灯の不点灯(低温による始動不良)月平均4件交換工賃×12ヶ月 = 約48万円/年
安定器の低温結露による絶縁劣化年2件安定器交換 + 電気工事費 = 約30万円/年
蛍光管の寿命短縮(低温環境で通常の1/3)毎月複数本ランプ代 + 高所作業費 = 約36万円/年
霜取り洗浄時の漏電リスク年4回(定期清掃)人身事故・設備損傷リスク(高)
庫内ウォームアップ中の照度不足毎朝作業開始遅延・棚卸精度低下

これらの問題は「照明の頻繁なメンテナンスが避けられない設備コスト」として甘受されてきましたが、低温対応LEDへの切り替えにより一括解決できます。

ゾーン別施工設計

ZONE A
冷凍庫エリア(-25〜-30℃)
色温度: 5000K(昼白色)
演色性: Ra80
使用テープ: COB LEDテープ 400m(低温対応シリコン封止)
消費電力: 4,000W
照度: 300lx(棚作業)/ 500lx(通路)
IP等級: IP65(結露・霜・洗浄水対応)
動作温度: -40℃〜+80℃(シリコン封止COBテープ)
電源配置: 電源ユニットを庫外(常温エリア)に設置、DC24Vケーブルのみ庫内に引き込み
特記: ケーブル貫通部を断熱材で密封し結露・熱漏れを防止
ZONE B
冷蔵庫エリア(0〜+10℃)
色温度: 4000K(白色)
演色性: Ra80
使用テープ: COB LEDテープ 350m
消費電力: 3,500W
照度: 400lx(棚作業・ピッキング)
IP等級: IP65
人感センサー: 各通路入口に設置・無人時10%待機調光
特記: フォークリフト通路とピッキング通路で照度を分けた2段階設計
ZONE C
入出荷ホーム・前室
色温度: 5000K(昼白色)
演色性: Ra80
使用テープ: COB LEDテープ 200m
消費電力: 2,000W
照度: 500lx(荷捌き・検品)
IP等級: IP65(雨・外気・荷捌き水対応)
特記: トラックの荷台照明との兼用で夜間荷受け時の視認性を確保
ZONE D
事務所・休憩室
色温度: 4000K(白色)
演色性: Ra85
使用テープ: COB LEDテープ 80m
消費電力: 800W
照度: 500lx(事務)/ 300lx(休憩)
特記: 人感センサー連動・閉館後20%セキュリティ照明を維持

冷凍庫LEDの設計ポイント:電源を庫外に出す

冷凍庫LED照明で最も重要な設計判断は「電源ユニット(スイッチング電源)を庫内に置かない」ことです。その理由は以下の通りです。

電源ユニットの低温問題

LED電源ユニット内のアルミ電解コンデンサは、低温環境で容量が低下し、電流出力が不安定になります。-20℃以下では容量が最大50%低下することがあり、LED駆動電流が変動してフリッカーや照度低下が発生します。また、冷凍庫内外の温度差による結露がコンデンサ内部を浸食し、早期故障の原因になります。

庫外電源配置の設計

今回の施工では、すべての電源ユニットを冷蔵庫・冷凍庫の扉外(常温エリア)に設置し、DC24Vケーブルのみ防水コネクタで庫内に引き込む設計を採用しました。DC24V配線は低電圧のため、長距離引き込みによる電圧降下を電源出力電圧の微調整で補正しています。

配線長と電圧降下の補正計算(Zone A・最長配線距離40m):
ケーブル断面積2.5mm²・DC24V・負荷電流5A → 電圧降下 ≈ 0.36V
電源出力を24.36Vに設定することで、テープ末端でも24.0Vを確保。
フリッカー・輝度ムラを防止する精密な電圧補正設計。

ケーブル貫通部の断熱処理

庫壁を貫通するDCケーブルは、断熱材の貫通孔を通ります。この貫通孔を適切にシールしないと、冷気漏れ・温気の侵入・結露が発生し、倉庫の冷却効率が低下します。今回の施工では、貫通孔周囲をウレタン発泡材で密封し、その上からステンレス製の防水プレートで固定。断熱性能を損なわない貫通処理を実現しました。

人感センサー×10%待機調光による消費電力の劇的削減

冷蔵倉庫(Zone B)の最大の省エネポイントは、ピッキング作業員が常時全フロアを移動するわけではない点にあります。冷蔵倉庫のレイアウトを調査すると、各通路の平均在人時間は稼働時間の20〜30%程度です。

人感センサーを各通路入口に設置し、人が通過しない通路を自動的に10%待機調光(ほぼ消灯)に切り替えることで、Zone B全体の消費電力を実効値で75%削減できます。センサー検知から満照度までの立ち上がり時間は0.3秒以内(COB LED・DC電源の即時点灯特性)のため、作業効率に影響しません。

ゾーン稼働時間中の平均在人率センサー制御後の実効消費電力
Zone A 冷凍庫(自動倉庫区画)約15%設計電力の23%
Zone B 冷蔵庫(人手ピッキング区画)約25%設計電力の32%
Zone C 入出荷ホーム約60%(荷受け時間帯)設計電力の64%
Zone D 事務所・休憩室約40%設計電力の46%

消費電力・コスト比較(施工前後)

ゾーン施工前(蛍光灯・HID)施工後(COB LED・実効)削減率
Zone A 冷凍庫HID400W×20灯 = 8,000WCOB LED 4,000W → 実効920W(在人15%)88%削減(実効)
Zone B 冷蔵庫蛍光灯150W×40灯 = 6,000WCOB LED 3,500W → 実効1,120W(在人25%)81%削減(実効)
Zone C 入出荷ホーム蛍光灯100W×20灯 = 2,000WCOB LED 2,000W → 実効1,280W36%削減(実効)
Zone D 事務所蛍光灯60W×15灯 = 900WCOB LED 800W → 実効368W59%削減(実効)
合計16,900W3,688W(実効)78%削減(実効)
削減項目年間削減額
電気代削減(年間24時間365日稼働)約168万円/年
ランプ・安定器交換費削減約64万円/年
漏電・故障リスク対応コスト削減約30万円/年
作業遅延・ランプ不点灯による生産性ロス削減約14万円/年
合計年間削減効果約276万円/年

施工コストと投資回収計画

費目金額(税別)
COB LEDテープ(1,030m・IP65シリコン封止)約380万円
DC定電流電源ユニット(庫外設置型・高効率)約98万円
防水コネクタ・断熱貫通処理・ステンレスマウント約52万円
人感センサー・調光コントローラー(各通路)約38万円
施工費(撤去・取付・電気工事・断熱処理)約170万円
合計約738万円
省エネ補助金(省エネ設備投資促進補助金等)▲約184万円(補助率1/4・上限枠目安)
実質負担額約554万円

年間削減効果276万円に対して実質負担554万円。単純回収期間は約2.0年(補助金適用後)。補助金なしでも約2.7年での回収が見込めます。冷凍・冷蔵倉庫は24時間365日稼働が多いため、省エネ効果が特に大きく、投資回収が早い傾向があります。

まとめ:冷凍庫LED化は「電源を庫外に出す」設計が鍵

冷凍・冷蔵倉庫のLED化において「なんでも使えるLED」は存在しません。電源ユニットの低温耐性・庫外設置設計・IP65以上の防水等級・シリコン封止テープの選定という4要素が揃って初めて、「故障ゼロ・省エネ最大化」が実現します。

蛍光灯の低温故障に毎月悩んでいる倉庫オペレーターにとって、LED化は照明コストの削減以上に「メンテナンス作業の解放」という価値をもたらします。当店では冷凍庫・冷蔵庫の低温環境仕様のご相談を承っています。現状の照明品番・庫内温度・通路レイアウトをお知らせいただければ、最適な設計をご提案します。

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