製品活用ガイド

冷蔵・冷凍倉庫向けLEDテープの選び方
低温の動作温度・結露・電源配置の要点

低温対応の動作温度範囲・IP67/68防水と結露/着霜対策・電源を常温側に出す配線を施工業者向けに解説

公開: 2026-06-04 | カテゴリ: LEDテープ製品活用ガイド

よくある施工トラブル:「冷凍庫に付けたら数か月で剥がれ・不点灯」

冷蔵ショーケースや冷凍倉庫にLEDテープを使うと、低温で粘着が効かず剥がれる結露と霜取りの繰り返しで水分が侵入してショート/腐食する庫内に置いた電源が低温で寿命短縮・始動不良という3つのトラブルが起きがちです。常温の店内と同じ感覚で施工すると短期間で不具合になります。低温環境は専用の選定と固定・防水・電源配置がカギです。

低温環境でLEDテープに起きること

意外に思われますが、LEDチップ自体は低温に強い方です。温度が下がると発光効率が上がり、寿命にも有利に働きます。問題になるのは半導体ではなく、テープを構成する周辺の材料と水分です。

低温では、貼り付け用の粘着テープの密着力が大きく低下して剥がれやすくなり、シリコンコーティングや配線被覆が硬化・ひび割れを起こします。さらに庫内特有の結露・着霜(霜付き)がカット端・はんだ部・コネクタに侵入し、霜取り運転の温度変化と相まってショート・腐食・不点灯を招きます。

低温施工の3本柱:①動作温度範囲がその庫内温度をカバーする低温対応品を選ぶ ②IP67以上の防水+カット端/はんだ部の完全シールで水分侵入を断つ ③電源・コネクタは庫外の常温側に出す。この3つが揃って初めて長期安定します。

環境温度帯別の選定目安

用途・温度帯 必要な動作温度 推奨防水等級 固定方法 電源位置
冷蔵ショーケース(0〜5℃) −20℃〜対応 IP65〜67 低温両面+フレーム 庫外/常温側
冷蔵庫・チルド室(−5〜5℃) −20℃〜対応 IP67 アルミフレーム固定 庫外/常温側
冷凍倉庫(−18〜−25℃) −30℃〜対応必須 IP67〜68 フレーム+クリップ機械固定 庫外必須
超低温倉庫(−40℃前後) −40℃対応の専用品 IP68 全長機械固定 庫外必須

低温対応LEDテープの選定ポイント

動作温度範囲を必ず確認

「使用温度」ではなく「動作(通電)温度の下限」が庫内最低温度(霜取り後の変動も含む)を下回る製品を選ぶ。−20℃止まりの汎用品を冷凍庫に使わない。

IP67以上+端部シール

結露・着霜の水分を防ぐためIP67以上(冷凍はIP68推奨)。さらにカット端・はんだ部は防水コーティングやシールで完全に塞ぐ。防水等級だけでは切断端は守れない。

機械固定を前提にする

低温で粘着は効きにくい。低温対応両面テープを使ったうえで、アルミフレーム・クリップ・ネジ等で機械的に固定し、剥がれと垂れを防ぐ。

電源・接続は常温側へ

電源・コネクタ・調光器は低温に弱い。庫内へはDC配線のみを通し、機器は庫外の乾いた常温位置に集約する。保守の出入りも減らせる。

結露・着霜への防水処理手順

低温での電力・電源容量の考え方

LED合計電力(W) = W/m × 全長(m) 電源容量 = LED合計電力 ÷ 0.8(余裕率80%運用) ※注意:電源は庫外(常温)配置が前提。 庫内配置時は電源の動作下限温度を必ず確認 (多くは0℃〜/−10℃〜で冷凍庫は仕様外)

例:24V・6W/m × 8m = 48W → 電源容量 48W ÷ 0.8 = 60W以上
電源は庫外の常温側に設置し、庫内へはDC24Vの配線のみを通す。

低温施工の機器・部材チェック

LEDテープ

動作下限庫内最低温以下
防水等級IP67〜68
端部完全シール

固定・配線

固定機械固定併用
両面テープ低温対応品
貫通部気密シール

電源・接続

電源位置庫外/常温側
コネクタ常温側に集約
庫内DC配線のみ

施工前・引渡し前チェックリスト

よくある質問

Q. 冷凍倉庫(−25℃前後)でも普通のLEDテープは使えますか?
一般的なLEDテープの多くは動作温度の下限が−20℃前後までで、それ以下では仕様外になります。LEDチップ自体は低温で発光効率がむしろ上がり寿命にも有利ですが、問題になるのは粘着テープの密着力低下による剥がれ、シリコンコーティングや配線被覆の硬化・ひび割れ、はんだ部の機械的ストレスです。−25℃や−40℃といった冷凍環境では、必ずメーカーの動作温度範囲がその温度をカバーする低温対応品を選び、貼り付けは粘着だけに頼らず低温対応両面テープ+アルミフレームやクリップで機械的に固定してください。
Q. 冷蔵・冷凍庫内のLEDで一番のトラブルは何ですか?
結露と着霜(霜付き)です。庫内の冷えた面に湿った空気が触れると結露し、霜取り(デフロスト)運転で温度が上下するたびに凍結と融解を繰り返します。この水分がカット端・はんだ部・コネクタに侵入すると、ショート・腐食・不点灯の原因になります。対策はIP67以上(できればIP68)の防水テープを使い、カット端とはんだ部を防水コーティングで完全に塞ぐこと、コネクタは庫内に置かず常温側に出すこと、配線の貫通部をパテやグロメットで気密シールして庫内の湿気が外に逃げる/外気が入る経路を断つことです。
Q. 電源(PSU)は冷凍庫の中と外、どちらに置くべきですか?
原則として電源は庫外の常温側に置きます。スイッチング電源は低温に弱い電解コンデンサを内蔵しており、多くの製品の動作下限は0℃や−10℃程度で、冷凍庫内では仕様外になり寿命短縮・始動不良の原因になります。庫内に通すのはDC低電圧の配線だけにし、電源・コネクタ・調光器は庫外の乾いた常温位置にまとめると、保守時の出入りも最小限で済みます。やむを得ず庫内側に機器を置く場合は、低温対応を明記した製品を選び、結露対策の密閉ボックスに収めてください。

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