施工事例

居酒屋・飲食店のLED照明施工事例
2700K低照度演出で客単価12%アップと電力44%削減を両立

📅 2026年5月1日 ⏱ 読了約9分 🏷 施工事例 🏢 居酒屋チェーン 100席
「飲食店の照明はとにかく安ければ良い」という時代は終わりました。 照明設計が客単価と滞在時間を直接左右することは、飲食業界では広く知られています。 2700K低照度設計で客単価が12%以上向上した実績がある一方、適切な演色性なしでは料理が不味そうに見えて逆効果になります。 本稿では100席規模の居酒屋チェーン店の全面LEDリニューアル事例を、電力データ・施工仕様・実測効果まで包み隠さず公開します。

1. 施工物件概要

330㎡
延床面積
100席
客席数(テーブル70・カウンター30)
4ゾーン
照明ゾーン構成
44%
電力削減率
12%
客単価向上(6ヶ月後実測)
18分
平均滞在時間延長

改修前の課題:蛍光管直付け2本で均一に明るい「ファミレス的な光」が問題でした。オーナーから「明るすぎて飲み会の雰囲気が出ない」「料理は明るく見せたいが落ち着かない」という相談でした。

リニューアルのコンセプトは「料理に当たる光はRa90以上で鮮度感を担保しつつ、空間全体の雰囲気照度を下げて居心地を高める」という二軸設計です。

2. 飲食店照明の色温度基礎知識

2200K — 超暖色(囲炉裏・キャンドル)
個室・VIPブース向け。非常に落ち着いた雰囲気。料理の赤みが強調されすぎるためRa85以上で補正が必要。滞在時間の延長効果が最大。
2700K — 暖色(白熱球相当)
居酒屋テーブル席のスタンダード。肉・揚げ物が美味しそうに見える赤みの演出。Ra90以上で料理の自然な色が引き立つ。滞在時間と客単価の双方に好影響。
3000K — 温白色(ハロゲン相当)
エントランス・カウンター向け。2700Kより明るく見え、活気ある雰囲気を出しながら温かみを保つ。刺身・魚介類の鮮度感向上に適した色温度。
4000K — 白色(蛍光灯相当)
厨房・バックヤード・調理スペース向け。青みがかった光で作業効率を維持。客席には使わない。食材の色が「本当の姿」に近く見える。
Ra値(演色性)の重要性:同じ2700Kでも、Ra80の蛍光灯と Ra90のLEDテープでは料理の見え方が大きく違います。Ra80以下では肉の赤みが褪せて見え、刺身の輝きが失われます。居酒屋・レストランでは最低Ra85・理想はRa90以上を選ぶことを強く推奨します。

3. ゾーン別施工仕様

ゾーン 場所・用途 色温度 Ra値 消費電力 延長 総電力 目標照度
Zone A エントランス・ホール 3000K Ra90 10W/m 20m 200W 150〜200lx
Zone B テーブル席(70席)
テーブル面・壁面間接
2700K Ra90 8W/m 60m 480W 80〜120lx
(テーブル面150lx)
Zone C カウンター席(30席)
カウンター下・上部棚
2700K Ra90 10W/m 25m 250W 100〜150lx
Zone D 個室・半個室(4室)
天井コーブ・テーブル下
2200K Ra85 6W/m 32m 192W 50〜80lx

全ゾーン COB 24V テープライト採用。フリッカーフリー・DC定電圧電源により料理を撮影した際にも縞模様が入らない。スマートフォン撮影でも美しく見える光は、SNS投稿・口コミ増加にも直結します。

Zone D(個室)の2200K採用は本案件の最大の特徴です。2700Kより赤みが強く、キャンドルのような温かみを演出します。完全個室で外光と混じらない環境だからこそ2200Kが成立します。

4. エネルギー削減データ

ゾーン 改修前(蛍光管) 改修後(COB LED) 削減電力 削減率
Zone A エントランス 380W(Hf32W×10本) 200W 180W 47%
Zone B テーブル席 840W(Hf32W×24本) 480W 360W 43%
Zone C カウンター席 440W(Hf32W×12本) 250W 190W 43%
Zone D 個室 360W(電球60W×6×4室) 192W 168W 47%
合計 2,020W 1,122W 898W 44%
年間電気代削減試算(営業時間16時間・365日):898W × 16h × 365日 × 25円/kWh(目安) ≒ 年間約131,000円削減。初期材工費の回収期間は約4〜5年(照明工事費のみ)。

5. 時間帯別 調光シーン設計

全ゾーンにPWM調光コントローラーを設置し、時間帯・シーンに応じて照度を変化させます。

シーン 時間帯 Zone A
エントランス
Zone B
テーブル
Zone C
カウンター
Zone D
個室
ランチ営業 11:00〜14:00 100% 100% 100% 80%
アイドルタイム 14:00〜17:00 60% 70% 80% 50%
ディナー開始 17:00〜19:00 100% 90% 100% 80%
ディナーピーク 19:00〜21:00 80% 70% 90% 60%
深夜・居酒屋モード 21:00〜閉店 50% 50% 70% 40%
清掃・撤収 閉店後 100% 100% 100% 100%
「深夜・居酒屋モード」の狙い:照度を下げると退席を促すのでは?という心配はご無用です。適度な低照度(50〜70%)は「もう一杯」という心理を引き出す効果があります。実測でZone Bを50%調光した時間帯の追加注文数は、100%時より平均15%高い結果が出ています。

6. リニューアル6ヶ月後の実測効果

+12%
客単価向上
(同期比)
+18分
平均滞在時間延長
44%
電力削減率
4.3→4.7
Google口コミ評価
(雰囲気項目)
+28%
Instagram食事写真
タグ付け投稿増加
0件
「暗い」クレーム
(6ヶ月間)

「暗い」クレームが0件である理由は、テーブル面への直接照射(タスク照明)と空間全体の雰囲気照度(アンビエント照明)を分離した設計にあります。テーブル面には150lxの十分な照度を確保しつつ、視野の周辺(壁・天井・床)は意図的に低照度にしています。

Instagram投稿増加は予想外の副次効果でした。COBのフリッカーフリーにより、スマートフォンの高速シャッターでも縞模様が入らず、料理写真が綺麗に撮れることが口コミで広まりました。

7. 電源・配線の施工仕様

ゾーン テープ総電力 電源容量(×1.2) 電源台数 給電方式
Zone A(20m) 200W 240W以上 300W電源 × 1台 両端給電(10m×2区間)
Zone B(60m) 480W 576W以上 300W電源 × 2台 3区間分割(各20m)
Zone C(25m) 250W 300W以上 300W電源 × 1台 片端給電(24V品で25m以内)
Zone D(32m) 192W 230W以上 200W電源 × 2台 4室各8m独立回路
飲食店の施工で注意すること
厨房蒸気・油分が電源部に付着しないよう、電源は天井裏・壁内のクリーンな場所に設置。テープ末端はシリコンキャップで密封し、清掃時の水分侵入を防ぐ。
個室の2200K電源は独立回路で
個室ごとに独立した電源と調光器を設置。「個室だけ消す」「照度を客の好みに合わせる」運用が可能になり、個室利用客の満足度が上がる。
カウンター下の施工は防護必須
カウンター下は足元で物がぶつかるリスクがある。アルミチャンネル+透明カバー(またはシリコンチューブタイプ)でテープを保護する。IP44品を推奨。

8. 飲食店照明で失敗しないための注意点

❌ Ra80品で肉・刺身を照らした
Ra80以下では肉の赤みが褪せ、刺身の透明感が失われる。「料理が美味しそうに見えない」とレビューに書かれた事例あり。飲食店はRa90以上を必ず選ぶ。
❌ 全体を2200Kにした
極端に暗く赤みが強いと「ムーディーすぎて気持ち悪い」という感想になることがある。テーブル面のタスク照明に100lx以上を確保し、低照度は空間光のみに使う。
❌ 調光なしの100%固定設計
ランチとディナーで同じ照度では、夜の雰囲気が出ない。調光コントローラーとPWM対応電源のセット投資は、数万円で客単価12%向上というROIが出る可能性がある。
❌ SMDテープで天井コーブを作った
コーブ照明の反射面にSMDを使うと、天井に素子の点々が映り「安っぽい」印象を与える。間接光にはCOBが絶対的に有利。

飲食店向け COB 24V テープライトのご相談

Ra90・2700K〜3000K・調光対応品を取り揃えています。
ゾーン別の電源計算・施工仕様のご相談もお気軽にどうぞ。

製品カタログを見る