この記事の狙い:間接照明の見栄えは「光源と配線がどれだけ見えないか」で決まります。テープ本体は折り上げ天井や見切りの裏に隠せても、電源・延長ケーブル・ジョイントの隠し方を間違えると、電圧降下・放熱不良・保守不能というトラブルに直結します。隠す技術と「あとで触れる」両立のコツをまとめました。
「隠す3要素」を分けて考える
隠蔽配線は一括りにせず、隠す対象を3つに分けると設計が崩れません。それぞれ隠し方と注意点が違います。
① テープ本体
見切り裏
折り上げ・コーニス・見切り材の裏に。放熱と光の抜け(ドット感)を両立。
② 配線・延長
ふところ内
2次側延長ケーブルでテープと電源を離す。距離は電圧降下計算に加算。
③ 電源・接続
点検口付近
電源とジョイントは交換・点検できる位置に。埋め殺し厳禁。
電源とテープを離す(2次側延長)の基本
テープを見せたい位置に置き、電源は天井裏や点検口の近くに隠す——この分離は2次側(DC側)の延長ケーブルで行います。電源1次側(AC100V)の延長は電気工事の範囲なので、隠蔽でも有資格者が施工します。
落とし穴:延長分も電圧降下に効く
「テープは5mだから余裕」と思っても、電源からテープまでの延長が10mあれば、その往復20m分の抵抗が電圧降下に乗ります。隠蔽で電源を遠ざけるほど降下が増えるため、延長は必要最小限にし、太めのケーブルを使うか24V以上のテープを選びます。
延長を含めた電圧降下の考え方
電圧降下(V)= 電流(A)× ケーブル抵抗(Ω/m)×(延長長 × 2)
電流(A)= テープ消費電力(W)÷ 電圧(V)
→ 延長が長いほど降下大。降下が定格の±10%を超えるなら
・ケーブルを太く(断面積アップ)
・電源をテープ寄りに移す
・24V/48Vテープに変更
例:24V・48Wテープ(電流2A)を、電源から8m延長して給電。
ケーブル0.1Ω/m ×(8m×2)= 1.6Ω → 降下 2A × 1.6Ω = 3.2V(24Vの±10%=2.4Vを超過)
→ ケーブルを太くするか電源を近づける。「延長=ただの配線」ではない。
ふところ内に隠すときの放熱・離隔
天井裏(ふところ)や狭い見切り内にテープ・配線を押し込むと、熱がこもって輝度低下・変色・寿命短縮を招きます。隠蔽時ほど放熱設計が重要です。
| 項目 |
NG施工 |
推奨 |
理由 |
| テープの放熱 |
断熱材に直貼り |
アルミプロファイルに貼る |
金属で熱を逃がす。樹脂・断熱材は熱がこもる |
| 断熱材との関係 |
断熱材で覆う/埋める |
離隔を取る・覆わない |
密着で温度上昇。低W/m品の選定も有効 |
| 電源の設置 |
断熱材内に埋め殺し |
放熱スペース確保+点検口近く |
電源は発熱・寿命部品。交換前提で配置 |
| ケーブルの固定 |
テープ糊面でべた貼り |
サドル/インシュロックで固定 |
自重・振動でジョイントに張力をかけない |
隠蔽配線の施工手順
- 割り付けを先に決める。テープ位置・電源位置・ジョイント位置・点検口位置を図面に落とし、隠す箇所と触れる箇所を区別する。
- テープを貼る面にアルミプロファイルを取り付ける。放熱と直線性を確保し、見切り裏でも熱を逃がせるようにする。
- 電源は点検口の近くに固定する。断熱材で覆わず、周囲に放熱スペースを確保する。
- 電源からテープまでを2次側延長ケーブルで配線し、サドルやインシュロックでふところ内に固定する(テープ糊面での固定は不可)。
- テープ同士の接続ははんだ+熱収縮チューブを基本とする。差込コネクタを使う場合は隠蔽せず点検口側に配置する。
- 結線後、隠す前に全点灯・全長の輝度・色を確認する。隠してからの手直しは天井解体になるため、ここで必ず確認する。
- ジョイント・電源の位置を図面(施工記録)に残す。後日の保守で「どこに何があるか」を辿れるようにする。
「触れなくなる」失敗を防ぐ点検口の考え方
隠蔽配線の最大の失敗は「キレイに隠したが、不点灯になったとき手が入らない」ことです。LEDテープで故障・劣化しやすいのは電源・ジョイント・コネクタの3点。これらは必ず「触れる側」に置きます。
- 電源は点検口・天井点検口・什器の取り外せるパネル付近に配置した
- ジョイント(接続部)は隠蔽せず点検口側、または隠す場合は真上に点検口を設けた
- 隠蔽部の接続は差込コネクタでなく、はんだ+熱収縮にした
- テープ本体はアルミプロファイル等の放熱材に貼り、断熱材で覆っていない
- 延長ケーブルの距離を電圧降下計算に含め、±10%以内に収めた
- 隠す前に全点灯・全長の輝度・色ムラ・ドット感を確認した
- 電源・ジョイント・系統の位置を施工記録(図面)に残した
よくある質問
Q. LEDテープの電源(ACアダプター)を天井裏に隠して、テープだけ見える位置に出すことはできますか?
できます。テープと電源は2次側の延長ケーブルで離せるため、電源を点検口の近くやふところ内に置き、テープへは延長ケーブルだけを伸ばす設計が一般的です。ただし延長分も配線距離に加わり電圧降下が増えるので、テープ長と延長長を合わせて計算してください。また電源(直流電源装置)は発熱・寿命部品・PSE対象品のため、完全に取り出せない場所への埋め殺しは避け、点検口の近くに配置して交換できるようにします。
Q. テープとテープのジョイント(中継コネクタ)を天井裏に隠しても大丈夫ですか?
見栄えのためにジョイントを隠すのは一般的ですが、接触不良が起きやすい箇所のため「二度と触れない場所」への完全隠蔽は避けてください。差込式コネクタは経年や振動で緩む可能性があり、はんだ+熱収縮の方が隠蔽部には安心です。やむを得ず隠す場合は、その真上・近くに点検口を設ける、接続位置を図面に残す、はんだ接続にする、のいずれかで保守性を確保します。
Q. 天井裏(ふところ)にLEDテープや電源を入れると熱はこもりませんか?
断熱材や狭いふところに密着させると放熱できず、テープの輝度低下・変色・寿命短縮、電源の保護停止につながります。テープはアルミプロファイル等の放熱材に貼って熱を逃がし、断熱材に直接埋めない・密着させないのが原則です。電源も周囲に放熱スペースを確保し、断熱材で覆わないでください。高W/mテープほど発熱が大きいので、隠蔽環境では低めのW/mを選ぶのも有効です。
隠蔽施工に使うアルミフレーム・延長ケーブルを探す
放熱用アルミプロファイル、延長ケーブル、コネクタ、24V/48Vテープライトを取り扱っています
商品ラインナップを見る