仕様選定ガイド

LEDテープ 銅箔厚の違いと選び方
1oz / 2oz / 3oz が放熱・電圧降下・寿命を左右する

FPC基板の銅箔厚(35μm/70μm/105μm)の見分け方・長尺施工での判断基準・業種別の選び方を施工業者向けに解説

公開: 2026-06-02 | カテゴリ: LEDテープ仕様選定ガイド

見落とされがちなスペック:「銅箔厚(Copper Weight)」

LEDテープを選ぶときチップ種類・W/m・色温度は確認しても、FPC基板の銅箔厚を確認する施工業者は多くありません。しかし銅箔厚は電圧降下・放熱・寿命を直接左右する重要スペックです。同じ24V・同じW/mのテープでも、銅箔が薄ければ末端が暗くなり発熱で劣化が早まります。長尺・高出力の現場ほど差が出ます。

銅箔厚(oz)とは何か

LEDテープのFPC(フレキシブル基板)には電気を流す銅箔の配線があります。この銅箔の厚さを「oz(オンス)」という単位で表します。1ozは「1平方フィートあたり1オンスの銅を広げた厚さ」を意味し、約35μm(マイクロメートル)に相当します。

銅箔が厚いほど配線の断面積が大きくなり、電気抵抗が下がります(抵抗は断面積に反比例)。抵抗が下がると電圧降下が小さくなり、銅箔自体の発熱も減るため、放熱性と寿命が向上します。

換算の目安
1oz = 約35μm / 2oz = 約70μm / 3oz = 約105μm。
2ozは1ozの2倍の厚さなので配線抵抗は約1/2、3ozなら約1/3になります(同じ配線パターンの場合)。

1oz / 2oz / 3oz スペック比較表

銅箔厚による特性の違いを、施工現場で効いてくる項目で整理しました。テープのW/m・配線パターン・幅によって実値は変わるため、仕様書の確認を前提とした傾向比較です。

銅箔厚 厚さ 配線抵抗(相対) 電圧降下耐性 放熱性 適した用途
1oz 約35μm 基準(×1.0) 標準 標準 短尺・低出力の間接照明(〜5W/m・〜3m)
2oz 約70μm 約1/2 高い 高い 長尺・中〜高出力の業務用(5〜15W/m)
3oz 約105μm 約1/3 非常に高い 非常に高い 高出力・長尺・連続点灯(15W/m超・看板内照)

銅箔厚が電圧降下に効く仕組み(計算で確認)

配線抵抗と電圧降下の関係

配線抵抗 R(Ω)= 抵抗率 × 配線長 ÷ 断面積 → 断面積は銅箔厚に比例 → 厚さ2倍で抵抗1/2 電圧降下 V = 電流 I × 配線抵抗 R

例:24V・10W/m × 5m = 50W → 電流 50W÷24V ≒ 2.1A
1oz基板の往復抵抗を仮に2.0Ωとすると → 電圧降下 2.1A × 2.0Ω = 4.2V(末端19.8V)
同条件を2oz化すると往復抵抗 約1.0Ω → 電圧降下 2.1A × 1.0Ω = 2.1V(末端21.9V)
→ 銅箔を厚くするだけで末端電圧が約2V改善=末端の暗さが大幅に軽減

※ 上記は配線抵抗を単純化した試算です。実際の抵抗はテープの配線パターン・幅・ハーネス断面積で変わるため、長尺施工では仕様書の値または実測で確認してください。

銅箔厚はこう選ぶ(用途別の判断基準)

短尺・低出力
1oz

間接照明・棚下・短尺装飾

3m以内・5W/m以下の低出力間接照明なら1ozで十分。コストが抑えられ、電圧降下も問題になりにくい。住宅・小規模店舗の装飾照明向け。

標準業務用
2oz

長尺の間接照明・什器・コーブ照明

5〜15m級の長尺施工や5〜15W/mの中〜高出力には2ozが標準。電圧降下と発熱の両面で余裕が生まれ、業務用施工の安心ラインになる。

高出力・連続点灯
3oz

看板内照・高天井・24時間点灯

15W/m超の高出力や常時点灯の看板内照・施設照明には3oz。発熱を抑えてLED寿命を確保し、長尺でも輝度の均一性を保ちやすい。

放熱と寿命の関係

LEDの寿命はジャンクション温度(チップ内部の温度)に大きく依存します。一般にチップ温度が10℃上がると寿命が約半分になると言われ、温度管理は長寿命施工の要です。

銅箔は配線であると同時にヒートシンク(放熱経路)としても働きます。厚い銅箔ほど熱を横方向に逃がす能力が高く、LED直下の温度上昇を抑えます。アルミフレームに取り付ける施工では、銅箔厚+アルミ放熱の組み合わせで寿命がさらに安定します。

現場での判断のコツ
点灯後10〜30分でテープ表面を触り、「熱くて長く触れない」レベルなら放熱不足のサイン。アルミフレーム追加・銅箔の厚いテープへの変更・W/mを下げる、のいずれかで対策します。

銅箔厚の確認チェックリスト(発注前)

まとめ:銅箔厚は「長尺・高出力ほど効く」スペック

現場条件 推奨銅箔厚 理由
3m以内・5W/m以下 1oz 電圧降下・発熱とも軽微でコスト優先でよい
5〜15m・5〜15W/m 2oz 抵抗1/2で末端輝度を確保・放熱に余裕
15W/m超・看板内照・常時点灯 3oz 発熱抑制で寿命確保・長尺の均一性

よくある質問

Q. LEDテープの銅箔厚は何で見分けられますか?
外観だけで正確に見分けるのは困難ですが、メーカー仕様書の「Copper Weight」「銅箔厚」欄に1oz・2oz・3oz(または35μm・70μm・105μm)として明記されています。仕様書がない場合、同じ消費電力・同じ長さで末端の輝度低下が小さいテープほど銅箔が厚い傾向です。長尺施工や高出力テープでは仕様書で2oz以上を確認することを推奨します。
Q. 銅箔が厚いと施工にどんなメリットがありますか?
銅箔が厚いほど配線抵抗が下がるため、電圧降下が小さくなり末端の輝度低下を抑えられます。1ozから2ozにすると配線抵抗が約半分になり、同じ長さでも均一な明るさを保ちやすくなります。また放熱性が向上してLEDのジャンクション温度が下がり、寿命が延びる効果もあります。長尺・高出力・連続点灯の現場ほど効果が大きくなります。
Q. 薄い銅箔のテープを長尺で使うとどうなりますか?
1ozの薄い銅箔テープを高出力・長尺で使うと、配線抵抗が大きいため末端が暗くなる電圧降下が顕著になり、銅箔自体も発熱して劣化が早まります。発熱はLEDの寿命低下や、ひどい場合は基板の変色・剥離につながります。5m超えや10W/m以上の高出力タイプでは2oz以上を選ぶか、両端給電・中間給電で補うのが安全です。

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