FPC基板の銅箔厚(35μm/70μm/105μm)の見分け方・長尺施工での判断基準・業種別の選び方を施工業者向けに解説
LEDテープを選ぶときチップ種類・W/m・色温度は確認しても、FPC基板の銅箔厚を確認する施工業者は多くありません。しかし銅箔厚は電圧降下・放熱・寿命を直接左右する重要スペックです。同じ24V・同じW/mのテープでも、銅箔が薄ければ末端が暗くなり発熱で劣化が早まります。長尺・高出力の現場ほど差が出ます。
LEDテープのFPC(フレキシブル基板)には電気を流す銅箔の配線があります。この銅箔の厚さを「oz(オンス)」という単位で表します。1ozは「1平方フィートあたり1オンスの銅を広げた厚さ」を意味し、約35μm(マイクロメートル)に相当します。
銅箔が厚いほど配線の断面積が大きくなり、電気抵抗が下がります(抵抗は断面積に反比例)。抵抗が下がると電圧降下が小さくなり、銅箔自体の発熱も減るため、放熱性と寿命が向上します。
換算の目安
1oz = 約35μm / 2oz = 約70μm / 3oz = 約105μm。
2ozは1ozの2倍の厚さなので配線抵抗は約1/2、3ozなら約1/3になります(同じ配線パターンの場合)。
銅箔厚による特性の違いを、施工現場で効いてくる項目で整理しました。テープのW/m・配線パターン・幅によって実値は変わるため、仕様書の確認を前提とした傾向比較です。
| 銅箔厚 | 厚さ | 配線抵抗(相対) | 電圧降下耐性 | 放熱性 | 適した用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1oz | 約35μm | 基準(×1.0) | 標準 | 標準 | 短尺・低出力の間接照明(〜5W/m・〜3m) |
| 2oz | 約70μm | 約1/2 | 高い | 高い | 長尺・中〜高出力の業務用(5〜15W/m) |
| 3oz | 約105μm | 約1/3 | 非常に高い | 非常に高い | 高出力・長尺・連続点灯(15W/m超・看板内照) |
例:24V・10W/m × 5m = 50W → 電流 50W÷24V ≒ 2.1A
1oz基板の往復抵抗を仮に2.0Ωとすると → 電圧降下 2.1A × 2.0Ω = 4.2V(末端19.8V)
同条件を2oz化すると往復抵抗 約1.0Ω → 電圧降下 2.1A × 1.0Ω = 2.1V(末端21.9V)
→ 銅箔を厚くするだけで末端電圧が約2V改善=末端の暗さが大幅に軽減
※ 上記は配線抵抗を単純化した試算です。実際の抵抗はテープの配線パターン・幅・ハーネス断面積で変わるため、長尺施工では仕様書の値または実測で確認してください。
3m以内・5W/m以下の低出力間接照明なら1ozで十分。コストが抑えられ、電圧降下も問題になりにくい。住宅・小規模店舗の装飾照明向け。
5〜15m級の長尺施工や5〜15W/mの中〜高出力には2ozが標準。電圧降下と発熱の両面で余裕が生まれ、業務用施工の安心ラインになる。
15W/m超の高出力や常時点灯の看板内照・施設照明には3oz。発熱を抑えてLED寿命を確保し、長尺でも輝度の均一性を保ちやすい。
LEDの寿命はジャンクション温度(チップ内部の温度)に大きく依存します。一般にチップ温度が10℃上がると寿命が約半分になると言われ、温度管理は長寿命施工の要です。
銅箔は配線であると同時にヒートシンク(放熱経路)としても働きます。厚い銅箔ほど熱を横方向に逃がす能力が高く、LED直下の温度上昇を抑えます。アルミフレームに取り付ける施工では、銅箔厚+アルミ放熱の組み合わせで寿命がさらに安定します。
現場での判断のコツ
点灯後10〜30分でテープ表面を触り、「熱くて長く触れない」レベルなら放熱不足のサイン。アルミフレーム追加・銅箔の厚いテープへの変更・W/mを下げる、のいずれかで対策します。
| 現場条件 | 推奨銅箔厚 | 理由 |
|---|---|---|
| 3m以内・5W/m以下 | 1oz | 電圧降下・発熱とも軽微でコスト優先でよい |
| 5〜15m・5〜15W/m | 2oz | 抵抗1/2で末端輝度を確保・放熱に余裕 |
| 15W/m超・看板内照・常時点灯 | 3oz | 発熱抑制で寿命確保・長尺の均一性 |