2,200㎡のシネコンを全館COBテープ照明に換装。シアター客席からコンコース・フードコートまで10段階シーン調光プログラムで演出と省エネを両立。DMX512対応・フリッカーレス設計。
6スクリーンを擁するシネコンで、上映中に客席の照明が突然点滅するトラブルが相次いでいた。原因は経年劣化した蛍光灯の安定器不良で、上映を中断して謝罪対応が続く事態となっていた。観客クレームと返金対応のコストが積み重なるなか、施設管理者はLED全面移行の決断を下した。
映画館特有の難題がある。客席内は漆黒に近い暗さから一瞬で明転する「シーン調光」が求められ、フリッカー(ちらつき)は映像体験を台無しにする。さらにフードコートや廊下は14時間連続点灯という過酷な運用環境に耐えなければならない。映画の世界に没入できる照明と、施設運営を支える堅牢な省エネ設備の両立が求められた。
「上映中のトラブルがゼロになったのが一番大きい。電力コストも年間130万円以上削減できて、投資した甲斐がありました。DMX制御でシーンが切り替わるたびに客席の雰囲気が変わるのが、お客様にも好評です」
— 都市型シネコン 施設管理責任者
映画館のLED化で多い失敗が「フリッカー対策を後回しにする」ことです。一般的な家庭用LEDや安価な業務用品は、調光時にフリッカーが発生しやすく、映像コンテンツの視聴中にちらつきが目立ちます。特に暗転シーンでのごく低照度調光(1〜5%)に対応できない製品を使うと、スクリーン周辺に光が漏れ込んで没入感を著しく損ないます。PWM制御対応・フリッカーフリー仕様を必ず確認してください。
| ゾーン | 用途 | 照明仕様 | 消費電力 | 照度・演色 | 特記事項 |
|---|---|---|---|---|---|
| Zone A | シアター客席(6スクリーン) | 調光COBテープ 10W/m × 360m |
720W実効 (調光20%平均) |
上映中3lx〜入退場時200lx / Ra90 / 3000K | DMX512対応・10段階シーンプログラム・フリッカーレス |
| Zone B | コンコース・ロビー | 調光COBテープ 12W/m × 200m |
1,440W実効 (調光60%平均) |
500lx / Ra90 / 4000K | 開館〜閉館タイムライン制御・深夜清掃時20%調光 |
| Zone C | フードコート・売店 | COBテープ 12W/m × 120m |
1,440W (常時全灯) |
600lx / Ra90 / 3000K | 食品照明Ra90・電球色で食欲促進・商品映え向上 |
| Zone D | 廊下・トイレ・スタッフルーム | PIR/COBテープ 6W/m × 200m |
180W実効 (PIR 15%平均) |
200lx / Ra80 / 4000K | 人感センサーで節電最大化・深夜保安灯として10%待機 |
| シーン | 場面 | 照度レベル | 移行時間 | 目的 |
|---|---|---|---|---|
| SC-1入場 | 開場〜着席誘導 | 200lx(100%) | 即時 | 安全な移動・着席 |
| SC-2予告開始 | 予告編スタート前 | 80lx(40%) | 30秒フェード | 映画モードへの切替誘導 |
| SC-3本編開始 | 本編スタート直後 | 10lx(5%) | 60秒フェード | 映像への没入誘導 |
| SC-4上映中 | 本編全般 | 3lx(1.5%) | ― | 足元安全灯・非常口視認確保 |
| SC-5途中休憩 | インターミッション | 120lx(60%) | 15秒フェード | トイレ誘導・売店訴求 |
| SC-6エンドロール | クレジット開始 | 20lx(10%) | 30秒フェード | 余韻維持・次退場準備 |
| SC-7終映 | 上映終了 | 200lx(100%) | 10秒フェード | 安全退場・清掃開始 |
| SC-8清掃 | 入替清掃中 | 300lx(150%相当) | 即時 | 清掃員作業性確保 |
| SC-9閉館後 | 閉館〜夜間警備 | 5lx(2.5%) | 即時 | 保安灯・防犯カメラ補助光 |
| SC-10緊急 | 非常時・避難誘導 | 200lx(100%) | 即時(0秒) | 避難路確保・パニック防止 |
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| COBテープ照明 材料費 | 150万円 | 880m分・DMX512対応 |
| 施工費(電気工事・配線) | 95万円 | 天井高対応足場・既存撤去 |
| DMX512制御システム | 38万円 | Zone A+B連動・タイムライン |
| PIRセンサー(Zone D) | 12万円 | 廊下・トイレ・スタッフ室 |
| 合計導入費 | 295万円 | |
| 年間電気代削減 | 52万円 | 14時間稼働・電力単価24円 |
| 年間保守費削減 | 23万円 | ランプ交換・高所作業費 |
| 年間総削減額 | 75万円 | |
| 投資回収期間 | 3.4年 | 295万÷75万(小数点以下四捨五入) |
A. PWM制御対応の高周波ドライバーと、DMX512インターフェースに対応したCOBテープLEDを組み合わせることで実現できます。特に1〜5%の極低輝度調光時にフリッカーが出やすいため、製品スペックの「調光最低値」と「フリッカー対応周波数」を必ず確認してください。
A. 既存HID・蛍光灯混在構成からCOBテープLEDへの全面移行で、消費電力を40〜55%削減できるケースが多いです。14時間営業のシネコンでは年間電気代削減額が100万円を超えることもあり、投資回収期間は2〜4年が目安となります。
A. 映画館のロビー・廊下・フードコートには直管蛍光灯が多数使われており、2027年以降の調達困難化は上映中断リスクに直結します。上映スケジュールを守るためにも、今のうちに段階的なLED移行計画を立てておくことが重要です。
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