施工事例 B-102

ボウリング場 LED照明施工事例
高天井HID→COB LED換装
53%省エネ・年間52万円削減
投資回収3.5年

施設規模: 600㎡(8レーン) ゾーン数: 4 施工費: 180万円 回収年数: 3.5年
53%
省エネ率
52万円
年間削減額
3.5年
投資回収
HID→LED
光源換装
即時点灯
再点灯遅延ゼロ
関東圏のボウリング場(8レーン・600㎡)において、高天井レーン上部のHID(メタルハライド200W)と蛍光灯(FL40W)の混在設備をCOB LEDテープ・高天井用LEDに全面換装。53%省エネ・年間52万円削減・投資回収3.5年を達成した施工データを公開する。HID特有の再点灯遅延(熱間再始動10分以上)も解消し、停電復旧後の営業再開時間が大幅に短縮された。

施設概要と照明課題

ボウリング場の照明は、レーン全長(約18m)を均一に照らす必要があり、ピン側(奥)まで十分な照度を確保しなければならない。天井高は通常4〜6mに達するため、一般的な店舗用LED器具では照度が不足する。従来の高天井施設ではHID(メタルハライドランプ・高圧ナトリウムランプ)が主流であった。

HID照明の主な課題は3点:①消費電力が大きい(200W×30灯=6,000W)、②再点灯遅延(停電後の再始動に10〜15分)、③ランプ交換コストが高い(1本3,000〜5,000円×3〜4年交換サイクル)。また、アミューズメント施設特有のブラックライト演出やカラーリング照明との共存も課題だった。

ゾーン別施工仕様

Zone A — レーン・ピン配置エリア(高天井部)

用途: 8レーン全長18m × レーン幅1.65m × 8 — ボール・ピンの視認性確保
色温度: 4000K(白色)— ピンの白色と背景の視認コントラスト最適
演色評価数: Ra80
照度: レーン面500lx以上(ピン直前800lx)
設備: 高天井用COBライナー型 100W相当×30灯 = 2,400W
旧設備: HIDメタルハライド200W×30灯 = 6,000W
削減率: 60%
付加効果: 即時点灯・再点灯遅延ゼロ(HIDは熱間再始動10〜15分)

Zone B — 投球エリア・スコアボード周辺

用途: アプローチ(投球フット部)、スコアリングシステム上方、プレイヤーシート
色温度: 3500K(温白色)— 長時間プレイでの目疲れ軽減
演色評価数: Ra85
照度: 350lx
COBテープ: COB10W/m × 80m = 800W
旧設備: FL40W×30灯 = 1,200W
削減率: 33%

Zone C — 受付・シューズレンタル・ラウンジ

用途: フロント受付、シューズ棚、軽食・ドリンクカウンター、待合ソファエリア
色温度: 3000K(電球色)— 非プレイエリアのリラックス感演出
演色評価数: Ra85
照度: 300lx
COBテープ: COB10W/m × 60m = 600W
旧設備: FL40W×20灯 = 800W
削減率: 25%

Zone D — バックヤード・ピンセッター機械室

用途: ピンセッター制御室・スタッフ動線・資材保管
色温度: 5000K(昼光色)— 機器点検・整備作業の視認性確保
演色評価数: Ra80
センサー: PIR人感センサー(スタッフ入室時のみ点灯)
COBテープ: COB8W/m × 40m = 320W → 実効160W(PIR稼働率50%)
旧設備: FL32W×15灯 = 480W
削減率: 67%(PIR込み実効)

施工前後 消費電力比較

ゾーン旧設備旧消費電力新設備新消費電力削減率
Zone A レーン・ピンエリアHID 200W×30灯6,000W高天井COBライナー100W×302,400W60%
Zone B 投球エリア・スコアFL40W×30灯1,200WCOB10W/m×80m800W33%
Zone C 受付・ラウンジFL40W×20灯800WCOB10W/m×60m600W25%
Zone D バックヤード・機械室FL32W×15灯480WCOB8W/m×40m+PIR160W実効67%
合計8,480W3,960W実効53%削減
HID換装の最大メリット——即時点灯: HIDランプは点灯後に安定輝度に達するまで3〜5分を要し、熱間状態(点灯中または消灯直後)での再始動には10〜15分以上かかる。停電後の営業再開でコート全体が暗い状態が続くという課題があったが、LED換装後は停電復旧後0秒で全点灯。トラブル時の営業ロス時間が大幅に減少した。

コスト削減シミュレーション

年間稼働時間4,500時間(週7日 10〜24時)
削減電力4,520W(8,480W → 3,960W)
年間節電量20,340kWh
電気代削減(26円/kWh)528,840円/年
ランプ交換コスト削減(HID 30本×4,000円/3.5年)約34,000円/年
冷房負荷軽減(HID放熱削減)約20,000円/年(推定)
年間総削減額約582,000円
施工費(工事・材料費込み)1,800,000円
投資回収年数3.5年

HID照明の課題と解決ポイント詳解

発熱問題

HIDメタルハライド200Wは動作中のバルブ温度が300〜900℃に達する。ボウリング場のように天井高が4〜6mある場合でも、複数灯が連続点灯する閉鎖空間では室内温度が上昇しやすい。LED換装後は発熱量が大幅に減少し、夏季の空調効率が改善された。電力削減効果に加え、エアコン負荷軽減という2次的節電効果も得られる。

ランプ寿命と交換コスト

HIDランプの寿命は8,000〜12,000時間(約3〜4年)で、交換費用は1本あたり3,000〜5,000円(ランプ代)+高所作業費(2,000〜4,000円/灯)がかかる。LEDは寿命40,000〜50,000時間(約10年以上)と長く、ランプ交換そのものがほぼ不要になる。

演色性の向上

旧HIDメタルハライドのRa値はRa60〜70程度で、人肌や白色ピンの見え方に黄緑みがかった偏りが生じる。Ra80以上のLEDに換装することで、ピンの白色がより清潔感のある白に見え、プレイヤーの視認コントラストが向上する。

施工上の工夫

課題対応策
高天井への設置高所作業車(アウトリガー付き)を使用、レーン閉鎖は早朝・深夜の2時間バッチ施工(レーンごとに段階施工)
レーン営業への影響最小化8レーンを4レーン×2グループに分け、2回に分けて施工。片側4レーン稼働を維持
既存HID電源の活用既設の高天井用電源回路(200V系)をそのまま流用。分電盤変更を最小限に抑えコスト削減
アミューズメント演出との共存レーン周辺のCOBはディマー(調光)対応。ブラックライトイベント時は白色LEDを30%まで減光し演出効果を損なわない

まとめ

ボウリング場のHID→LED換装は、スポーツ・アミューズメント施設の中でも特に省エネ効果の大きい案件のひとつである。Zone A(高天井レーン部)の60%削減が全体の省エネ数値を牽引し、8,480Wから3,960Wへの53%削減という結果につながった。年間52万円削減・3.5年回収という数値に加え、HID特有の再点灯遅延解消・ランプ交換工数の大幅削減・空調負荷の低減という付加価値も大きい。施設規模が大きいほど削減効果は拡大するため、10〜20レーン以上の中規模ボウリング場では年間100万円超の削減が見込める。

ボウリング場・スポーツ施設のLED照明をご検討の方へ

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