この施工事例のポイント
- 施術室にRa90/3500K調光COBテープを採用
- 患者の皮膚色・症状を正確に視認
- 施術中は低照度ディムでリラックス誘導
- 温熱療法室は3000K暖色で副交感神経促進
- 蛍光灯比41%消費電力削減達成
- 電気代削減8万円+保守費削減4万円/年
- 施工費36万円・投資回収期間3.0年
- 廊下・更衣にPIRセンサー連動
施設概要と照明課題
今回の導入先は住宅街に立地する個人経営の鍼灸院・整骨院です。施術ベッド8台・受付兼問診室・温熱療法室・更衣室を備える150㎡の施設に、旧来の蛍光灯からCOBテープLEDへ全面移行しました。
治療院における照明設計の最重要課題は「施術者の作業視認性」と「患者のリラックス状態の誘導」の両立です。Ra70台の蛍光灯では皮膚の赤みやうっ血状態の色判別が難しく、施術精度に影響していました。また蛍光灯の白く強い光は交感神経を活性化させやすく、治療院としてのリラックス空間演出の障壁となっていました。
4ゾーン照明設計の詳細
Zone A ― 施術室・治療ベッドエリア
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| Zone A 使用製品 | COBテープLED 8W/m(Ra90/3500K) |
| 施工延長 | 60m(天井廻り縁間接照明+施術台側面補助照明の2層構造) |
| 消費電力 | 480W |
| 照度設計 | 200〜400lx(施術者の確認作業対応)→50〜100lx(施術中のリラックスモード) |
| 演色性・色温度 | Ra90 / 3500K(皮膚色・赤み・うっ血状態の視認を正確に行いつつ暖かみのある色調) |
| 制御 | 無段階調光(入室〜問診:400lx/施術中:80lx/治療後確認:400lx) |
| 特記事項 | ベッド側面にスポット補助照明を配置し、局所照射が必要な精細作業に対応 |
Zone B ― 受付・問診室
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| Zone B 使用製品 | COBテープLED 8W/m(Ra85/4000K) |
| 施工延長 | 40m(カウンター上部直接照射+待合エリア間接照明) |
| 消費電力 | 320W |
| 照度設計 | 300〜500lx(受付業務・問診票記入・書類確認対応) |
| 演色性・色温度 | Ra85 / 4000K(清潔感のある中性白色・医療機関としての信頼感) |
| 制御 | タイムスケジュール制御(開院時間〜閉院後の清掃完了まで) |
| 特記事項 | 受付カウンターは手元照度500lxを確保しつつ待合は間接照明で落ち着いた雰囲気を維持 |
Zone C ― 温熱療法室・物理療法室
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| Zone C 使用製品 | COBテープLED 8W/m(Ra85/3000K) |
| 施工延長 | 40m(天井廻り縁間接照明・直接光源は視野に入らない設計) |
| 消費電力 | 320W |
| 照度設計 | 150〜300lx(横臥・療法機器使用時の安全視認性確保) |
| 演色性・色温度 | Ra85 / 3000K(電球色・副交感神経優位誘導・眠気促進) |
| 制御 | 調光対応(通常モード150lx→深部温熱モード50lxへの段階切替) |
| 特記事項 | 低温やけど防止のため熱を持つ療法機器の近くには照明を配置しない設計 |
Zone D ― 廊下・更衣室(PIR連動)
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| Zone D 使用製品 | COBテープLED 8W/m(Ra80/4000K)+PIRセンサー |
| 施工延長 | 40m |
| 実効消費電力 | 96W(非通行時24%ディム・平均稼働30%換算) |
| 照度設計 | 150〜300lx(歩行安全・着替え・清掃対応) |
| 演色性・色温度 | Ra80 / 4000K(廊下・更衣室標準) |
| 制御 | PIRセンサー連動(人感検知→全灯・非検知→最低照度維持) |
| 特記事項 | 高齢患者が多いため廊下は段差・手すり位置が常に視認できる最低照度(50lx以上)を維持 |
省エネ・コスト削減の実績
(蛍光灯比)
(電気代8万+保守費4万)
(施工費36万円)
旧設備(蛍光灯)の総消費電力1,888Wに対し、COBテープLED化後は1,216W(Zone A 480W+Zone B 320W+Zone C 320W+Zone D 96W)に削減。施術中の低照度ディム(80lxモード)が最も大きな省エネ貢献となっています。1日8時間営業のうち施術中の低照度時間が約6時間に及ぶため、実質的な消費電力は設置値の50%程度で推移しています。
鍼灸院・整骨院の照明品質チェック比較表
| チェック項目 | 旧設備(蛍光灯) | COBテープLED Ra90(今回) |
|---|---|---|
| 皮膚色・赤み・うっ血状態の視認 | Ra70台で皮膚色の微妙な変化が判別困難 | Ra90/3500Kで皮膚色変化を正確に視認 |
| 施術中の患者リラックス度 | 蛍光灯の強い白色光が交感神経を活性化 | 80lx/3500Kで副交感神経優位・深いリラックスを誘導 |
| 照度の段階切替(作業↔リラックス) | 全灯・消灯の2択のみ(中間照度不可) | 無段階調光で50〜400lxを自在に切替可能 |
| 温熱療法室の雰囲気演出 | 蛍光灯全灯のみ・リラックス環境を壊す | 3000K/50lxで眠気・深部リラックスを最大化 |
| 廊下の高齢者安全視認性 | 廊下消灯時は暗く転倒リスクあり | PIR連動で50lx以上を維持・段差を常時視認可能 |
| 院内の清潔感・信頼感 | 蛍光管の黄ばみ・暗さで清潔感が低下 | 受付4000K/500lxで明るく清潔感のある印象 |
| 年間電気代(照明分) | 約21万円/年 | 約13万円/年(▲8万円) |
| ランプ交換・管理コスト | 年次交換(高所作業必要な場合あり) | 5〜7年以上無交換(保守費大幅減) |
治療院照明設計の専門的アドバイス
Ra値の選び方と皮膚色識別
鍼灸・整体における皮膚観察(顔色・皮膚の赤み・むくみ・筋肉の張り確認)では、Ra90以上の演色性が推奨されます。Ra値が低い光源では皮膚の微妙な色の変化が観察しにくく、特に「顔面の赤み・血色・黒ずみ」「アザ・内出血の広がり具合」「施術後の皮膚反応」の確認精度が低下します。Ra90の3500Kは「暖かみがあり皮膚を美しく見せながら、変色・症状の変化も見逃さない」バランスの取れた設定です。
調光制御による施術フロー最適化
施術フローに合わせた照度の段階制御を実装しました。①問診・確認(400lx)→②施術開始(150lx)→③深部施術・リラックスピーク(80lx)→④施術終了確認(400lx)の4段階をリモコン1台で切り替え可能。施術者が治療に集中しながら照度を調整できる設計としました。
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